2023年度女子プロゴルフ(JLPGA)の最終テストが10月31日から11月3日までの4日間行われました。受験者総数698人のうち合格したのはたった21人。合格率3%という狭き門を突破し、通算17アンダーで2位と5打差をつけトップ合格を果たしたのは、女子高生ゴルファーの清本美波プロ。清本プロとはどんな人なのか? 期待の新星に注目してみました。
◆トップ合格を果たした清本美波プロのプロフィールや戦績は?
清本プロは愛知県一宮市出身、2005年生まれの18歳。6歳からゴルフをはじめ、地元の公立中学を卒業後、多くのスポーツ選手を輩出する誉高等学校に進学し、現在は高校3年生です(2023年現在)。
身長は153cmと小柄で細身のスタイルでありながら、ドライバー平均飛距離は230ヤード、ベストスコアは62の実力者。2年連続年間女王に輝いた山下美夢有プロや、ツアー通算6勝で海外にも挑戦している西村優菜プロをはじめ、身長150cm台と小柄ながら活躍しているトッププロは多く、清本プロも将来そんな先輩たちの仲間入りをするかもしれませんね。
実際にこれまでの戦績では、2019年「全国中学校ゴルフ選手権春季大会」優勝、2021年「樋口久子 三菱電機レディス」では18位でローアマタイトルを獲得し、すでに実力を見せつけています。来シーズンはステップアップツアーが主戦場となりますが、昨年5勝を挙げて賞金女王となった櫻井心那プロは、今期JLPGAツアーで4勝を挙げる活躍ぶり。清本プロのこれからの活躍にも期待が高まります。
◆6歳から父と2人3脚でたどり着いた夢への第一歩
6歳からゴルフをはじめた清本美波プロですが、ゴルフを始めたきっかけは父・宗健さんの練習に付いていったことがきっかけ。 宗健さんは清本プロをサーファーにしたかったと言い、名前も「美波」とサーフィン由来であることを明かしています。清本プロ自身は数多くのスポーツを経験する中で、ゴルフが一番しっくりきて熱心に打ち込んだそう。
しかし、実は宗健さんにはゴルフ経験がほとんどなく、スクールに通わせようにも高額な費用がかかることから断念。本やユーチューブで勉強して、清本プロに教えていたと話します。時には、大会で見つけた上手な選手の両親に話しかけ練習法を尋ねたこともあるようです。ここまで、熱心に清本プロの「やりたい」という気持ちに寄り添った宗健さんの思いが素晴らしいですね。
2人3脚でゴルフに打ち込み、小学生の頃から夢見ていた女子プロゴルファーの称号。プロテストは通過点と語る清本プロには、叶えたい大きな目標があるようです。
◆メジャーの勝利よりも叶えたい目標とは?
清本プロは今後の目標として、「誰からも愛され、ファンや皆さまから目標とされるゴルファーになれるよう、技術だけでなく人間としてももっともっと成長できるように取り組む」と明かし、「将来の夢は、オリンピックで金メダル、世界で戦えるゴルファーになること」と大きな目標を語っています。
どのスポーツ選手にとっても、一世一代の大舞台となる五輪。2021年に行われた東京五輪では、稲見萌寧プロが銀メダルを獲得したことがまだ記憶に新しいですね。清本プロも将来、同じ舞台を目指すということで、今後の活躍から目が離せません。
取材・文/夢書房