まだ2月だし、ツアー開幕までまだまだ……なんて思っていませんか? 来週末はいよいよ、沖縄で女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」が始まります。今年の女子ツアーは、全部で37大会。出場する選手達にとっては、7月まで空き週の無い、過酷な転戦の日々が始まることになります。
今年の注目は、なんといっても山下美夢有プロの女王戴冠3連覇なるか。そして、岩井姉妹を始めとした2000年代生まれが台頭する中で、新たなヒロインの誕生なるか。見どころたくさんの女子ツアーで、私が今年注目している選手を紹介していきたいと思います。
◆ 今年がデビュー年! 注目の若手プロ
昨年に開催された、今季の出場権をかけたQT(クォリファイングトーナメント)。昨年プロテストに受かったばかりの96期生の多くが苦戦する中、しっかりと上位に入り、今季の前半戦への出場権を手にした日本人選手は2人。小西瑞穂プロ(QTランキング23位)と吉澤柚月プロ(QTランキング28位)です。
【小西瑞穂プロ】
小西プロは、広島県出身。女子ツアーでは高卒でプロになる選手が多いのですが、その中では珍しい大学卒のプロゴルファーです。松山英樹プロや金谷拓実プロなど、男子プロを多く輩出している東北福祉大学の出身で、学生時代もアマチュアの大会で活躍しました。同じく東北福祉大学出身で同郷の佐伯三貴プロに師事しています。ちなみに、小西プロは1998年生まれ。98年生まれと言えば、畑岡奈紗プロや渋野日向子プロらがいる黄金世代です。既に世界で活躍している同世代に負けず、頑張ってほしいですね。
【吉澤柚月プロ】
千葉県出身の吉澤柚月プロは、西郷真央プロや吉田優利プロを輩出した私立麗澤高等学校出身。3回目のプロテストで合格を果たし、その勢いのままQTで前半戦の出場権を手に入れました。吉澤プロと同じ2003年生まれのプロは、櫻井心那プロや川﨑春花プロなど6人もの選手がシード権を持っている強力な世代。それに遅れる形でのデビューとなりましたが、苦労した分、より一層輝くのではと注目しています。
◆ ステップアップツアーからメインツアーへ
女子プロゴルフのツアーは、テレビでよく見るようなメインツアーだけではありません。QTのランキングが届かずにメインツアーに出られないプロ達が主戦場とするツアー、「ステップアップツアー」があります。その賞金ランキングで2位までに入ると、翌年のメインツアーの前半戦への出場権を得ることができます。昨年の同ツアーで賞金ランキング2位に入り、前半戦の出場権を得たのが大須賀望プロです。
【大須賀望プロ】
宮城県出身の大須賀プロは、宮里藍プロや有村智恵プロ、菊地絵理香プロらと同じ東北高校の出身。2年連続で年間女王となった山下美夢有プロとは、学校は違うけれども同学年で、一緒にゴルフ合宿に参加したこともあったそうです。強い同級生に刺激を受けてここまできて、いよいよ今年は同じ場所で戦うことに。
身長150センチの山下プロよりも小柄な大須賀プロの身長は、146センチ。小柄でも、ドライバーの平均飛距離は230ヤードだそうです。今までにシード権を獲得した選手の最小身長は、馬場ゆかりプロの149センチだそうなので、もしかしたらその記録を破るかもしれません。
◆ ベテラン勢からも目が離せない!
2000年代生まれが続々と出てきている中、80年代生まれのプロ達も頑張っています。メルセデスランキングで、50位までに入ると与えられる来季のシード権。若手ばかりが注目されがちで入れ替わりも激しい女子ツアーの中で、そのシード権を獲得して今季出場する80年代生まれの選手は7名(藤田さいきプロ、上田桃子プロ、申ジエプロ、穴井詩プロ、菊地絵理香プロ、全美貞プロ、笠りつこプロ)もいます。そして、QTからはランキング6位に入った木戸愛プロも参戦。
皆、長年ツアーで活躍してきた選手達であり、今なお続く女子プロ人気を何年も支えてきた人たちですね。大ベテランと呼ばれる彼女達の存在感は、年々増すばかりです。若手に負けないように、今年も思いっきり暴れてほしいですね!
毎年新たなヒロインが生まれる女子ツアーが、いよいよ開幕間近。今年は誰が注目されるのか⁉ 非常に楽しみにしています。
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。