フルショットできない距離って意外と難しくありませんか? ついインパクトを強めたり、弱めたりして、ミスショットなんてことも……。そこで、今回は小澤美奈瀬プロに、誰でも簡単にできる【距離の打ち分け】を紹介してもらいます。1本のクラブで30、50、70ヤードを打ち分けることができれば、一気にスコアを縮める大チャンス! ぜひマスターしましょう!
【小澤美奈瀬プロ直伝】フェアウェイバンカーからはインテンショナルトップが正解です!
◆フォローなら目で位置を確認できる
私は30、50、70ヤードの打ち分けを58度のウェッジ1本で行います。30ヤードを打つ時は右腰から左腰までの振り幅で、50ヤードは胸から胸までの振り幅で、70ヤードは右肩上から左肩上までの振り幅で打ちます。このように自分なりに距離に見合った振り幅や番手を練習で見つけて本番に生かしましょう。
その際、クラブを握る長さを変えるのがポイントです。30ヤードなら指2~3本分、50ヤードなら指1~2本分ぐらい短く握ります。70ヤードは通常の握り方でOKです。
また、30、50ヤードは上手く打てるけど、70ヤードは思ったより飛んでしまう人もいると思います。仮に90ヤード飛んでしまうのなら、バックスイングはあくまでも右肩上のイメージにしておき、フォローの位置を胸の高さ、あるいは左腰の高さに抑えてみましょう。それでも飛び過ぎる人は、インパクトでスイングを終えて、フォローは惰性のイメージで構いません。
基本的にバックスイングの大きさをコントロールすることは難易度が高いと考えましょう。自分では右腰の高さに上げているつもりでも、それ以上に大きくなったりしがちです。それを避けるために、両手やクラブヘッドの位置を目で確認するとボールから視線を外すことになります。
そこでお勧めなのが、先ほど説明したように、フォローの位置を変えることです。フォローだとインパクトを過ぎているので、視線をヘッドに運んでも問題ありません。目で確認できる分、大きさもコントロールできます。バックスイングでは右腰の辺りとか、胸と右肩の間ぐらいとアバウトに決めたら、フォローを左腰の高さ、胸の高さ、左肩上の高さというように明確に決めて距離を打ち分けましょう。
30ヤードを打つ時は指3本分ほど短く握ります
50ヤードを打つ時は指2本分ほど短く握ります
70ヤードを打つ時は指1本分ほど短く握ります
30ヤードは右腰から左腰までの振り幅
50ヤードは胸から胸の高さまでの振り幅
70ヤードは右肩上から左腰までの振り幅
◆フォローを意識したほうがウェッジの特性を生かせる
30ヤードの距離を打つ場合、そこまでクラブを一生懸命に振らなくても十分届きます。この場合はむしろダフリなどのミスをしないことを第一に考えましょう。先ほどクラブを短く持つと説明しましたが、その分、ボールに対して近づきます。同時に両手の位置を少し上げたハンドアップで構えましょう。ヒールを少し浮かせることで、多少インパクトでスイングスピードが緩んでもダフリを防ぐことができます。
30、50ヤードの距離を打つ場合、スイング中に体重移動を行わないため、アドレスのときから左足に体重を多めに乗せておくのがポイントです。
70ヤードを打つ場合、バックスイングはフルショットと同じでも、フォローの位置を低くすることを心がけましょう。
バックスイングの大きさよりもフォローの大きさで距離をコントロールしたほうがお勧めですが、ウェッジを使う人には特に効果があります。実は、ウェッジはロフトどおりにインパクトを迎えるのではなく、本来のロフトよりもマイナス7度で打つように設計されているからです。フォローを意識したほうが、上からヘッドを下ろせるのでダウンブローに打てますし、その結果、ボールの高さが出てグリーンにも止まりやすくなります。ぜひ実践してみましょう。
バックスイングを同じ高さにして、フォローの大きさを変えたほうが、ウェッジの特性を生かせるだけでなく、距離も打ち分けやすくなります
◆教えてくれたのは…小澤 美奈瀬プロ
小澤 美奈瀬/おざわ みなせ 1992年2月6日、愛知県出身。全米女子プロゴルフ協会会員。 テレビ、雑誌、ラジオなど多くのメディアにぴっぱりだこの“ツヨカワ”ゴルファー。ひとりひとりに寄り添う指導でレッスン予約も殺到中。ヘッドスピードは50m/sを超え、過去に人気ゴルフ番組で優勝を果たすなど高い実力を持つ。インスタグラムアカウント(@i_am_minase)
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/アクアラインゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)