世界中のプレーヤーが集結し、ゴルフのメジャー大会とは違う緊張感のなかで開催された2024パリ五輪。世界のトップを目指す姿はメダルの有無に関わらず、さまざまな感動を与えてくれました。プレー以外で注目したのが各国のユニフォーム。自国を象徴する色づかいや、パリを意識した色柄など、いつものゴルフウェアではあまり見ることのない配色が多く、とても新鮮でした。同国の選手はもちろん同じデザインのユニフォームを着用しているのですが、そのなかでもそれぞれの選手が個性あるアレンジをしているところが見応え抜群。今回は各国のユニフォームとアレンジを、五輪を振り返りつつご紹介します!
【リディア・コ選手/ニュージーランド】メダルスラム達成!強さが輝いた究極のミニマルコーディネート
ゴルフ界では初となるメダルスラムを成し遂げたリディア・コ 選手。今回の金メダル獲得を機にLPGAツアーにおいて名誉の殿堂入りを果たすことになり、まさに歴史に残るプレーヤーとなりました。リディア・コ 選手は4日間ともに黒か白、どちらかのワントーンコーディネートを着用し、最終日にはオールブラックスを思わせる全身ブラックのウェアで勝利を獲得しました。
ニュージーランドのゴルフユニフォームは“フットジョイ”。シンプルなデザインでありながら、エッジの効いたシルエットやカッティングデザインがかっこ良く、アスリートマインドのゴルファーからとくに支持されている人気ブランド。
最終日のコーディネートは、ハーフジップのボトルネックシャツとタイトミニの組み合わせ。無駄のないシンプルなデザインのウェアは、着ている人の品格を際立たせる究極のミニマルコーディネートです。それに加えて潔い肌見せバランスで、クールエレガンスな雰囲気に。サンバイザーやジュエリーまで色を統一させている徹底ぶりで、完成度の高い着こなしに仕上がっていました。
【ネリー・コルダ選手/アメリカ】ファッションセンスが際立つ着こなしに大注目
世界ランク1位のネリー・コルダ選手率いるアメリカチームのゴルフユニフォームは“ジェイリンドバーグ”。自身がウェア契約していたこともあり、どのデザインも“ネリー流”に着こなしており、ひときわ目を惹くおしゃれ感でした。
その中でも注目は、大会2、3日目に着用していたバイカー風パンツです。ファッショントレンドでもあるバイカー風パンツを、コンパクトなトップスと合わせてゴルフらしい着こなしに。美シルエットが強調されたタイトフィットな組み合わせが、ユニフォームとは思えないおしゃれさ。ファッションセンスの高さを感じます。
練習日には、ブルゾンとグラフィカル柄スカートというスタイルで登場。ドルマンスリーブのブルゾンはややショート丈のシルエットが新鮮です。バックスタイルには大胆な“USA”ロゴがデザインされており、ポップな柄スカートとの組み合わせが、80年代ファッションを思わせるレトロな雰囲気でトレンド感の高いコーディネートでした。
さらに、キャディバッグとポロシャツの柄をリンクさせた目を引くコーディネートも。そのトータルコーディネートへのこだわりに、誰もが魅了されました。
各国のおしゃれユニフォーム&アイテムをチェック!
ミンジー・リー選手(オーストラリア)
今大会では各国を象徴する配色のユニフォームが多いなかで、意外性を感じたのがオーストラリア。国旗カラーではなくグリーン×イエローの配色でしたが、この色は国花(ゴールデン・ワトル)をイメージし、その葉と花のゴールデンイエローから取り入れていると言われています。そのウェアを日本発のブランド“アシックス”がデザイしており、親近感を感じるユニフォームでした。
アシュリー・ラウ選手(マレーシア)
マレーシア代表のユニフォームは“アディダス”。アシュリー選手は少しゆとりのあるボーイズライクなシルエットのポロシャツをフェミニンなプリーツスカートと合わせており、テイストミックスされた今っぽい着こなしでした。さらに、ティアドロップのサングラスでかっこ良さを加えることで、クールビューティーなスタイルに仕上がっています。
ビアンカ・パグダンカナン選手(フィリピン)
ノースリーブのスキッパーポロシャツを着ていたビアンカ選手。白×ネイビーの定番カラー配色コーディネートですが、トップスのスカロップカットデザインがポイントになっており好感度の高い上品フェミニンな着こなしでした。
マリアージョ・ウリベ選手(コロンビア)& ローズ・チャン選手(アメリカ)
コーディネートの小物アレンジで個性が輝いていたのが、マリアージョ・ウリベ選手とローズ・チャン選手。ローズ・チャン選手はラフなヘアスタイルに“ヴァンクリーフ&アーペル”の高級ジュエリーをつけ、そのギャップがおしゃれ見えするポイントに。さらに自分の名前入りマーカーをつけた茶目っ気のある合わせ方がおしゃれでした。
チャッチーなスマイル柄のソックスを合わせていたのは、マリアージョ・ウリベ選手。同じ柄のソックスを日毎に色を変えてるなど、そのこだわりに注目が集まりました。ゴルフシューズは左右で違う色を合わせており、個性をアピールした足もとのおしゃれアレンジが印象的でした。
コーディネート解説/スタイリスト 高橋裕美
各女性ファッション誌、広告、カタログで活躍中。趣味で始めたゴルフに熱中していたところ、ゴルフファッションにも興味を持ち、レジーナと出会う。レジーナでは表紙、ファッションページを担当しており、リアルかつファッショントレンドをうまく取り入れたコーディネートが読者からも強く支持されている。
写真/Getty Images(2024.8.15 一部キャプションに誤りがございましたため、修正いたしました。)