エイミー・コガプロは、ツアー中でもオフ・シーズン中でも、後ろの筋肉を使うために水泳トレを実践しているといいます。元水泳のインストラクター、父・裕規男さん考案の水泳トレを伝授しましょう。
体重移動を丸くして太もも裏の筋肉を使おう【女子プロは背中で打つから曲がらない】
◆「水泳は体への負担がないし、全身運動だから有酸素運動になり、血液循環を促すなど良いことずくめです」(エイミーコガプロ)
水泳トレの利点は、肩甲骨と股関節の周りの筋肉がほぐれること。自然と肩甲骨が動くようになるし、股関節の動きも柔らかくなるから、下半身の動きも良くなるといいます。
「私がプロになれたのも水泳トレのおかげといっても過言ではないくらい。水に浮くためケガもしにくいし、体の疲労回復にも抜群にいい。ゴルフ上達にオススメです」(エイミー)
一方、裕規男さんも水泳トレの効果をこう分析します。「体の柔軟性を上げるのに最適。ツアー中も週に2、3回やっていますが、バランスが整うし、疲労回復にも役立っています」(裕規男さん)。
◆クロールで左右のバランスを整える
クロールは両腕、両足を大きく使う全身運動。体の左右のバランスを整える効果があり、有酸素運動となり疲労回復にも効果的!
◆エイミー・コガ式プールストレッチ→クロール泳ぎで肩甲骨をほぐしストレッチで股関節を和らげる
【1】クロールを30分行う
少し速めのスピードで泳ぐ。肩甲骨を意識して大きく腕を回すと、より効果的。バタ足も足裏の筋肉をほぐす効果があります
【2】腕を思い切り振って歩く
水中で腕を振って大股で歩き、体の左右のバランスを整えます。さらに背中の動きを意識すると、腕の動きと連動して背中の筋肉もほぐれます。
【3】深く沈みながら歩く
太モモ前をほぐすと同時に、ふくらはぎをほぐすメニュー。特にふくらはぎはスイングのジャンプアップの動きにつながるので大事です。
【4】カニ歩きで前足に沈み込む
伸ばさないほうの足の内転筋を伸ばすメニュー。反対のほうの股間節に乗るイメージで歩くと股関節もほぐれる。左右に歩くことが重要です。
【5】両足を後ろから回して前に歩く
前に歩きながら両足を回し、股関節の柔軟性を高めるメニューです。トップ、インパクトとも股関節が硬いとスエーになるので十分にやりましょう。
【6】両足を前から回して後ろに歩く
後ろに歩きながら両足を後ろに回ります。スイング中、股関節は右回りになるので、これをやっておけば右足の蹴りが強くなります。
◆教えてくれたのは…
古賀裕規男さん(右)ゴルフは元シングルの腕前で、幼い頃からエイミーを指導している。現在はコーチ兼キャディー。元水泳インストラクターの資格を持つ
エイミー・コガプロ(左) 95年生まれ。19年賞金ランク41位で初シード獲得。現在でも水泳トレはオフやツアー中でも欠かさない。今季初勝利を目指す
ALBA792号より転載 構成/真鍋雅彦 写真/福田文平、近澤幸司、岩本芳弘、田中宏幸、相田克己 取材協力/鹿児島ゴルフリゾート、日本体育大学、フェニックスゴルフアカデミー、ジャパンスイミングスクール大原、グラン・スポール上杉