最終戦に向けて、賞金王、女王、シード権、来季の出場権をかけけたクォリファイングトーナメントなど、大きなニュースが目白押しだったプロゴルフ界でしたが、いよいよ残すは男子ツアーの最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」のみとなりました。けれども、前週のカシオワールドオープンで賞金王は既に確定。あとは、その優勝者が誰かということと、来年の出場権をかけたクォリファイングトーナメント(QT)の結果を待つのみとなりました。
さて、一足先に全日程を終了した今年の女子ツアー。先週開催された最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では、「黄金世代」の勝みなみプロとのプレーオフを制した山下美夢有プロが優勝! 最終戦を前に既に女王の座を手にしていた山下プロですが、2001年生まれの21歳での女王獲得は最年少記録。そんな山下プロを筆頭とした2001年以降生まれの世代を、「新世紀世代」と呼ぶそうです。
黄金世代、プラチナ世代、新世紀世代…といったように、女子ツアーでは毎年新たな世代名が誕生しています。
◆○○世代って、何? それぞれの世代をおさらい
いつから「○○世代」と言われるようになったのでしょうか? まず、最も話題に上るのが「黄金世代」です。渋野日向子プロや勝みなみプロといった1998年代生まれのプロ達をまとめて「黄金世代」と呼んでいますが、第一線で活躍しているその世代のプロの多さや優勝回数は、未だ群を抜いています。その世代が、現在の女子ツアーを牽引していると言っても過言ではありません。
そんな黄金世代に対抗するかのように出て来たのが、「プラチナ世代」です。2000年代生まれであることから「ミレニアム世代」とも呼ばれるその世代は、アマチュア時代から頭角を現していました。プロになってからも、もちろんその強さを遺憾なく発揮しています。
そして、今年はいよいよ21世紀生まれのプロ達、「新世紀世代」が大活躍! 毎年のように、新たな世代が誕生しているかの今の状況は、言い換えれば毎年のように強い若手が進出してきているということなのです。
【黄金世代】
1998年4月~1999年3月に生まれた女子プロゴルファー。
小祝さくらプロ、勝みなみプロ、原英莉花プロ、渋野日向子プロ、…等。
【プラチナ(ミレニアム)世代】
2000年4月~2001年3月に生まれた女子プロゴルファー。
古江 彩佳プロ、西村 優菜プロ、安田 祐香プロ、吉田 優利プロ、…等。
【新世紀世代】
2001年4月以降、21世紀に生まれた女子プロゴルファー。
笹生優花プロ、山下美夢有プロ、西郷真央プロ、岩井千怜プロ…等
あちらにもこちらにも「世代」と名付けてまとめてしまっている印象ですが、昔の男子ツアーでいうところのジャンボ軍団、雑草軍団、日大ゴルフ部軍団といったように、グループ化することで分かりやすくなり、ツアーの面白さが増す気がします。
しかし、いちいち「○○世代」と名前をつけるのももう大変! と感じるほどに、新しいヒロインが続々と誕生しているのも事実。それだけ層が厚いということではあるのですが、いよいよ名前と顏が憶えられない! なんて、思っている方も少なくないのではないでしょうか。
◆世代交代の嵐の中、頑張った30代のプロ達
毎週のように新世代のヒロインが生まれる中で、まだここ数年とはいえ活躍し続けている黄金世代が既にベテランに感じるのは私だけではないでしょう。しかし、そんな彼女たちでさえ未だ20代半ば。女子ツアーは入れ替わりが激しいからこそ、何年も続けてシードを確保し続けているプロの名前が際立って見えます。
今季は、そんな大ベテランである30代のプロ達が頑張りました。去年に引き続き今季も優勝を飾った上田桃子プロと菊池絵理香プロを筆頭に、金田久美子プロと藤田さいきプロがそれぞれ11年ぶりに優勝! 涙、涙の優勝劇に、心を打たれた人も多かったのではないでしょうか。
しかし、シード落ちした大ベテランも。成田美寿々プロや有村智恵プロは、 QTには出場せず、来季を休場することを発表しました。横峯さくらプロはQTへの出場はしないものの、来季は主催者推薦でリランキングによる後半戦出場を目指すとのこと。否が応でも世代交代が進んでいる——ということを、認めざるをえません。
ベテランが変わらずその存在感を放ちながらも、着々と世代交代を遂げていった今年の女子ツアー。今週、JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部で行われているQTのファイナルステージでは、来年の新ヒロインがその産声をあげていることでしょう。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。