女性ゴルファーがスコアを大きく縮めたいなら、アプローチ練習に力を入れるべきです。ですが、アプローチは闇雲に練習すればいいわけではありません。100切り、90切り、80切りとレベル別に目的を持って練習をすることで、寄せワンになる確率は大幅に高められます。さあ、アナタのレベルにピッタリの課題から取り組んでベストスコア更新につなげましょう!
今回のテーマは90切り“一番距離感が合う寄せテク”です。一番寄せる確率が高いのはPWでのコロがしだと柏原明日架プロは語ります。実際に彼女がツアーで実戦しているという、距離感が合うコロがしの極意を教えてもらいました。
◆短く持って近くに立つとミート率が上がる
19年はツアーで初優勝をすることができたんですが、一番練習したのはアプローチ。いろいろな打ち方を試した中で、最も簡単で距離感を合わせやすいと思ったのはPWなどを使ったコロがしです。
PWはSWに比べてバンス角が小さいから跳ねにくく、ロフトも立っているので芯を上下に外してもミスになりにくいのが利点。また、短く持ってボールの近くに立てばミート率はさらに上がります。
具体的には、右足前にボールを置いたら、下半身は使わずに上体の回転だけで打つこと。それだけでクリーンにボールをとらえられます。注意点は、ストローク中、手首を使わないこと。私は左手人指し指を伸ばした逆オーバーラッピングで握っていますが、こうすると手元が一体化して手先を使わないですみます。手先を使いがちな人は試してみてください。
◆両足はそろえて上体の回転だけで打つから距離感ピッタリ
グリップはパターのように両手で左右から挟むように握ります。左人指し指を伸ばして握ることで、両手の一体感を高めています。また、コロがしの場合は両足をそろえて立ち、ボールを右足の前に置き、パッティング同様、上体の回転だけ打つとクリーンにヒットできます
◆弾道を明確にイメージする
構える前に落としどころはもちろん、キャリーやランに至るまで弾道を思い描くことが大事です。そうすれば成功率は格段にアップします。多くのアマチュアはこれを忘れがちです
ロフトが立つほどコロがる距離も伸びます。なので、ピンが手前にあるときはPWか9番で、ピンが奥の場合は8番か7番でコロがします
◆PWは上下のブレに強い
SWだとロフトが大きいため、フェース上部に当たるとポッコンなどになってしまいます。PWは上部に当たっても打ち出しが揃いやすいです
◆教えてくれたのは…
柏原明日架 かしわばら・あすか/96年生まれ。15年から5年連続でシード権をキープ。19年は2勝。ショートゲームの名手で、19年はリカバリー率4位
ALBAドライバー・アイアン・アプローチぜんぶ女子プロに教わろう! 2021年版掲載 編集/島村涼 撮影/相田克己 岩本芳弘 上山敬太 佐々木啓 鈴木祥 近澤幸司 福田文平 村上航 米山聡明 Getty Images