男女ゴルフツアー、今シーズンも残りわずか!賞金王&女王に栄冠は誰の手に?

いよいよ、男女両ツアー共にその最終戦が近づいてきました。

女子ツアーの残る大会は、「伊藤園レディスゴルフトーナメント(グレートアイランド倶楽部・千葉)」、「大王製紙エリエールレディスオープン(エリエールゴルフクラブ松山・愛媛)」、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎カントリークラブ・宮崎)」の3大会。

男子ツアーは、「三井住友VISA太平洋マスターズ(太平洋クラブ御殿場コース・静岡)」、「ダンロップフェニックストーナメント(フェニックスカントリークラブ・宮崎)」、「カシオワールドオープンゴルフトーナメント(Kochi黒潮カントリークラブ・高知)」、「ゴルフ日本シリーズJTカップ(東京よみうりカントリークラブ・東京)」の4大会を残すのみ。

それぞれの頂点である「賞金王」と「女王」をめぐる争いは、熾烈を極めています。

◆【男子ツアー】まだまだわからない賞金王争い

男子ツアーの頂点といえば、「賞金王」。賞金王は、1年間を戦ってきて獲得した賞金が最も多いプロに与えられる称号です。前週開催されたマイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント終了時点での賞金王争いはというと、一見、金谷拓実プロ、中島啓太プロの一騎打ち状態に入っているように見えます。

しかし、残る4大会は全て優勝賞金4000万という高額賞金の大会。現在、賞金ランキング1位である中島啓太プロの獲得賞金額が約1億3000万なので、残りの4大会全てに出場できる選手であれば賞金王のチャンスがまだあるということになります。それが賞金ランキングの上位の選手なら、ひとつでも優勝すれば賞金王争いに加わってくる状況なので、混戦状態で最終戦にもつれこむ可能性も少なくありません。

〈左から〉 金谷拓実プロ、中島啓太プロ (Getty Images)

◆【女子ツアー】女王争いは三つ巴

女子ツアーの女王争いは、メルセデスポイントと呼ばれる「ポイント制」によるものになります。賞金額によるランキングは、高額賞金の大会で優勝した選手が有利になってしまいます。そこで、女子ツアーでは総合的な活躍度を評価するために、3日間競技、4日間競技、公式戦それぞれ順位に応じたポイントを加算する形にしています。1年を通して最もポイントの多かった選手が、最優秀選手 『JLPGA Mercedes-Benz Player of the Year』ということになります。その最優秀選手は、「賞金女王」の呼称の名残もあってか、「女王」と呼ばれることが多いようです。

さて、その女王争いはどうなっているのかというと、前週のTOTOジャパンクラシック終了時点で、山下美夢有プロ、申ジエプロ、岩井明愛プロの3名が完全に抜け出した形です。最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップは公式戦のため、優勝すれば400ポイント。3名の内誰が女王に君臨するのか、最後の最後までわからない展開になっています。

〈左から〉岩井明愛プロ、山下美夢有プロ、申ジエプロ(Getty Images)

◆【シード権争い】ランキングで気になるのは、上位だけじゃない!

残り大会が少ないこの時期、注目すべきところは賞金王・女王争いだけではありません。それぞれの最終戦であるJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップと日本シリーズJTカップは、ランキングの上位陣しか出場できない大会になります。つまり、その前週に開催される大王製紙エリエールレディスオープンとカシオワールドオープンゴルフトーナメントが、来季のシード権争いの最終戦ということになります。

その大会までに、来季のシード権がもらえるランキング圏内に入れなければ、間もなく開催されるクォリファイングトーナメント(QT)に出場して勝ち抜いていかなければなりません。「できれば行きたくない」と、経験したプロの多くが口を揃えて言うクォリファイングトーナメントを避けるためにも、少しでも上位に食い込んでシードを獲得してしまいたいところです。

ところが、出場できる選手の数がかなり少なくなるこの時期、ぎりぎりシード権の圏内にいてもリランキングの順位が低ければ出場できない場合もあります。そうなってしまえば、ランキングが抜かれないことをただ祈ることしかできません。出場できる大会が限られてしまうため、ボーダーラインにいる選手にとって残された大会はかなり重圧のかかるものになります。

今年一番輝いた選手である「賞金王」と「女王」をめぐる戦い、そしてその陰に隠れるように、来期に向けた苦しい戦いも熾烈になっています。光と影が混在するこの時期、男子ツアー、女子ツアー共に、ランキングから目が離せません!

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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