これからの時期、芝がどんどん薄くなっていきますが、そんなライからアプローチする際、トップやダフリのミスって多くありませんか? 夏芝と同じような感覚で打つと、ソールが滑りにくいので、ヘッドが地面に跳ねてトップしたり、そのまま地面にヘッドが刺さったりします。そこで今回は、井上莉花プロに冬芝の薄いライからでも確実にボールをとらえるアプローチの方法を教えてもらいましょう!
【教えて!井上莉花プロ】アプローチでスピンをかけたいときは、小さな振り幅で素早く振る!
【今回のお願い】冬芝の薄いライからアプローチしても、しっかりとグリーンに乗せたーい!
➡サンドウェッジのヒールを浮かせてトウ寄りでボールをヒットしましょう!
冬芝でもボールが浮いていれば、サンドウェッジを使っていつもと同じように打つアプローチでピンに寄せることは可能です。ところが、完全に芝が寝てしまい、ボールが浮いてない状況では、トップやダフリといったミスが出やすいので打ち方を変えた方が賢明です。
おすすめなのは、サンドウェッジのヒールを少し浮かせてトウ寄りで構える打ち方です。まず、ボールを右足小指の前ぐらいに置きます。両手は左足太モモ内側の前。ハンドファーストに構えます。あとはヒールを少し浮かせて、トウ寄りにボールをセットしたら、パッティングの要領で打つだけです。ヒールを浮かせた分、地面と接するソールの面積が小さくなります。そのため、多少ボールの手前にヘッドが落ちてもザックリしたり、ヘッドが跳ねることはなく、そのまま滑ってボールをとらえてくれます。
注意点は弾道が低いことを前提とした打ち方なので、無理にボールを上げようとしないこと。最初からボールが低く転がっていくことをイメージし、距離感などを計算しておきましょう。
練習場では練習マットの上ではなく、あえてゴムマットの上から打ってみましょう。芝が完全に寝ている状況と同じなので、ボールをとらえる感覚を理解できます。
ボールの近くに立ち、ボールを右足小指の前ぐらいにセットします。両手は左足太モモ内側の前なので、ハンドファーストの構えになります
ヒールを浮かせて構えたら、トウ寄りにボールをセットし、パッティングの要領で打ちましょう
ヒールを浮かせて、トウ寄りで構えると、ソール部分が地面に接する面積が小さくなり、ダフリにくくなります
◆POINT◆ロフトの立っているクラブでアプローチするのも可
芝が薄い状態でバンスの大きいサンドウェッジを使うとミスの確率が高くなりますが、サンドウェッジよりもバンスが小さく、ロフトも立っているピッチングウェッジや9番アイアンを使うならば、状況は少し異なります。
先ほどと異なり、ボールをスタンスの真ん中に置くため、極端なハンドファーストにはなりません。あとはそのままいつもどおりの打ち方をするだけです。先ほどのアプローチよりもこちらの方が簡単に感じる人が多いかもしれません。ただ、ロフトが立っている分、ボールを右足寄りに置くとランが多く出るので気をつけましょう。
ライの悪い状況から脱出したい、ピンに寄せるよりも確実にグリーンに乗せたいときに有効です。このアプローチでも練習場ではゴムマットの上から打つと感覚をつかめます。やはり、ミスを避けるためにも無理にボールを上げる意識は持たないようにしましょう。
◆教えてくれたのは…井上莉花プロ
1993年生まれ、茨城県出身。163cm。O型。父のすすめで、10歳からゴルフを始める。2014年プロ入り後、ツアーに出場。USGTFティーチング資格取得。現在は、レッスンはもちろん、テレビ・雑誌などで幅広く活躍。YouTubeチャンネル「井上莉花のStance tv」も人気。ウェア契約はCPG GOLF。 Instagram@1124rika
撮影/村上悦子 取材・文/山西英希 取材協力/Aoyama park9ine(Loung9ine)