女子プロは効率的な体の動かし方をするため、どんな緊張した場面でも正確にドライバーを打ちこなしフェアウェイをキープしています。松田鈴英プロらを指導している黒宮幹仁プロコーチは、「背中やお尻など体の裏側の筋肉を有効に使うから正確に打てる」と教えてくれました。今回は、渋野プロのスイングをお手本に勉強していきましょう!
◆体の後ろの筋肉を使えば、再現性が高くなる
女子プロが“曲がらない”大きな理由は、理に適った体の使い方をしているから。
大出トレーナー「特に、女子プロの場合、背筋やお尻、モモ裏、ふくらはぎなど体の後ろ側の大きな筋肉を使うことで毎回、再現性の高いスイングを実現しています」
黒宮コーチ「アマチュアが曲がる原因の一つには、背中やお尻などの筋肉を使える正しいスイングの動きをしないから。肩や両腕の筋肉を無意識に使っているから、手打ちになってしまい曲がってしまうのです」
【渋野日向子プロを背面から見ると…】背中でクラブを下ろし、お尻で軸を保つ
【ポイント1】右の背筋で振り上げる
右の背筋(広背筋や僧帽筋)を使ってバックスイング。大きな筋肉を使うから肩もしっかり回り、手打ちにならない
【ポイント2】左背筋で振り下ろす
ダウンではテークバックとは逆に左の背筋(僧帽筋、広背筋)を使って振り下ろす。そうすればオンプレーンに振りやすい
【ポイント3】右の臀筋群やハムストリングスで蹴る
右お尻(臀筋群)やモモ裏など(ハムストリングス)を使って一気に地面を踏み込む。これで体重移動がスムーズに行われ、パワーも伝わる
【ポイント4】左の臀筋群や大内転筋で支える
左お尻(臀筋群)や内モモ後ろ(大内転筋)を使いジャンプするよう左ヒザを伸ばす。左腰が回りやすくなり左サイドに壁ができる
◆教えてくれたのは・・・
黒宮幹仁コーチ(松田鈴英プロコーチ)
黒宮幹仁 くろみや・みきひと
91年生まれ。ジュニア時代、松山英樹や石川遼と切磋琢磨。その経験を生かし、レベルの高い指導を実践
大出邦雄トレーナー(松田鈴英プロトレーナ)
大出邦雄 おおいで・くにお
松田鈴英の帯同トレーナーを務める他、多くのアスリートにトレーニングやコンディショニングの方法を指導
ALBA 792号掲載 構成/真鍋雅彦 写真/福田文平、近澤幸司、岩本芳弘、田中宏幸、相田克己 取材協力/鹿児島ゴルフリゾート、日本体育大学、フェニックスゴルフアカデミー、ジャパンスイミングスクール大原、グラン・スポール上杉