中途半端な距離を打つ場合、大きめのクラブを持ち、スイング幅を小さくして打ちます。その際、フェースを返す動きを抑え、目標に向かって真っすぐ飛んでいくボールを打つことを“ライン出しショット”と呼びます。難しいショットではありますが、ツアープロは皆マスターしているように、スコアアップには欠かせないショットです。ワンランク上のゴルフを目指すのであれば、ぜひ一度挑戦してみましょう。
【教えて！井上莉花プロ】ウッドが得意でアイアンが苦手なら…「ボールの先にある芝を削る」意識で！
【今回の願い】中途半端な距離でもグリーンに乗せたーい！
➡スリークォータースイングのライン出しショットをマスターしましょう！
ライン出しショットとは、より方向性を高めるために行うショットであり、ピンやグリーンを確実にとらえるには有効なテクニックと言えます。フルショットよりも振り幅を抑えたショットで、ハーフショットよりも大きい振り幅になります。一般的にスリークォーターショットと呼ばれる振り幅です。
ポイントは通常のショットよりもクラブフェースを返す動きが小さくなることです。通常のショットでは、インパクト後すぐにフェースを返し始めますが、ライン出しショットではインパクト後もしばらくフェースを目標に向けておき、その後でフェースを返します。
振り幅を小さくする場合によく見られるミスは、バックスイングの大きさだけを小さくすることです。あくまでもスイング全体が小さくなるわけですから、フィニッシュもフルショットより小さくなることをしっかり心がけましょう。
スイングが小さくなった分、飛距離も落ちます。したがって、私の場合ですが、8番アイアンのフルショットが140ヤードなので、130ヤードと140ヤードの間の距離を打つときは、8番アイアンのライン出しショットを行います。
インパクト後、しばらくフェース面を目標に向けたままにしておきましょう
通常のショットはインパクト後すぐにフェースを返し始めます
フルショットよりもトップの位置が低くなります
フィニッシュの位置もフルショットより小さくなります
【POINT】スイングが小さくなっても体をしっかり回すことをお忘れなく！
スイングをコンパクトにしましょうとアドバイスしたときに陥りがちなのが、アプローチのように腕だけでクラブを振ることです。体の動きが止まって手打ちになってしまっては意味がありません。あくまでも体の回転と腕の動きが連動するのが大前提です。バックスイングでは体を右に回し、ダウンスイングからフィニッシュにかけて、体を左に回していきましょう。
当然、スイング中は体重移動も行います。バックスイングでは右足に体重が多く乗り、フィニッシュで左足に体重をしっかり乗せていきましょう。
ただ、スイングがコンパクトになる分、フルショットよりも体の動き自体は小さくなります。極端な体重移動を行うのではなく、体の軸が左右に傾かない程度に抑えましょう。アドレスした位置で体を回すようなイメージで構いません。
ライン出しショットでもしっかりと体を回すことが大切です
体を回さずに腕だけでクラブを振るのはＮＧ
◆教えてくれたのは…井上莉花プロ
1993年生まれ、茨城県出身。163cm。O型。父のすすめで、10歳からゴルフを始める。2014年プロ入り後、ツアーに出場。USGTFティーチング資格取得。現在は、レッスンはもちろん、テレビ・雑誌などで幅広く活躍。YouTubeチャンネル「井上莉花のStance tv」も人気。ウェア契約はCPG GOLF。 Instagram@1124rika
撮影／村上悦子 取材・文／山西英希 取材協力／Aoyama park9ine（Loung9ine）
