練習場でボールを打たないと、ゴルフは上手くならないと思っていませんか? 理想のスイングを作るうえでボールを打つことは必須ですが、ゴルフで使う筋肉やカラダの可動域を広げる練習をしておくこともまた大切です。今回は、ライザップゴルフ立川店でレッスンを行っている鯨 慎之介トレーナーに、自宅で簡単にできるエクササイズを紹介してもらいました。ゴルフが上手くなりたいと思っている方は、これらのエクササイズを是非試してみてください。
体幹を鍛えて、理想的なスイングに変身!
みなさんこんにちは。ライザップゴルフ立川店でゴルフレッスンを担当しているトレーナーの鯨 慎之介です。今回はRegina. webをご覧のみなさんに、ゴルフの上達に役立ち、自宅で簡単にできるエクササイズメニューを紹介します。
Regina webは女性が多くいらっしゃるということで、女性ゴルファーにありがちなミスの傾向と、その対処法について考えてみました。なぜそのミスは女性によく起きるのか。また、それらのミスをフィジカル面で改善できないものか検討してみました。
そこで今回は、ゴルフスイングで使うカラダの動きに着目しながら、可動域を広げるエクササイズ、スイングに最低限必要な筋力を身につけるメニューを紹介します。
まずは上の写真を見てください。
ゴルフスイングはクラブヘッドの重さを適度に感じながら振ることが大切ですが、ヘッドが重すぎてクラブに振られてしまっている方をまれに見かけます。そういった方は、トップでクラブの位置が理想的なポジションから大きく外れてしまっているので、ダウンスイングにかけてクラブを戻す動きを入れないとボールに当たりません。腕や手で必要以上に戻す動きが強くなると軌道が不安定になり、地面をたたく(ダフる)、あるいはボールの頭をたたく(トップする)ミスが出ます。
では、自分のフォームをチェックしてみましょう。
アドレスの姿勢のまま背骨にクラブのシャフト(あるいは棒のようなものでも可)を当てた状態にして、テークバックからフォローまでの回転する動きをゆっくりしてみてください。鏡などで自分の姿を確認できる場所なら、なお分かりやすいでしょう。
いかがですか? 背骨に当てたクラブがスイング中に回転軸となり、カラダを回転してもクラブの軸が動かないようにスイングできましたか?
ここで気をつけておきたいのは、スイング中、上体の前傾角をキープすることと、左右にカラダを傾けないことです。テークバックからフォローでクラブが通り抜ける(ヘッドが左腰あたりの高さ)位置まで、上体をしっかりキープできるようになれば、理想のスイングに近づいているといえるでしょう。
とはいえ、ほとんどのアマチュアゴルファーは、スイング中この軸がブレてしまっています。ゴルフクラブをそれなりのスピードで振るとなると、上体が動いてしまうのはある意味仕方ないといえます。上体のブレを抑えるのは、体幹力を鍛えるのが最も効果的です。では、そのエクササイズを紹介します。
体幹力アップこそ、ゴルフの上達に効果大
シェイプアップ目的のエクササイズでよく紹介されるプランクですが、実はゴルフスイングにおけるカラダの動き(体幹力)を鍛えるのにも、十分な効果が得られます。
プランクは比較的簡単です。まず、肩の真下に肘がくるようにして、うつ伏せになります。次にヒザをつけたまま尻を上げ、さらにその状態から膝を挙げて、肘とつま先でカラダ全体を支えます。その際、頭から踵までがほぼ一直線になるように、姿勢をキープすることが大切です。慣れていない人は、まず5秒試してみてください。最初は無理せず、そこから徐々に時間を伸ばしていきましょう。
どうですか、きつかったですか? このようにゴルフスイングでは、日常生活ではなかなか使われない筋肉(主に腹筋、背筋、腹斜筋)を酷使するので、プランクの姿勢をやってみてきついな……と感じた人は、おそらくゴルフスイングにおける筋力が足りていない可能性があります。できれば、1日1回、1回3セットを目標に続けてみてください。
このように、自宅でちょっとした時にエクササイズをする習慣をつけておけば、基礎体力が徐々に高まり、スイングの安定性向上が期待できます。スイングの土台を形成する部分なので、ショットを安定させたい、もっと飛ばしたいという方にも効果があります。
大きなスイングを描くためのメニュー
女性は男性と比べて腰まわりや腕まわりの筋力が弱いため、テークバックでどうしてもクラブを背負い込む動きが出てしまい、クラブ軌道が小さくなりがちです。そうなると、スイングが不安定になるほか、ヘッドスピードが上がらずボールは思った以上に飛びません。
女子プロゴルファーのスイングを思い浮かべてみてください。最近活躍している選手の中には小柄なプロがおりますが、身長差をまったく感じさせない大きなアーク(円弧)のスイングで、クラブを使って飛ばしているのが分かります。スイングにおける腕の可動域を広げることは極めて重要です。
上写真のようにうつ伏せになり、上体を軽く反らした状態で腕を横にまっすぐ伸ばし、そこから耳にぴったり付くくらいまで頭上方向に腕を向けます。次に腕を腰に付くまで足の方向に腕を向けます。腕は途中で地面に付けず、これを1往復やってみてください。
上体を反らしたままの姿勢で行うため、背筋や腕の筋肉がきつく感じることがあります。きついと思ったら一度腕を下ろし、途中から再開しましょう。これを1日1回、1回5往復を目安に試してみてください。
腹筋もスイング中の上体を支える大切な筋肉です。仰向けになり、足を一直線になるように伸ばしたまま、拳一個分の高さに上げ、その状態から足をお腹の上まで持ち上げます。下ろすときも最初の状態と同じように拳一個分の高さまでにして、地面につけないようにします。これも1日1回、1回5往復を目安に試してみてください。
いかがでしたか? ボールを打つ練習も大切ですが、基礎的なカラダ作りのためのエクササイズも同じくらいやっておいた方がいいでしょう。自宅で簡単にできますので、是非実践してみてください。
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取材・文/清水 晃(メディアサンライツ) 写真/山上 忠