現在ツアープロとして活躍中の林菜乃子プロ。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露しています。身長154センチと小柄な林プロですが、パーセーブ率は86・6%と高い数字を残しています。堅実なゴルフスタイルはまさにアベレージゴルファーのお手本といってもいいでしょう。そこで、スコアメイクに必要な12個のエッセンスを林プロに紹介してもらいます。
第4回はミドルアイアンを正確に打つための方法です。
お悩みポイント→グリーンをとらえることができない
お助けポイント→打ち急いだり、手打ちになるとミート率は下がる
ユーティリティやロングアイアンで打つよりも、ミドルアイアンのほうが打ちやすいように感じますが、実際は思うようにボールをコントロールできないことが少なくありませんよね。例えば、7番アイアンでグリーンを狙えるチャンスを迎えても、確実にボールを乗せることができる確率はそれほど高くないでしょう。その理由はそのクラブに応じた距離をきっちり出せなかったり、方向性が不安定だからです。
ミドルアイアンの場合、ボールの手前をダフったり、トップめに打つのはもちろん、スライスやフックが出ると、グリーンを外します。このようなミスは、打ち急ぎや手打ちに原因があるといっていいでしょう。グリーンオンできるチャンスだと思い、普段よりも余計な力が入ってスイングリズムが速くなったり、手だけでクラブをコントロールすると、ミート率が一気に下がるからです。当然、グリーンに乗る確率も低下します。
やはり他のショット同様に体を使ってリズムよく打つことが成功の秘訣です。どんなときでも同じリズムで打つこと。けっして大振りはせず、体の軸を中心に体を回転させるイメージで打ちましょう。インパクト後はフィニッシュまで振り抜きます。常に同じスイングができる人ほど、ミドルアイアンのミート率はアップするし、グリーンをとらえる確率も上がります。
バックスイングでは手だけでクラブを上げるのではなく、体全体を使って上げるように心がけましょう。胸を目標の反対に向けるぐらいまで上体を回すのがポイントです
曲げたくないからと言って中途半端なスイングは行わず、フィニッシュまでしっかりと振り切りましょう
お悩みポイント→どうしても打ち急いでしまうのですが……
お助けポイント→ヘッドの真後ろにボールを1個置いて、後方に転がしてみましょう
自分ではゆっくり振っているつもりでもリズムが速くなっていたり、体全体を使っているつもりでも手打ちになっていることはよくあります。それらを防ぐには、次のドリルが有効です。
まず、いつもと同じようにアドレスしましょう。その状態から別のボールを用意し、ヘッドの真後ろにセットします。要は、アドレスの状態でヘッドを挟むようにボールが2個ある状態です。その形からテークバックを行います。当然、ヘッドの後ろに置いたボールは真後ろに転がりますが、その際の転がるスピードが大切です。
スイングリズムが速い人はボールの転がりも速くなります。また、手打ちの人はテークバックと同時にヒョイとクラブを上げてしまうので、ボールがスムーズに転がりません。正解は、目標の反対方向へゆっくりと転がることです。そのために大切なのが、テークバックで両肩と両腕でできた三角形を崩さずにテークバックを行うことです。自然と上体を捻転することにもつながります。バックフェースでボールを押すような感覚でテークバックを行いましょう。
ボールを転がした後は、そのままトップまでクラブを上げ、ダウンスイングへの切り返しに移ります。クラブを下ろしたら、フィニッシュまで一気に振り抜きましょう。慣れてきたら、ボールをフェースの後ろに実際には置かず、置いているとイメージしながら打ってみることをお勧めします。
いつもと同じアドレスをしたら、ヘッドの真後ろに別のボールをセットします
バックフェースでボールを押すイメージで後方へ転がします。その際、肩と両腕でできる三角形を崩さないようにキープすると、打ち急ぎや手打ちを防げるようになります
ボールを後ろに転がした後はそのままトップまでクラブを上げましょう
体の軸を中心に体を回転しながら、左足に体重を乗せていきましょう
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/太平洋クラブ御殿場コース、チームセリザワゴルフアカデミー
◆教えてくれたのは…
林菜乃子プロ はやし なのこ/1997年生まれ。神奈川県出身。ユピテル所属。現在ツアープロとして活躍中。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露。身長154センチと小柄だが、パーセーブ率は87・1%と高い数字を残す。