ゴルフ場を訪れると、風景の中でひときわ目を引くのが「池」。 ゴルフの難所として知られるこの「池」にボールが落ちてしまった場合、「池ポチャ」したボールは、その後どこに行くのだろうと思ったことはないでしょうか? 気になるロストボールの行方と、その対処法について詳しく解説します。
◆池ポチャしたボールはどこへ行く?
池に落ちたボールがどうなるか、普段あまり気にすることは少ないかもしれませんが、ゴルフ場では定期的に池の中のボールを回収する作業が行われています。専門のダイバーが池に潜り、沈んだボールを回収する方法が一般的です。 これらのダイバーは安全装備を備え、池の中の地形を熟知しており、濁った水の中でもボールを拾い集めます。
回収作業は通常、年に数回行われ、プレーが少ない時期や大きな大会が終わった後に作業することが多いです。 ダイバーによっては、1日で数千個のボールを回収することもあり、高収入を得る場合もあります。
ただし、すべてのボールが回収されるわけではありません。池が深すぎたり、障害物が多い場合は、ボールがそのまま残されることもあります。このような場合でも、多くのゴルフボールは環境に害を与えにくい素材で作られているため、自然への影響は限定的といえます。
◆回収されたボールの行方
回収されたボールは、きれいに洗浄され、しっかりとした品質管理のもとで仕分けされます。使用感や傷の有無、ボールの種類などをチェックし、状態の良いボールは「ロストボール」として再販売されます。ゴルフショップやネットショップで安く購入できるため、初心者でも手軽に使える選択肢として人気です。
高価な新しいボールを使うと、「失くしたらもったいない」というプレッシャーを感じることがありますが、ロストボールならコストを抑えられ、気軽にプレーを楽しむことができます。 初心者には特におすすめです。
◆池ポチャしたときのルール
池ポチャやロストボールは、ゴルフをプレーする上で誰もが経験するものです。 特に初心者にとっては戸惑いがちですが、ルールに忠実なので安全にプレーを続けられます。
池や川などの水域は「ペナルティエリア」と呼ばれ、1打罰を受けることで新しいボールを落として打ち直すことができます。ボールが打てる位置であれば、水中からそのまま打つことも可能です。特に、女性や体力に自信のないゴルファーは、池の周囲で無理な体勢でのショットがもとで怪我する恐れがありますので、ペナルティを受け入れるのが賢明です。
◆ペナルティエリアでの選択肢
池の周囲には、赤い杭(レッドペナルティエリア)と黄色い杭(イエローペナルティエリア)が設置されています。ドロップする際の選択肢は、このペナルティエリアの種類によって異なります。
イエローペナルティエリアの場合、「直前のストローク位置に戻って打ち直す」もしくは「イエローペナルティエリアの縁を最後に横切った地点とホールを結んだ後方線上にドロップ」のどちらかの救済を受けることができます。
また、レッドペナルティエリアでは上記に加え「レッドペナルティエリアの縁を最後に横切った地点からホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップ」という救済措置を選ぶことができます。
どの選択肢を選ぶかは、状況によって異なりますので、迷ったときは同伴者にアドバイスを求めると良いでしょう。
ボールが池や林に入り、なくなってしまうことは、初心者や慣れていないゴルファーには大きなストレスとなることがあります。そんな時は無理にボールを取り戻そうとしたり、危険なショットを試みるのではなく、ボールが別のゴルファーの手に渡り再び活躍するかもしれないと、気持ちを切り替えて次のプレーを楽しむことをお勧めします。
取材・文/夢書房