傾斜の中で最も難しいといわれる左足下がりのライ。打ち下ろしホールではたとえフェアウェイをキープしてもこのライを避けることができません。できれば、ミスすることなく、上手くボールをとらえたいもの。今回は米澤有プロに、左足下がりからナイスショットをするためのコツを聞いてみましょう!
ユーティリティはボールの位置を確認してから打ちましょう!【米澤有プロLESSON!】
◆フルショットは厳禁! ハーフショットか7割スイングで
左足下がりのライから打つ際、傾斜なりに立つべきか、傾斜に逆らって立つべきか迷う人もいるでしょう。私は前者をお勧めします。傾斜の度合いにもよりますが、アドレスでは左足に体重の7割を乗せ、右足に3割乗せます。スイング中は体重移動を行わず、左足体重をキープしたままクラブを上げて下ろしましょう。
ダフリやトップなどのミスが出る人は、スイング中にバランスを崩してしまうからです。その原因は振り過ぎにあります。基本的に左足下がりのライからフルショットすることはありません。ハーフショット、もしくは7割ぐらいのスイングを心がけましょう。それだとグリーンまで届かないと思う人は、番手を上げて下さい。ただし、極端に番手を上げると、逆効果になります。なぜなら、傾斜なりに構えているため、本来のロフトよりも立った状態でインパクトを迎えるからです。傾斜の度合いによっては8番アイアンが6番アイアンぐらいのロフトになるため、ボールがほとんど上がらず、飛距離をロスする原因になります。
番手を上げなくてもロフトが立つ分、ハーフショットで打ってもフルショットと飛距離が変わらなかったりします。むしろ、スイングがコンパクトになることでミート率が高くなり、フルショットより飛距離が出るかもしれません。
また、スイング中は無理にボールを上げようとしないことです。あくまでも斜面に沿ってクラブを振り抜きましょう。その感覚を身につけるには、練習場で右足の下にボールを挟んでみることです。そのままいつもどおりにボールを打てば、ダウンブローに振る感覚が身につくので、すくい打ちを防げます。左足下がりに限らず、通常のアイアンショットにも有効なので試してみましょう。
左足下がりのライでは左足体重で構えましょう
ボールの位置は左足カカトよりも2個分右にセット。いつもよりコンパクトなスイングを心がけ、傾斜に沿ってクラブを振り抜きましょう
練習場では右足の下にボールを挟んで練習しましょう
左足下がりのライだけでなく、平地でダウンブローに振る感覚も身につきます
◆ロフトが大きくなる分、番手を上げる
せっかくなので、左足上がりのライから打つコツも紹介しましょう。と言っても、アベレージゴルファーの多くは、このライをそれほど苦にしていないと思われます。仮にミスをする人がいるとしたら、単にクラブを振り過ぎているからでしょう。
基本的な打ち方は、左足下がりと反対です。傾斜なりに構え、右足に体重の7割を乗せ、右足体重のままスイングします。特に、ダウンスイングで上体が目標方向に突っ込まないように気をつけましょう。また、バランスが悪いので、ハーフショットか7割スイングを心がけて下さい。スイングを小さくしたことと、インパクトで通常のロフトよりも寝た状態になることを計算するとかなり飛距離が落ちます。本来持つクラブよりも大きめのクラブを選択しましょう。
ボールが左に曲がりやすいライなので、あらかじめ目標の少し右を向いて構えることをお勧めします。振り過ぎると引っかけのミスが出るので要注意です。
左足上がりでは右足体重で構えます
ボールの位置はスタンス中央よりボール1個分左
コンパクトなトップを心がけます
右足体重のまま振り抜きましょう
◆米澤有プロ/プロフィール
1989年生まれ、大阪府出身。168cm。B型。大阪府高校ゴルフ選手権女子の部で優勝を果たし、頭角を現す。ステップ・アップ・ツアーやレギュラーツアーに出場するかたわら、TVや雑誌をはじめとしたメディアでも活躍中。 インスタグラムアカウント(yu.u.yonezawa)
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/オールドオーチャードゴルフクラブ【PGM】