スタッツの数字で分かる!? 岩井ツインズの強さ【国内女子ツアー豆知識】

国内女子ツアー第33戦「樋口久子 三菱電機レディス」は、岩井千怜プロが今季3勝目、ツアー通算7勝目を飾りました。1打差の2位には岩井明愛プロが入り、2度目の姉妹ワン、ツーフィニッシュを達成。そこで今回は、岩井ツインズの強さをスタッツから分析してみました。

◆パーブレーク率1位の明愛プロ

今季のメルセデスランキングを見ると、岩井明愛プロが3位、千怜プロが5位につけています。ともに今季3勝を挙げているだけに、トップ5をキープしているのも十分うなずけます。

まずは明愛プロのスタッツから見ていきましょう。目を引くのは、平均バーディ数(4.3067)とパーブレーク率(24.2672パーセント)の1位、そしてパーオン率2位(75.3238パーセント)という数字です。樋口久子 三菱電機レディスでも数回見せたように、明愛プロはパー5の2打目では直ドラで積極的に2オンを狙いにいきます。基本的にアグレッシブなゴルフを身上とし、パー4でも難しいピンポジションにかかわらず、デッドに狙いにいくことが少なくありません。当然、ピンの近くに乗れば、バーディチャンスの確率も高くなり、それが平均バーディ数とパーブレーク率の1位につながっているのでしょう。

ただ、ピンを狙いに行く分、少しでも曲がるとグリーンを外すだけでなく、難しいアプローチが残ります。リカバリー率が64.6409パーセントで30位にいるのも、それが理由です。アプローチが寄らないので、平均パット数もパーオンホールでは1.7514(6位)なのに、1ラウンド当たりは29.2761(29位)となっています。

アグレッシブなプレースタイルがはまれば当然のようにハイスコアが出るため、60台をマークする回数は38回(3位)を数えます。

◆60台のラウンド数2位の千怜

明愛プロよりも60台の回数が1回多い39回(2位)をマークしているのが千怜プロです。平均バーディ数(3.8889)、パーブレーク率(21.8519パーセント)はともに5位と、明愛プロには劣るものの全体的に見ると高い数字であることは間違いありません。やはり、ピンを積極的に攻めるゴルフを身上としており、樋口久子 三菱電機レディスで通算16アンダーの大会新記録をマークしたように、爆発力を武器としています。

明愛プロと異なるところは、トータルドライビングが52ポイント(3位)、リカバリー率が70,1717(4位)と高いことです。トータルドライビングとは、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率の順位を足した数字をポイントにしていますが、明愛プロは前者が6位だったものの、後者が71位で合計77ポイント(17位)でした。千怜プロの52ポイントは前者18ポイントと後者34ポイントを足したものになります。

トータルドライビングとリカバリー率から見ると、ゴルフの安定感では千怜プロの方が上回っているといえます。パーセーブ率で明愛プロが88.4117パーセント(8位)に対し、千怜プロが88.5185パーセント(6位)という数字がそれを証明しているでしょう。

とはいえ、2人ともハイレベルの数字を出していることは間違いありませんし、だからこそ2人合わせて今季6勝を挙げているともいえます。今シーズンも終盤戦に入っていますが、さらに数字を上げてくるかもしれませんね。

写真/Getty Images

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