【3試合連続プレーオフ】だった国内女子ツアー! 最もプレーオフに勝っているのは誰? ゴルフ5レディスにかかる新記録とは?【数字でスゴさを読み解く国内女子ゴルフツアー】

国内女子ツアー第25戦「ニトリレディスゴルフトーナメント」では菊地絵理香プロがプレーオフの末、今季初優勝、ツアー通算6勝目を飾りました。
プレーオフに持ち込まれたのは、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」、「CAT Ladies2023」、そして「ニトリレディスゴルフトーナメント」と、【3試合連続プレーオフ】となります。実は【3試合連続プレーオフ】はこれで14回目となり、【4試合連続】は一度もありません。もしも今週開催の「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」もプレーオフになると、新記録の達成となります。

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◆3週連続プレーオフに進んだ岡本綾子プロ

3試合連続でプレーオフとなった国内女子ツアー。3試合連続でのプレーオフは今回で14回目になりますが、前回は15年の「ヨコハマタイヤPRGRレディス」、「Tポイントレディス」、「アクサレディスin宮崎」の3試合でしたから、実に8年ぶりとなりました。歴史を振り返ると、最初の【3試合連続プレーオフ】は47年前の76年まで遡ります。「徳島新聞社杯争奪女子プロ」、「広島女子オープン」、「大分月形国際オープン」でした。
ただ、過去13回あった3試合連続プレーオフですが、なぜか4試合続いたことはありません。それだけに、今週の「ゴルフ5レディス」が果たしてプレーオフで決着するのかどうかも注目です。

3試合連続プレーオフに2回以上関わっている選手は4人います。1人目が91年の森口祐子プロ。「スカイコートレディース」で3人プレーオフを制すると、翌週の「マルコーレディス」でもプレーオフに進出。今度は逆に3人プレーオフで敗れてしまい、2位タイに終わっています。2人目は93年の村井真由美プロです。「日本女子オープン」で岡本綾子プロとのプレーオフに敗れますが、2週後の「東洋水産レディス北海道」では安井純子プロを下しています。

そして、3人目と4人目は77年に登場します。まずは岡本プロですが、なんと3試合すべてに絡んでいました。「東北クイーンズ」で3人プレーオフに勝つと、翌週の「アサヒ玩具レディス」では大迫たつ子プロとのプレーオフを制し、2週連続優勝。3週連続がかかったオールスターではまたもや大迫プロとのプレーオフに。そうです、4人目は大迫プロです。まさにリベンジマッチとなったこの試合では、大迫プロが意地を見せて凱歌を上げています。

ちなみに、今季のプレーオフはニトリレディスで9試合目となりました。昨年が4試合しかなかったことを考えると、驚異的なペースですよね。【過去最多のプレーオフ】が行われたのは91年の14試合です。この年は39試合が開催されたので、3試合に1試合の割合でプレーオフが開催されたことになります。2番目にプレーオフが多かったのが11試合(93、00、21)なので、やはりこの年は多かったと言えるでしょう。今季はまだ13試合残っているだけに、こちらの方の記録更新も可能性がありますね。

◆賞金女王はプレーオフにも強い!?

ニトリレディスでは菊地絵理香プロがプレーオフを制しましたが、5回目にして初めて勝つことができました。
「プレーオフなると決まったときはマジで嫌でしたね。これまで3人のプレーオフが多くて、今回も3人だったし負けたときの嫌な思い出が蘇りました」。
実は今回のプレーオフで、菊地プロなりにこれまでと変えたことがあったそうです。
「以前は他の選手に先頭に並んでいるカートを譲っていたんですが、今回は誰にも断らずに先頭のカートに乗らせてもらいました」。
果たしてその効果があったのかどうかは分かりませんが、今後菊地プロがプレーオフに参戦するときは、間違いなく先頭のカートに乗ることは間違いないでしょう。

ところで、菊地プロはようやくプレーオフ1勝を挙げましたが、これまでに最もプレーオフを制して優勝しているのは誰なのでしょうか。

記録をひも解くと、9勝を挙げている選手が4人います。樋口久子プロ、涂阿玉プロ、不動裕理プロ、イ・ボミプロです。全員が賞金女王のタイトル保持者であり、イ・ボミプロ以外は永久シードも獲得しています。やはり、本当に強い人は勝負強いんですね。
ただし、涂プロに関しては、JLPGAの会員になる前、招待選手として参戦していたときにプレーオフで4勝を挙げています。したがって、通算13勝と考えると、涂プロが第1位だと言えるでしょう。

また、プレーオフで最も敗れた回数が多いのも涂プロの17敗でした。これに招待選手時代の戦績も含めると、19敗となり2位の10敗(大迫プロ、吉川なよ子プロ)を大きく上回る数字となっています。

取材・文/山西英希

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