バンカーの砂にも種類がある? 違いや特徴は? ゴルフ場に聞いてみた

ゴルフ場のいたるところに設置されたバンカー。苦手な人も多いのではないでしょうか? バンカーは、コースの難易度や景観、運送費などを考慮し、それぞれのゴルフ場に合った砂を採用しています。今回はバンカーで使用している砂の種類や特徴を株式会社アコーディア・ゴルフ広報・CSR課の担当者に取材しました。

◆バンカーに使われる砂の種類

バンカーに使用する砂の種類は、大きく分けて海砂、山砂、川砂、砕砂(人工砂)の4種類あり、色や硬さなど特徴に違いがあります。たとえば、海砂と川の下流で取れる川砂は色が白っぽく、フワフワなバンカーになりやすい特徴があります。反対に上流で取れる川砂は、山砂と似た特徴があり、灰色や茶色っぽい色に近く、ギュッと締まりやすくなっています。他にも、砕砂(人工砂)は海砂のように白色ですが、粒の形状が角ばっていて、山砂のように締まりやすい特徴があります。

アコーディア・ゴルフで使用しているバンカー砂について、担当者に聞くと「当社運営ゴルフ場で使用しているバンカー砂は主に、高萩砂(茨城産)、中条砂(新潟産)、豊田砂(愛知産)です。また、九州地方では海砂をメインに使用しています」と言います。

高萩砂のような山砂は、色は茶色に近く、比較的締まりやすい硬めの砂に分類されます。締まりやすくなるのは、砂の粒が角ばっていることと粒の大きさが揃っていないためです。砂の粒がまるでパズルのピースのように噛み合うため、砂がギュッと締まり、硬いバンカーになります。締まりやすいバンカーは、クラブが砂の中に潜りにくく、比較的脱出しやすいと言われています。しかし、バンカー内の砂が少ない場合もあり、バウンスが地面に跳ね返されて盛大にトップする可能性も高く注意が必要です。

一方で、海砂のように砂の粒が細かく、粒の大きさが揃っていない砂は、締まりにくくフワフワなバンカーになります。リゾート地のゴルフ場にあるような真っ白い砂が代表的で、アコーディア・ゴルフが運営する九州地方のゴルフ場でも海砂がメインに使用されています。砂が真っ白で美しいため、その景観に心踊ることもあるかもしれませんが、海砂はプロも苦戦するほど難しい砂質と言われています。理由は、砂質がフワフワでボールが砂の中に沈みやすく、目玉になったり、ウェッジが砂に潜り込んでしまったりする可能性が高いためです。

◆ゴルフ場がその砂を選ぶ理由とは

では、ゴルフ場はどのような理由でバンカーの砂を選択しているのでしょうか。アコーディア・ゴルフの担当者に、バンカー砂の選定理由を聞くと「高萩砂、中条砂、豊田砂や九州地方で使用している海砂は、いずれもバンカー砂として広く使用されていて、定評のある砂です。運送費も加味し、アコーディア・ゴルフ運営のゴルフ場では、それぞれの場所に近い産地の砂を主に使用しています」と言い、バンカーへのこだわりを次のように続けます。

「初心者や女性ゴルファーもプレーしやすいように、バンカーが難しすぎるホールは適宜見直し適切なレイアウトに調整しています。たとえばグリーン手前に大きいバンカーがあり、必ず越えなければならない場合は、グラスバンカーに変更したり、大きさを縮小するなどを検討します。幅広い層のゴルファーが楽しめて、かつコンディションの良いコースを目指し日々運営しております」

バンカーが硬かったりフワフワだったりするのは、その日のコンディションにも左右されますが、砂質も大きく関係するとわかりました。なんとなく「脱出できればいいな」と打つよりも、バンカーの砂質を理解し、それぞれに合った打ち方をするのもスコアアップに有効です。見た目や足で砂の感触を確かめるだけでなく、砂質をラウンド前に確認し、攻略の糸口にしてみてはいかがでしょうか。

取材・文/夢書房

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