グリーン周りからのアプローチで比較的多いのが「左足下がり」と「左足上がり」のアプローチです。前者がグリーンをオーバーしたとき、後者はグリーン手前にショートしたときなどが発生ポイントになります。どちらも大切なのは体重移動をしないこと。アドレスでの体重配分をキープしたままボールをヒットしましょう。
アプローチは、3分の2転がるPW(ピッチングウェッジ)の「ピッチエンドラン」が有効!
Q:グリーン周りの左足下がりと左足下がりのライからピンに寄せる方法を教えてください。
A:傾斜なりに立ったときの体重配分をキープしたまま打ちましょう!
左足下がり、左足上がりのライでは、傾斜に逆らって構えるか、傾斜に沿って構えるかに分かれます。その2つで大きく異なるのは、体重配分です。例えば、左足下がりで傾斜に逆らって構えるには右足に体重を多く乗せますが、傾斜に沿って構える場合は左足に体重を多く乗せます。私がお勧めするのは傾斜に沿って構える方です。したがって、アドレスでは左足に体重を多く乗せるのが基本です。
どれぐらい左足に体重を乗せるかは、傾斜の度合いによって変わります。大切なのはそこではなく、スイング中に体重移動を行わないことです。傾斜からのアプローチが苦手な人は、左右均等の体重配分に戻そうとして、右足に体重を移動します。ところが、ダウンスイングでは右足に移した体重を左足に戻せないのでボールの手前をダフってしまうのです。
どんな傾斜の度合いでも、左足体重の配分を変えなければ、ボールの手前をダフることはありません。
同様に、左足上がりのライでは傾斜に沿って構えるために、右足に体重を多く乗せてアドレスします。あとは一切体重移動を行わず、右足体重のままクラブを上げて下ろすだけです。
左足下がりのライでは左足に体重を多く乗せて構えます
バックスイングで体重を右足に移すと、ボールの手前をザックリしやすくなるので要注意
左足体重をキープしたままボールを打ちましょう
左足上がりのライでは右足に体重を多く乗せて傾斜通りに構えましょう
左足上がりのライでは、右足体重をキープしたまま打ちます
◆さらにワンランクアップ! 左足下がりはサンドウェッジ、左足上がりはピッチングウェッジを使う
左足下がりのライで傾斜に沿って構えた場合、本来のロフトよりも立った状態でインパクトを迎えます。しかも、下り傾斜のグリーンに向かって打つことが多いため、予想以上にランが多めに出ます。したがって、使用クラブはロフトの大きいサンドウェッジがいいでしょう。
反対に、左足上がりのライで傾斜に沿って構えると、通常のロフトよりも寝た状態でインパクトを迎えます。その結果、ボールが高く上がり、ランもあまり出ません。ピンが手前にあるときは構いませんが、ある程度ピンが奥にあるときはロフトの小さいピッチングウェッジを使用します。その結果、ボールが高く上がってもランが出ます。
また、ボールを正確にヒットするには、左足下がりのライでも、左足上がりのライでもクラブヘッドより両手が目標に近いハンドファーストに構えましょう。ただし、ボールの位置は左足下がりではスタンスの真ん中よりもボール1個分右に、左足上がりではスタンスの中央にセットします。
左足上がりのライで、ピンが奥目にあるときは、ランを出すためにサンドウェッジではなく、ピッチングウェッジを使いましょう
◆秋山真凜プロフィール
秋山真凜(あきやま まりん)/1996年10月12日生まれ、福岡県出身。158cm。プロ野球「ソフトバンク」前監督で野球解説者の秋山幸二氏の娘。ベストスコア69を記録した中学時代からプロゴルファーを目指し、数々のジュニア大会で好成績をおさめる。TPI Golf Lv.2 Junior Lv.2を取得。現在は、リポーター、スポーツキャスターとして、ゴルフ番組をはじめ多数のメディアに出演。特技は英語、韓国語で、2021年のZOZO CHAMPIONSHIPでは、タイガーウッズ氏のラウンド後のインタビューも担当。『秋山真凜のYouTubeチャンネル』/インスタグラム(@marin_akiyama)
◆取材協力/南総カントリークラブ
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 衣装提供/テーラーメイドゴルフ