強烈な寒波が日本各地に襲いかかりましたが、みなさんはお元気でしょうか。若林舞衣子です。天候や自分のコンディションと相談しながら、私は、2023年のシーズンに向けて、準備を進めています。今回は、今年、始動してからの様子を聞いていただきたいと思います。
ガッツリと始動したのは、石垣島でのトレーニング合宿から。仲田健トレーナーの下、様々な種目のアスリートが集まり、ハードなトレーニングをするのが恒例です。以前は、グアムで行われていた合宿ですが、コロナで久々の参加となりました。
仲田さんとのご縁は、レーシングドライバーの脇坂寿一さんとプロアマで回ったことがきっかけで、ツアー3勝目(2017年アクサレディスin MIYAZAKI)の前あたりからだと思います。
トレーニングに関しては高校生の頃、ゴルフ部(新潟県・開志学園高)顧問の先生が、トレーナーの専門学校講師だったこともあり、きちんと自分の力を測定してから行うことを覚えました。プロになってからしばらく、故障がほとんどなかった私ですが、高校時代は腰痛を抱えていました。それもトレーニングで克服しています。「自分の力を理解して、普段はその60%の負荷でトレーニングすること」を覚えたのもその頃です。走ることも含めて、私は瞬発系があまり得意ではありません。その分、持久力には自信がありますし、バランス系のトレーニングも好きです。
ウワサ通りになかなかきつい仲田さんのトレーニング。今年は意気込んで参加したのですが、思いがけないアクシデントに見舞われました。正月早々にひいた風邪が、治り切っていなかったのです。石垣行き前夜の6日に夕食を作っていたら目に違和感を覚えました。ゴミが入っているのかな、と思ってこすると、目やにがどんどん出てきてしまう。そんな状況でしたが、翌日、検査で陰性を確認してから石垣島へと向かいました。石垣島で眼科に行ったところ「風邪のウイルスから来る結膜炎」と言われて目薬をもらいました。翌日、トレーニングに参加すると、意外に大丈夫だったのでダッシュや体幹トレーニングなど、しっかりと行いました。
ところが、夜になって今度は咳が止まらなくなります。合宿前半は、夫も息子も同行して、私がトレーニングしている間遊んでいてもらうことになっていたのですが、それどころではありません。翌日も、昼間はいいのですが、夜はやはり咳が止まらず、明け方まで眠れない状況になりました。
10日はトレーニングの休日で、小浜島に行ってゴルフをする予定だったのですが、私はキャンセル。とにかく咳が苦しいので、病院に行こうとしました。けれども、初診ということで2つの病院から電話で断られ、3つ目でようやく診察が受けられました。車で行って2時間待機して、車中で受診。ようやく咳止めを処方してもらうことができたのです。これが効いてぐっすり眠り、大事を取って翌日も休みました。
12日になって、やっとトレーニングに復帰して、予定を2日延長することにしました。予定外の事態でしたが、結果的には下半身と体幹を中心に、上半身も含めてのトレーニングができたのです。
2022年には腰を痛めたこともあり、今年はしっかりとケガのない体を作ることを目指して臨んだトレーニング。始まりは体調不良で苦心しましたが、遅ればせながらまずまずの調整ができたと思います。
前回もお話ししたように、今年はQTからのツアー参戦なので、スタートダッシュをする必要があります。その分、オフも例年より前倒しで、クラブを握る時期も早めています。トレーニングと並行して球を打ち、コースに出ることで、開幕に向けて仕上げていきたいと思います。
また、シーズン中のセルフケアについても、今年は徹底するつもりでいます。去年は、どうしても練習やトレーニングを優先する部分があったのですが、今年はケアを最優先にする予定です。しっかりと1年間シーズンを戦うこと。結果を求める以上に、そのことを考えています。
若林舞衣子 Maiko Wakabayashi 1988年生まれ、新潟県出身。165cm。11歳からゴルフをはじめ、アマチュア時代から活躍。2007年、プロテスト合格。翌年2008年「SANKYO レディースオープン」を20歳で初優勝。2016年に結婚し、2018年11月から産休に入り、2020年にはツアー復帰。21年の「GMOインターネット・レディース サマンサタバサグローバルカップ」ではツアー史上6人目のママさん優勝を達成。ツアー通算4勝。インスタグラム Instagram@maaaiko
取材・文/小川淳子 写真/Getty Images