飛距離が伸びる! カッコいい! マネしたい! ゴルフをする女性なら誰もが憧れる人気女子プロゴルファーたちのスイングを、連続写真をもとにプロコーチ・大西翔太氏が解説。女性ゴルファーにもマネできるポイントも教えてもらいました!
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◆カラダを効率よく使ったかっこいいスイング
産休+オフの約一年半のブランクから復帰するや、コンスタントな成績を残し、賞金ランク24位で20年の最終戦に出場した若林プロ。
オフの間は、海外合宿に行くなど復帰に向けて着々と準備を進めてきた結果でしょう。子育てとプロゴルファーの両立、お見事ですね!応援したいです。
そんな若林プロは、タテの動きを使ってパワーを効率よく生むスイングが特徴です。とくにインパクトでの左ヒジがカラダにくっつきつつ、頭は右に残ってひっぱり合うカタチはマネすべきポイント。
アマチュアはワキが開きがちですが、ワキが開くと飛距離も方向性もダウンしてしまいます。
あらかじめ左に乗り、インパクトの準備
アドレス時は、両足均等に重心を乗せるプロが多い中、右足が左に曲がっていることを見ると、若干左に乗っているようです。
これは、インパクトで左に乗り、目標方向にパワーを伝えるための一工夫と言えそうです。
自身の体重以上のパワーが出る動き
右足が、クラブが腰の位置に来た時点で通常のアドレス時のカタチになっています。
一度左に乗ってから、右に乗せていく動きは、よく、ドラコン選手が取り入れていて、ムダな動きを省き、自分の体重以上のパワーを出すための動きと見てとれます。
グリップと左ヒザの距離が遠い、理想的な高いトップ
右の股関節にしっかりと乗り、グリップ位置と左ヒザがひっぱり合った、理想的なトップ。背中はしっかり目標方向を向いています。カタチもとてもきれいですね。
トップでは、グリップ位置と左ヒザの距離が遠いほど、エネルギーが大きくなり、飛距離を出すことができます。
フェースを寝かせず、クラブをタテに下ろす
高いトップから、手元とカラダの距離を変えずに、クラブをタテに下ろしています。普通、トップが高いとクラブが寝て下りてきがちでが、若林プロは寝かしていない。フェースの管理ができていて、インパクトでムダなくボールにパワーを伝えられる動きです。
左ヒジがカラダにぴったり着いた理想的なインパクト
ぜひみなさんにマネしてほしいインパクトのカタチです。頭は右に残しつつ、左足に重心がしっかり乗っています。左ヒジもぴったりとカラダにくっついている。
アマチュアの多くは、左わきが開いて、頭は目標方向に動きがち。これでは、インパクト時のフェースが安定せず、飛距離も伸びないし、方向性も悪くなります。
左わきが締まり、右腕がしっかり伸びた大きなフォロー
頭は右に残り、左ワキは閉まったまま、右手は真っすぐ伸びています。若林プロは、ワキが締まっていますが、窮屈でないところがポイント。締めが強すぎると、せっかくのパワーがボールに伝わらないので注意しましょう。
クラブが高い位置に収まったかっこいいフィニッシュ
左わきがきちんとしまったスイングをすると、このようにフィニッシュの位置が高くなります。力感もなく、パワーを無駄なくボールに伝えたイメージをもてる、とてもきれいなフィニッシュです。
◆教えてくれたのは…
若林舞衣子 Maiko Wakabayashi 1988年生まれ、新潟県出身。165cm。11歳からゴルフをはじめ、アマチュア時代から活躍。2007年、プロテスト合格。翌年2008年「SANKYO レディースオープン」を20歳で初優勝。2016年に結婚し、2018年11月から産休に入り、2020年にはツアー復帰。上位者しか出場できない最終戦「リコーカップ」に参戦するなど、産休後も大健闘。ツアー通算3勝日向子プロとは親友関係。20年度賞金ランク24位。 クラブ/ヨネックス ウェア/ヨネックス 所属/ヨネックス インスタグラム Instagram@maaaiko では、息子さんの成長日記も見られます!
指導/大西翔太プロ 1992年生まれ、千葉県出身。ティーチングプロ。青木瀬令奈プロのコーチ兼キャディとしてツアーに帯同する傍ら、女性やジュニアなど、幅広い層のアマチュアにもレッスンを行う。「ゴルフをメジャースポーツに☆」がモットー。(インスタグラムアカウント @shota.ohnishi)
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取材・文 たかはしよし子