レギュラーツアーで3勝を挙げている崔虎星プロの優勝で幕を閉じた日本シニアオープン。千葉カントリークラブの川間コースで開催されたその大会に、元プロキャディの私、おだみなも「崎山武志プロ」の帯同キャディとして参戦してきました! 今回は、なかなかイメージしづらい“プロキャディの一週間”をご紹介します。
【月曜日】コースチェック&準備
◆8時:コース入り
この大会は、火曜日がプロアマ戦。そのため、プロアマ戦に出場しない選手は、月曜日と水曜日が主な練習日。今回お世話になるプロから早々に「水曜日の練習ラウンドからお願いします」と連絡をもらいましたが、やりたいこと、やらなければならないことがいくつかあるので、月曜日の朝からコースへGO!
ホテルに宿泊している関係者が多い中、私は自宅から車通勤。移動時間はどれほどか、渋滞などを確認しながらコース入りしました。
◆9時~:コースチェック
コースに到着してまずしたことは、ヤーデージブックの購入。その後、練習ラウンドに来ていたプロと合流して、コースチェックを開始。ホールごとの攻め方、ターゲット、打って良い場所、いけない場所、グリーンの形状などをメモしていきます。
◆電動手引カートは今や必需品
セルフプレーのみのゴルフ場であることから、ハウスキャディはゼロ。そのため、セルフでラウンドするか、帯同キャディを連れてくるしかありません。その代わり、電動手引きカートのレンタルがあり、帯同キャディもセルフの選手も、多くの方が利用していました。
【水曜日】練習ラウンド
◆情報チェックは必須
どの大会でも、ロッカーの入り口周辺など、選手の目の付く場所に掲示板があり、伝達事項や様々な情報が貼り出されています。中にはルールに関することなども書かれているので、毎日必ずチェック。ヤーデージブックの変更点などあれば、その場で訂正します。
火曜日の昼に発表された予選の組み合わせも貼り出されていました。予選の2日間は同じ組み合わせで、午前午後とアウトインが入れ替わるだけ。私の組は、初日が午後のアウトスタート、2日目が午前のインスタートでした。
◆練習ラウンドは和気あいあい
練習ラウンドのスタート時間は、前もって予約している場合と、当日どこかに入れてもらう場合とあります。気の合う仲間同士でまわることが多く、情報交換しながらコースの状況を確認します。キャディは、プロが何ヤードから何番を使ってどこにいったかを確認し、飛距離や調子を把握。ラフやバンカーなど、実際に打ってみた感想を聞きながら、仮想ピンを立てていきます。
◆練習は毎日朝夕
練習は、ラウンド前だけでなく、ラウンド後も。ショットだけでなく、アプローチやパターも念入りにしていました。選手が練習している間に使ったクラブのグリップを拭くなど、同時に片付けもしていきます。
【木曜日】予選初日(12時45分・アウトスタート)
◆準備・男子ロッカーだろうが入ります
朝のルーティンは、選手によって違います。クラブハウスレストランで朝食を食べたり、ロッカーでストレッチをしたりと様々。そのため、キャディは選手と一緒の行動かどうかによってコース入りの時間が大きく変わってきます。
今回私がついたプロは、24時間営業のスポーツジムでトレーニングをしてからコース入りするので、到着はスタートの1時間ちょっと前。私は2時間前にコース入りして、ピンポジションをチェック。天気予報で風向きを確認し、クラブの本数確認とボールの用意を終えて、ロッカーで朝食を摂りながらプロの到着を待つようにしていました。
◆緊張の初日ラウンド
ラウンド中の主な仕事は、距離の計測と風を読むこと。今回は、距離計の使用が可能だったので、距離計でピンまでの距離を測ってから、ピンポジションを確認し、グリーンエッジまでの距離を計算しました。ラフが深かったので、ティショット時の空気がいつもよりピリピリしていた気がしますね。
【金曜日】予選2日目(8時25分・インスタート)
◆予選落ちの準備ではなく経費の節約
初日の結果は、予選カットラインぎりぎり。予選落ちの可能性がある選手がホテルを1度チェックアウトしてくるため、ロッカー内には大量のスーツケースが並んでいました。予選の結果が分かり次第、ホテルに連絡を入れ、宿泊の有無を伝えます。当日キャンセルの場合、キャンセル料がかかることもあり、宿泊先選びは皆慎重です。
2日目の結果も、結局カットラインぎりぎりでのホールアウト。プロは宿泊先に連絡し、キャンセルがまだできないことを報告。状況を見るため、食事をしたり、練習をしたりして、ハラハラしながら後続組の結果を待ちました。その後、59位タイでなんとか予選を通過。翌日の組み合わせは、帰ってからホームページで確認しました。
【土曜日】決勝初日(7時18分・アウトスタート)
◆早朝起きは当たり前
5時半コース着ということで、3時半起床。トーナメントに関わっていれば、よくある起床時間です。決勝は2サム1ウェイ(全組2人ずつ、アウトからのスタート)ということで、クラブハウス内も練習場も、選手の数はまばら。その代わり、ギャラリーが増えてきてコースは賑やかになってきました。
【最終日】決勝2日目(9時56分・アウトスタート)
◆片付けはダッシュで!
連日の猛暑日でしたが、なんとか無事に完走! 最終組があがってきてしまうと近隣の道路が混んでしまうので、すぐにコースを出るためにラウンド終了後は急いで片付けです。宅急便コーナーは、既にホールアウトした選手達の荷物で溢れていました。
プロに挨拶を終えた後、1週間借りたロッカーの中も空っぽにして終了! お疲れ様でしたー!
◆おだみなプロフィール
おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。