子どもを持つ“ママプロゴルファー”が集結!岡山で『Lalaクイーンズカップ』開催

日本でもごく当たり前になってきたワーキングマザー。妊娠、出産による肉体の変化の影響が大きいアスリートの世界でも、少しずつですが出産後に競技復帰をする人が増えています。ツアーでは、昨年「GMO・インターネットレディース サマンサタバサグローバルカップ」で、若林舞衣子プロが出産後、初めて優勝。夫の佳和さん、長男の龍之介くんと一緒にトロフィーを掲げる写真をご記憶の方もいると思います。ママになってもツアーで活躍し、子供と一緒に優勝を祝う。仕事も私生活も充実する若林プロのようなライフスタイルを理想とする若いプロたちはたくさんいます。

◆ツアー優勝経験者も含めたプロ40人が集結。『Lalaクイーンズカップ』 とは?

ツアーでの活躍は素晴らしいものですが、一方でプロゴルファーの仕事はツアーに出場して賞金を稼ぐことだけではありません。アマチュアにレッスンをしたり、プロアマやイベントに出場したり、ゴルフの裾野を広げる大事な仕事もあるのです。

ゴルフの世界で働いている女子プロゴルファーのうち、子供を持つママたちを集めたイベントが、9日に岡山の後楽ゴルフ倶楽部で開催されます。山陽新聞社とLaLaOkayama実行委員会が運営する子育てママを応援する組織、LaLaOkayamaの10周年記念事業として行われる『Lalaクイーンズカップ』。福嶋晃子プロ、一ノ瀬優希プロ、藤野オリエプロなど、ツアー優勝経験者も含めたプロ40人が集結します。

本戦は18ホール。中学生以下の子供がいるママプロ2人と、小学校高学年男女と中学生女子のジュニアゴルファー1人が一緒の組でプレー。プロの技を肌で感じられるジュニア育成の意味を持つ大会となっています。

一ノ瀬優希プロ

◆ママであり、プロでもあるゴルファーは100名以上!

大会開催のきっかけになり、プロたちのまとめ役もしている佐藤靖子プロは、自身も小学校3年生の女の子を持つママ。実家の助けを借りながら、子育てとゴルフに奮闘しています。所属先のおもちゃ王国が岡山の企業で、LaLaOkayama10周年記念事業実行委員会にも入っている縁もあって、賞金総額475万円(優勝70万円)大会で、プロの中心になっています。

「初めてのことなので、ママのプロがいったい何人いるのかもわからなくて…。グループLINEを作ったら100人もいたんです。それでもまだわかっていない人もたくさんいると思います」と佐藤プロ。ママたちがプレーしている間の託児所を用意することも計画していたのですが、コロナ感染拡大もあって今回は断念。「付き添ってくれる人がいる場合に限ってですが、待っていることができる部屋は用意していただきました」と、少し残念そうです。

◆米女子ツアーには託児所も。今後の発展にさらなる期待が

アメリカの女子ツアーは、30年以上前から『チャイルドケア』が充実しています。スポンサーをつけて、毎試合、託児所が設けられ、小さい子供のいるプロたちは朝、子供をそこに預けてコースに出ていくことができます。試合も練習も終わってから迎えに行けばいいので、安心して子供を預けられるシステムを、ツアーが確立しているのです。

日本では必要性が叫ばれて久しいのですが、残念ながらまだそこには至っていません。大会側が託児所を用意してくれるケースも時折ありますが、多くの場合は赤ちゃんのおむつを替える場所すら、探さなければないという現状があります。

今回のイベントは、ツアーとは全く別なところで行われるものです。けれども大会が行われることによって、たくさんのママプロたちの存在が世に知られ、そのさまざまな活躍に注目が集まることになるでしょう。ママプロ同士、横のつながりも、これまで以上に強くなることでしょう。

ワーキングマザーが、より良い形でワークライフバランスを保つことが、子供の幸せにつながります。このイベントは、女子プロゴルファーがごく当たり前に妊娠、出産してプロとして輝ける。そんな状況が生まれる大きなきっかけになるかもしれません。

取材・文/小川淳子

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