身長151センチと小柄ながら、パワフルなドライバーショットとキレのあるアイアンショットを武器に、国内ツアーで活躍する田中瑞希プロ。今シーズン、シード権獲得はもちろん、ツアー初優勝を狙います。その田中プロが女性アベレージゴルファーのために、スコアアップの秘訣をレッスン! 第6回は60ヤードからのフェードボールについて説明します。
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◆ピンが右サイドにあるときはフェードで攻める
いくら60ヤードからのショットとはいえ、ミスすることはあります。その際、なるべくリスクを避けるべきでしょう。例えば、ピンが右サイドに立っている場合、ストレートボールで攻めるとします。狙い通り真っすぐ飛べば問題ありませんが、少しでも右に打ち出すと、グリーンを外しますよね。しかも、グリーンエッジからピンまでの距離が短いため、難しいアプローチが残ってしまいがちです。
ピンが右サイドにある場合はあえてグリーンの真ん中を狙い、フェードボールを打ちましょう。仮にフェードがかからずに真っすぐ飛んでもグリーンには乗りますし、フェードがかかればピンそばで止まります。もちろん、曲がりの大きいスライスボールを打てば、グリーン右に外して難しいアプローチが残りますが、この場合はわずかなミスではなく、大きなミスなので素直に受け入れましょう。
あとは状況によって微調整して下さい。風が左から吹いているときやツマ先下がりのときはグリーンの左端を狙い、風が右から吹いているときはピンを狙ってフェードを打つ感じです。
ピンの位置や状況によって、どのような球筋で攻めるのかを考えるようにしましょう
◆スタンスの向きに沿ってクラブを振り抜く
フェードボールの打ち方ですが、これはどのクラブで打つときも同じです。まず、ボールの後ろに立ち、目標を決めます。その目標に対してクラブフェースをスクエアに合わせます。スタンス、体のラインもスクエアに合わせましょう。その状態から左足を後ろに下げてオープンスタンスに構えます。どれぐらい後ろに下げるかは、ボールを曲げたい度合に寄ります。軽いフェードを打ちたいのであれば、ボール1個分ぐらいで十分です。
バックスイングでは手でクラブを上げようとせず、体の回転で腕とクラブが自然と上がるイメージを持ちましょう。トップまでクラブを上げたら、右ヒザを正面に戻すつもりで右のお尻を回します。そのままスタンスの向きに沿ってクラブを振り下ろしますが、インパクトゾーンでフェースを返す動きはありません。フォローでは多少左ヒジを体の後方へ向ける形になります。
カット打ちになるので、ストレートボールよりも飛距離が落ちます。それを計算して振り幅を少し大きめにするか、クラブを握る長さを変えるか、使用するクラブを替えましょう。
打つ前にどこを狙うのかを明確にしておきます
目標に対してフェースをスクエアに合わせたら、左足を後ろに引いてオープンスタンスに構えます
上体を捻転することでバックスイングを行います
右ヒザが正面を向くように右のお尻を回すことでダウンスイングを開始します
インパクトではフェースを返さず、そのままスタンスの向きに沿って振り抜きます
フィニッシュまで振りきましょう
◆教えてくれたのは…
田中瑞希プロ たなか・みずき/1998年生まれ、熊本県出身。2019年に3度目の挑戦でプロテストに合格。小柄ながらドライバーの平均飛距離は約243ヤード。今季の開幕戦、アース・モンダミンカップでは3位タイで注目を浴びる。ツアー初優勝を期待される黄金世代のひとり。
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取材・文/山西英希 撮影/鈴木祥