今季女子ツアー開幕戦のアース・モンダミンカップで5年ぶりのツアー4勝目を飾った渡邉彩香プロ。スランプ時代はドライバーショットが大きく曲がって苦しみましたが、地道なスイング改造と練習の結果、飛んで曲らないショットを手にしました。
そこで、女性ゴルファーにも参考になるポイントを紹介してもらったので、飛距離アップに役立てましょう。
第8回はスイング中の重心位置についてです。
【渡邉彩香プロ連続写真】長身さんも小柄さんも誰だって 飛ばし女子 になれる!
◆腹筋に力を入れて重心位置を低くする
バックスイングで貯めたパワーをいかにインパクトで放出するか。言い換えれば、どれだけパワーをロスせずにインパクトを迎えらえるかが、飛距離を左右します。ダウンスイングからインパクトにかけて、重心の位置が高いと体が起き上がり、パワーのロスにつながります。ボールをしっかり押すためには、重心を低い位置にキープしたままインパクトを迎えることです。
そのためにお勧めしたいのが、腹筋に力を入れることです。ダウンスイングの切り返しで、フッと腹筋に力を入れると、重視の位置が上がらず、そのままインパクトを迎えられるので、ボールをしっかり押すことができます。練習場などで、腹筋に力を入れながらクラブヘッドで重い物を押してあげるとこの感覚がつかめます。
ダウンスイングの切り返しで、腹筋にフッと力を入れましょう
重心の位置を下げることなくインパクトを迎えられるので、ボールをしっかり押すことができます
◆インパクトの形を意識してからアドレスへ
実際にボールを打つときは、アドレスに入る前のルーティーンとして、先にインパクトの形をつくるのもいいでしょう。この形をつくるんだと意識するだけでも、重心の位置が低くなり、インパクトでボールを押す形を再現しやすくなります。
どうしても重心位置が高くなるという人は、一度深呼吸をしてからアドレスに入ることをお勧めします。腹筋に力が入っていることを確認しながら、フーッと息を吐き切ると、重心位置が低くなります。そのままクラブを上げて下ろせば、バックスイングでもダウンスイングでも前傾姿勢が変わらず、低い重心位置をキープできます。
右足を目標方向に少し送ってインパクトの形をつくってからアドレスに入りましょう
アドレスで腹筋に力を入れながらフーッと息を吐くことによって、重心位置が低くなります
腹筋に力を入れることで、バックスイングでダウンスイングでも上体の前傾角が変わらず、低い重心位置をキープできます
◆教えてくれたのは…
渡邉彩香 わたなべ・あやか/93年生まれ、静岡県出身。初優勝は14年。15年は飛距離を武器に年間2勝。その後、シード落ちを喫したが、20年の復帰に懸ける
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撮影/佐々木啓、米山聡明