現在ツアープロとして活躍中の林菜乃子プロ。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露しています。身長154センチと小柄な林プロですが、パーセーブ率は86・46%と高い数字を残しています。堅実なゴルフスタイルはまさにアベレージゴルファーのお手本といってもいいでしょう。そこで、スコアメイクに必要な12個のエッセンスを林プロに紹介してもらいます。
第8回は左足下がり、左足上がりのライからの打ち方です。
お悩みポイント→左足下がりのライから打つとダフリやトップなどのミスが出る
お助けポイント→ボールを1個分内側に入れ、上げる意識を捨てましょう
傾斜の中でも苦手だという人が多い左足下がりのライ。上手く打てない原因はボールを上げようとする意識です。平らなライから打つときよりも確実にロフトが立つので、弾道は間違いなく低くなります。通常の半分は大げさでも、3分の1ぐらいの高さにはなるでしょう。したがって、左足下がりのライでは、球が上がらないことを前提とします。
そのことを頭に入れながら、アドレスではボールをヒットしやすいように1個分内側に入れます。さらに目線を低い位置にキープします。ただし、極端に低くするとダウンスイングで上体が突っ込んでしまうので、ボールの落としどころを見るようにしましょう。
基本的に大振りは厳禁です。通常よりもコンパクトなスイングを心がけてください。ミスをする確率が高い人はハーフショットのイメージのほうがいい結果を得られます。
スイング中の注意点は左ヒザを伸ばさないこと。アドレスからトップ、ダウンスイングからインパクトにかけては左ヒザの角度をキープします。ここで左ヒザが伸び上がってしまうと、ダフリやトップなどのミスが出ます。インパクト以降は左ヒザが伸びても構いませんが、フィニッシュでも左ヒザを曲げたままにしておくぐらいの気持ちで打つのがポイントです。
ボールを上げる意識があると、目線が上がり、左ヒザも伸び上がるので、まずはボールは低く飛んでいくものだとイメージすることから始めましょう。
左足下がりのライから打つときは左ヒザの角度をキープしましょう
アドレスではボールを通常より1個分内側に入れます
コンパクトなトップを意識し、インパクトまでは左ヒザを伸ばしません。フィニッシュでも目線は低いままが正解です
お悩みポイント→左足上がりのライからボールを上手く打てない
お助けポイント→ベタ足のまま手だけでクラブを振りましょう
私の中で唯一打ち方が変わるのが左足上がりのライです。なぜなら、スイング中は両足をベタ足のままにしておき、手打ちを行うからです。
基本的にクラブヘッドを傾斜に沿って動かしたほうが、ミスが少なく、ボールも高く上がります。その動きを最も行いやすいのが、ベタ足、手打ちなんです。下手に体を回す意識があるとベタ足にはなりません。ソール面で芝をサッとこするようなイメージを持ち、手だけでクラブを振りましょう。このとき、ボールに対してヘッドをぶつけにいくと、傾斜に沿ってヘッドを動かすことができず、引っかけもプッシュアウトも出るので要注意です。
ベタ足、手打ちを行いやすくするために、アドレスでは右足に体重を多く乗せておきましょう。私の場合、平らなライでは左右均等の体重配分なので、左足上がりのライでは右足に6割、左足に4割に変えます。スイング中は体重移動を行わずフィニッシュでも右足に6割、左足に4割の体重配分になります。
左足上がりのライから打つ場合、ほとんどが打ち上げホールになるので、距離を合わせるためにクラブを一番手上げましょう。打つときは、スイングスピードを上げようとせず、ゆったりとしたリズムで打つことをお勧めします。
アドレスでは右足に体重の6割を乗せます
ベタ足のままトップまでクラブを上げたら、手打ちのイメージで斜面に沿ってクラブを振り抜きます
フィニッシュでもベタ足で。体重は右足6割、左足4割のままです
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/太平洋クラブ御殿場コース、チームセリザワゴルフアカデミー
◆教えてくれたのは…
林菜乃子プロ はやし なのこ/1997年生まれ。神奈川県出身。ユピテル所属。現在ツアープロとして活躍中。今季はトップテン入りが5回と初シード獲得に向け、成長著しい姿を披露。身長154センチと小柄だが、パーセーブ率は87・1%と高い数字を残す。