スパイクレスは家から履いてていいの? 意外と知らないシューズのマナー

ゴルフシューズといっても、最近はスニーカーとなんら変わらない履き心地のスパイクレスシューズ。つい普段使いにしたり、ラウンド時には自宅から履いて行きたくなりますが、それはマナー違反になります。意外と知らないシューズのマナーについてみていきましょう。

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◆靴底には芝が嫌がる菌がいっぱい! 控室で靴は履き替えよう

ゴルフシューズは大きく分けて、ソフトスパイクシューズとスパイクレスシューズの2種類があります。ソフトスパイクシューズは靴底にスパイクがついているため、ゴルフ場以外の所では履きづらいですが、芝の上でのグリップ力に優れています。一方で、スパイクレスシューズは靴底に凹凸はあるものの、スパイクは付いていないので、スニーカーと変わらない履き心地です。デザインもおしゃれなものが多く、普段使いしているゴルファーも増えています。

しかし、普段使いの靴や自宅から履いてきたシューズでゴルフ場を利用することは、マナー違反です。知らず知らずのうちに芝を痛める菌を持ち込んでしまうからです。地面には様々な菌が付着しており、家庭や工場から排出された薬剤が染み込んだ道路もあるかもしれません。これらの菌や薬剤が、芝の種類によっては根腐れや変色などの影響を与えてしまうのです。

特に、ほとんどのグリーンで使用されているベント芝は、病害虫に弱く、管理が難しい芝です。ベント芝は寒さに強いので冬でもゴルフを楽しめますが、外部から持ち込まれた菌の影響を受けやすく、足の形で色が変色してしまった事例もあるほどです。

きれいなグリーンでプレーするためにも、外から菌を持ち込まないように、普段使いの靴とゴルフシューズはしっかり区別し、控室で靴を履き替えることが大切です。また、ゴルフ場に除菌マットが敷いてあればしっかり靴底を除菌したり、アルコールが入っていない除菌液で靴底をシュッシュしてから入場することも有効です。ゴルファー1人ひとりがゴルフ場をきれいに使用する意識を持つことが大切です。

◆メタルスパイクやスニーカーは使用NG

病害以外にも、金属製の鋲がついた「メタルスパイク」はほとんどのゴルフ場で利用禁止になっています。メタルスパイクは地面とのグリップ力に優れていたため、90年代頃まではゴルフシューズの主流でしたが、芝を痛めやすく、グリーンに跡が残ってしまうほどでした。そのため、芝の保護のために、ソフトスパイクやスパイクレスシューズが主流になりました。もし、メタルスパイクを持っている人がいれば、芝の保護の観点から履くのはやめましょう。また、ゴルフを始めたばかりのゴルファーなら、ゴルフシューズを両親から借りることもあるでしょう。その際、メタルスパイクではないかしっかり確認をすることが大切です。

練習で履きなれたスニーカーでラウンドしたいと考える人もいるかもしれませんが、菌の持ち込み以外にも、ケガを予防するためにもスニーカーでのラウンドは控える必要があります。ゴルフ場は平坦なところが少なく、ところどころ傾斜しています。また、靴底と地面との間に芝が入り込むため、グリップ力が減退して滑りやすくなります。その状況で靴底が平らなスニーカーでゴルフ場に立ち入ったり、スイングをすれば転倒しケガをする可能性があります。足元が安定しないのでスコアを出すことも見込めないでしょう。

練習でスニーカーを使用していたなら、違和感なく履き替えができるスパイクレスシューズがおすすめです。「ソフトスパイクの方がグリップ力が優れているのでは」と思っている人もいるかもしれませんが、スパイクレスシューズでもグリップ性能が向上しており、ツアープロが使用しているモデルもあります。どちらのタイプのシューズも十分にゴルフを楽しむことができます。

きれいなゴルフ場を維持するためには、ゴルファー1人ひとりのマナーを守る意識や行動が大切です。外から雑菌を持ち込んだり、芝を痛めるシューズは履かない。またケガをしないようにする必要があります。シューズのマナーを守り、気持ちよくプレーをしていきましょう。

取材・文/夢書房

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