こんにちは。ハウスキャディ歴●年のB子です。さて、先日のこと。その日、私はキャディではなく、「マーシャル」という見回りの仕事をしておりました。マスター室から「遅い組がある」と連絡を受け、向かった組は確かに前の組と1ホールちょっと離されてしまっていて…。
その内のおひとりがどうやらラウンド初心者のようでした。真新しい綺麗なキャディバッグ。真っ白なグローブ。着慣れないゴルフウェア。緊張の面持ちのお客様。空振り、池、林…と、初心者ならではの洗礼を受け、ただクラブを持って走って打って、その繰り返しにいつの間にか笑顔も消えておりました。スタートしたての頃は丁寧に教えていた他のお客様も、前の組と少し離れ始めてからは自分のプレーに集中気味。よくありがちな状況ですね。
キャディ付きゴルフでスロープレーも心配なし!
初心者の方はまず、教わらなければならないことがたくさんあります。自分のボールの行方がわからない。他の人が打つ際に、どこに立っていたら良いのかわからない。自分がいつ打ったら良いのかわからない。スコアが数えられない。ルールがわからない。——だからこそ、誰かが教えなければなりません。
しかし、それなりにラウンドに慣れている方でも、ある程度のトラブルには陥ります。初心者の方が一緒にいることで、前の組と離されることも珍しいことではなく、普段よりも忙しないラウンドになってしまうことも。それによって、いつもならしないミスが出たりもするものです。
そこでおすすめしたいのが、キャディをつけること。キャディの主な仕事に、プレースピードの管理があります。前の組に遅れをとらないようにすることこそが、キャディの務め。初心者のお世話はキャディにお願いしてしまえば、バタバタと忙しいラウンドにはならずに済みます。
ただ、ラウンドが始まる前にその旨をキャディに伝えておくことが大事です。キャディも朝の段階で「任せたい」ということを言っておいていただければ、その方の実力を探りながら番手を変更させてもらったり、指示を出させていただいたりということができます。
まだラウンドに慣れていない頃は、ボールを打ちやすい場所に変更することもおすすめします。例えば、隣のホールに行ってしまった場合など、ボールを拾い上げて来て本来のホールのどこかから一打罰といったように処置をしてもらえれば、隣のホールからなかなか戻って来られないといったような状況も無くなります。まずはスコアよりも、芝から打つことに慣れていただくことの方が大事だし、どう立ち回るかを学ぶ方が大切だと思うのです。
「打ったら、走る。」と、先輩ゴルファーから伝言ゲームの様に教えられてきた時代と違い、「ゴルフを始めてみよう!」とお友達同士で始めてしまえる時代になったからこそキャディをつけていただきたい!動画で学んだだけではわからない現場でのことも多いので、最初のラウンドだけはラウンドの仕方を教えてくれる人が必ず必要なのです。
キャディに好かれる初心者ゴルファーとは?
初心者の方のキャディをするにあたって、「やりにくい」「やりやすい」は必ずあります。いくら打っていただいても構わないのです。ただ、前の組にあまりに遅れをとっている場合に急いでさえくれれば——が大前提。
そこで、まず理解していていただきたいのは、まだラウンドに慣れていない頃というのは、「スコアはあって無いようなもの」ということ。スコアに拘るのは、ラウンド中の立ち回りに慣れてからにしていただきたい!
たくさん叩いてしまっても、自分が思っている以上にまわりは全く気にしていません。空振りを素振りとしたり、無罰で打ちやすい場所に移動したり、カップからだいぶ離れていてもオッケーをもらったり…最初は皆、それなりの忖度をしてもらうもの。ラウンドに慣れてきたら、空振りもしっかり1打として数えることも、ルール通りに処置をすることも、少しずつ取り入れていけたら良いですね。 前の組に初心者がいるからと、明らかに嫌な顔をされるお客様もいらっしゃいます。しかし、誰もが通ってきた道のはず。そういった場合には、ぜひ温かい目で見守っていただけたらなと思います。
◆キャディのB子 プロフィール
キャディのB子/あるゴルフ場のアルバイトキャディ。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、大学のゴルフサークルに所属。就職活動に失敗し、ハウスキャディのアルバイトをして就職先を探すはずが、キャディが天職と気づく。シャンクが一番の敵。