「がんばって振っても飛ばない」「いつまでたってもうまくならない」。その理由は、シャフトが合っていないからかも!? 事実、ゴルフがうまい女子の間では、シャフトにこだわる人が増えているとか……。
そこで「Regina」では、女性にとってのシャフトに注目! 素朴な疑問を、プロに分かりやすく解説してもらいます。
「シャフトのことなんて、考えたことない」「なんだか難しそう」とスルーしていたあなた。シャフトを知れば、あなたのゴルフがワンランクアップするはず!
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【第4回】クラブが重い方が、飛距離が出ると聞いたことがありますが、本当はどうなのでしょうか?
A)女性は筋肉が少ないので、重いクラブは正しく振れません=飛距離も出ません!
カーボン繊維の技術の進歩によって、年々、より軽くて強度の高いシャフトが開発されるようになりました。ひと昔前は50g台より軽いシャフトはありませんでしたが、今では40g台、中には30g台のシャフトまで作られるようになっています。
昨年9月に発売され、国内女子ツアーで11週連続モデル別使用率No1、優勝4回を記録した『Speeder EVOLUTION Ⅵ』。重量、フレックスは41g(SR)、39.5g( R) 38g(R2)と3種類。アマチュア女性にも人気の30g台には、ピンクカラーもラインナップ。
では、女性はどんな重さのシャフトを選ぶべきかといえば、ずばり“軽いシャフト”。
具体的な数字で言うと、40g台がベスト。もちろん30g台でもいいでしょう。50g以上になると、よほどパワーがある人じゃないかぎりおすすめしません。
では、なぜ軽い方がいいのかというと、シンプルに「重いとスイングが崩れるから」。女性のカラダは筋肉量が少ない上に、安定感をもたせるため骨盤が横に広くなっています。そしてどんなに頑張っても、男性と同等の力はつきません。
そんな女性が重いクラブを振ろうとすると、上半身の大きい筋肉を使わないと上げられず、クラブの重さを胸で受けとめるかたちになります。
その結果、前傾姿勢がくずれ、カラダは起き上がり、さらに腰が落ちてしまう。これでは力が入りません。アークサイズも小さくなるし、ヘッドも軌道の外に行ってしまいます。つまり、飛ばないスイングになってしまうというわけ。
◆まずは、正しく振り切れる重さであることが大前提。スイングが崩れることなく振り切れる体幹で軽いシャフトで
◎ 軽いシャフトなら、正しくクラブを上げることができる
× シャフトが重いと胸の大きな筋肉が必要になり、胸と腰が前に出てカラダが起き上がる。フェースも外を向いてしまう
× 結果、腰が落ちてヒザが回り、クラブを担ぐようなスイングに。パワーが出ず飛ばせないぱかりか、方向性も悪くなる。
シャフトの「硬さ」(第二回)は上達に応じてランクアップはOK。「長さ」(第三回)は、絶対に長い方が飛びますが、「重さ」だけは別。
活躍中の女子プロでさえ、多くの選手が40g台の軽いシャフトを使っていることでもわかるように(ちなみに私も、ゴルフをはじめた時から現在に至るまで、40g台のシャフトです)、どんなに上達しても、重さにランクアップは不要。
その分は、長さや硬さ、調子を進化させましょう。ということで、次回は「調子」についてお話します!
◆教えてくれたのは 林佳世子プロ
JPLAドラコンプロ。ドライバー最高飛距離299ヤード。ベストスコア65。数々のドラコン選手権で優勝。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)にて、飛距離アップをはじめ、スコアアップのためのレッスンを指導するほか、テレビ、雑誌などで活躍中。Instaglamはコチラ!→(@kayoko00)
◆監修 浦大輔プロ
身長170cm。ドライバー最高飛距離420ヤード。ジュニア時代、数々の試合で優勝経験をもち、東北福祉大学に特待生として入学し、ゴルフ部に入部。現在は、物理学、スポーツ力学、ゴルフクラブのメカニズム、体の構造を研究した、独自のゴルフ理論で、多くのゴルファーのスキルアップをサポート。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)ヘッドコーチ。YouTube 「かっ飛びゴルフ塾」配信中。
取材・文/たかはしよし子 撮影/福田文平