今週、いよいよ今季の男子ツアーが開幕します! 場所は、東建多度カントリークラブ・名古屋。今年は、待ちに待った有観客での開催が決定しました。それにより、開幕戦では4年ぶりの有観客試合となり、盛り上がること間違いなしです。
昨年のこの大会は、28歳の香妻陣一朗プロが2年ぶりに優勝。通算2勝目を挙げました。近年の男子ツアーでは、香妻プロも含めた若い世代の躍進が特に目立っているように思います。パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップでアマチュアの蝉川泰果選手が優勝し、プロ転向。一昨年前にも中島啓太選手がアマチュア優勝して、プロ転向…といったように、アマチュア選手の活躍も目立つようになり、明らかに世代交代が進んでいます。
若返った男子ツアー。今季注目の選手は”タイガー世代のジュニア”たち⁉
昨年の賞金ランキングを見返してみれば、上位30名の中に30歳以下のプロが約7割。その中でも、19歳の長野泰雅プロや20歳の久常涼プロなど、高卒でプロ転向する選手も増えています。長野泰雅(たいが)プロや蝉川泰果(たいが)プロの名前からもわかるように、タイガー・ウッズプロに憧れた世代が親になり、それに影響を受けてゴルフを始めた子供たちがジュニアの大会で活躍し、いよいよ表舞台へと上がってきた…ということ。ゴルフ場の研修生を経てプロになる時代から、大学ゴルフ部全盛期時代を過ぎ、ジュニア時代から様々な大会で活躍し高校卒業と同時にプロ転向、そして世界へ…そんな時代になってきたように思います。
高卒からプロ転向する選手が増えているからといって、大学ゴルフ部出身選手の強さも変わってはいません。中でも特に目立っているのが、日大ゴルフ部出身のプロ達です。昨年の賞金ランキング上位5名の内、なんと4名が日大ゴルフ部出身! 日大のゴルフ部と言えば、ほぼ毎年のように複数名のプロゴルファーを輩出している超名門ゴルフ部。倉本昌弘プロや丸山茂樹プロもそこの出身であり、片山晋呉プロ、宮本勝昌プロ、横尾要プロの「日大三羽烏」など、その強さは昔から有名でした。ちなみに、昨年の賞金ランキング5位以内に入った日大ゴルフ部出身のプロは、星野陸也プロ、岩﨑亜久竜プロ、堀川未来夢プロ、桂川有人プロの4名。皆、まだ30歳以下という若手プロばかりなので、これからますますその強さを見せつけてくれることでしょう。
飛距離⁉ 技術⁉ 男子ツアーの魅力は?
男子ツアーの魅力は、まずなんといってもその飛距離です。しかし、300ヤード超えは当たり前と言われるその飛距離ですが、テレビではいまいち伝わりにくいもの。ぜひ会場に足を運んで、迫力あるショットを見て、音を聞いて、その凄さを感じてほしい! ティグランドの後ろから、迫力あるインパクト音と選手目線でのその飛距離を楽しんでも良し。この辺りまで飛んでくるかなぁとセカンド地点を予想してみて、そこで待機。その上を遥かに超えていく球に驚くのも良し。そのパワーを感じられる場所は様々ありますが、私の一番のお気に入りは、ティグラウンドから50ヤードから100ヤードほど離れた場所で飛んでいく球の音を聞くこと。快音と共に放たれた球が空気を切り裂いていく音は、男子ツアーでしか味わえない、そして会場でしか味わうことのできない迫力です。
コースの難しさをものともしないその技術力も、魅力のひとつ。ゴルフの難しさを知れば知るほど、観戦の楽しさが増すのが男子ツアー。コースの難しさやセッティングの厳しさを知る人ほど、男子プロのその技術力に見惚れてしまうものです。しかし、技術面の話になると、どうしても世界のゴルフツアーと比べられて何かと言われがちな男子ツアー。ですが、それは言い換えれば期待されているということ! 日本国内の大会だけに捕らわれず、どんどん世界に出て行って、活躍してほしい! そんな期待を込めて、これからも今年の国内男子ツアーを応援していきたいと思います。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。