笹生優花プロをはじめ、西村優菜プロ、吉田優利プロ、西郷真央プロなど錚々たる顔ぶれの92期生の一人、山下美夢有プロ。身長150cmは、西村優菜プロと同じ現ツアーで最も低い身長での優勝者です。
ドライビングディスタンスは231.52ヤードと決して飛ばし屋ではありませんが、上半身が終始リラックスした下半身主導のバランスのいいスイングは、アマチュア女性がお手本にしたい理想的スイングと言えるでしょう。
(成績は10月17日時点)
アドレス
腕に力みがなく、とてもリラックスしていることが分かります。右手を下に握った分だけ右肩が下がったとても自然なアドレスです。
身長の割にどっしりと大きく感じられるのは、すっと立ってリラックスしているから。アマチュアの方に多いですが、緊張すると首が縮んだり、ひざが沈んで全体的に縮こまって見えます。
テークバック
腹筋を使い、腕の三角形を崩さず始動。手だけで上げてしまう人はお手本にしましょう。
テークバック
右股関節から捻転。腕が地面と平行になった時点で、コックは終了。これ以上手首の角度は変わりません。
トップ
右股関節を回し、捻転を肩への回転へとつなげています。左ひざは少し中に入っています。肩を回せない人は、右の股関節を使うと、上半身を回しやすいです。
切り返し
左股関節から動き出し、上半身との捻転差をしっかりキープしています。プロにもいろいろなスイングがありますが、飛距離と安定感を両立したいという目的は同じ。そういう意味で、プロの切り返しにはこの形が多いという共通点があります。
ダウン
上半身の力みはほとんどありませんが、下半身は地面を踏み込んでパワーを貯めています。まだ左に向く感じはなく、右に向いています。
インパクト
右足を蹴りがとても強く、インパクトのエネルギーの大きさを感じさせます。とはいえ上半身はリラックス。
フォロー
カラダが弓のようにしなり、腕とクラブが矢のように放たれています。遠心力を最大限に使ったスイングだということが見て取れます。
フォロー
左足のつま先がめくれているのは、自然と左足カカト中心にフィニッシュに向かっているから。このタイミングで左足がべったりの人は、つま先体重になりすぎて、フィニッシュでふらついてしまいがちなので、この形を意識しましょう。
フィニッシュ
最後まで回転を止めず、振り切っています。左胸がしっかり回っているのでクラブが目標を指しています。
最後まで力みを感じさせない、無理のないスイングは、ケガなどの故障の予防にもなるでしょう。
山下美夢有プロ やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。150cm。A型。5歳からゴルフを始める。アマチュア時代は「関西高校ゴルフ選手権」「関西女子アマ」などで優勝。2019年プロテスト合格。笹生優花プロ、西村優菜プロ、安田佑香プロ、吉田優利プロ、西郷真央プロなどと同じ92期生。今年「KKT杯バンテリンレディス」で初優勝。今季賞金ランク11位(10月17日時点)。クラブ/ダンロップ ウェア/チャンピオン 所属/加賀電子 Instagram @ miyuu__golf
解説してくれたのは/伊藤祐子プロ
代官山の「K’s Island Golf Academy」インストラクター。豊富なスポーツの経験を生かした一人ひとりに寄り添うレッスンは、予約解禁日に即日満了するほど人気。とくに女性からの信頼が厚い。フォロワー4.6万人以上の Instagram【@yuko_ito630golf】でレッスン動画などを配信中。会員制サロン「YUKO Premium salon」や、YouTube動画も展開。
「ツアープロにティーチングプロがついているように、アマチュアにも同じ方向を見て寄り添い、目標に導いてくれる人が必要です。その存在が私であれば、幸せです」
取材・文/たかはしよし子 撮影/Getty Images、ALBA.Net