【女子プロテスト2024】合格率3.74%の難関!見事突破した注目の選手は?

千葉県のグレートアイランド倶楽部で開催された国内女子プロゴルフツアー「伊藤園レディスゴルフトーナメント」。メルセデス・ランキングを首位で独走していた竹田麗央プロが、このまま楽々と年間女王に決まるかと思いきや、まさかの予選落ち。同2位の山下美夢有プロの結果に注目が集まっていました。逆転の条件は、3位以内。しかし、結果は4位タイと惜しくも届かず、残り2試合で逆転できる可能性が消え、竹田プロが最終戦を待たずに自身初の年間女王の座を手に入れました。

今季の女子ツアーは、いよいよ残り2試合。最終戦は出場選手が限られているため、今週末に愛媛県のエリエールゴルフクラブ松山で開催される「大王製紙エリエールレディスオープン」がシード権争いの最終決戦の場となります。来季の出場権(シード権)を得られるのは、メルセデス・ランキングの50位まで。シード権を得られなければ、来季の出場優先順位を決める「クォリファイングトーナメント(以下、QT)」に挑まなければなりません。そこには、今季出場できなかった選手だけでなく、今月プロになったばかりの新人プロたちも挑戦してきます。

◆プロテストは合格率3.74%の難関

11月1日、茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で行われた最終プロテスト最終日。4日間に渡る戦いを上位で終えた26名が、新たに日本女子プロゴルフ協会の会員、つまり女子プロゴルファーとして誕生しました。話題となったのは、やはりその合格の難しさ。女子プロテストは、第1次予選、第2次予選、最終プロテストの3段階ありますが、今年の総受験者数は695人。合格率3.74%という難関でした。

合格した選手たちの、その受験回数にも注目が集まっていますね。協会HPのプロフィール欄に書かれた「最終プロテスト受験回数」を見てみると、多くの選手が2回から4回ほど受けていることがわかりました。中には、6回目にして悲願を達成したという選手も。しかも、これは最終プロテストの話であって、第1次予選、第2次予選などを含めるとより多い可能性があります。今回、プロテスト初挑戦で合格したのは2名だけとのこと。つまり、同期であっても、年齢はバラバラ。とはいえ、こうした状況は今年に限った話ではありません。

やっとプロテストに合格した!と言っても、すぐにツアーに参戦できるわけではありません。プロテストに1位で合格した選手はファイナルQTの出場権を得ることができますが、その他の選手はファーストQTから挑戦しなければなりません。プロテストに合格してホッとしたのも束の間、数週間後に開催されるQTで上位に入らなければ、来季のツアー参戦は叶わない…そんな厳しい世界なのです。

◆注目選手はこの人!

そんな厳しい世界に飛び込んできた選手たちの中で、気になる名前がありました。14位タイで通過した山口すず夏プロです。米女子ツアーの出場権を賭けた「Qシリーズ」に今年は多くの日本人選手が挑戦しますが、山口プロは2次予選会から最終予選会に駒を進めた日本人選手の内のひとりです。

【山口すず夏プロのプロフィール】

山口 すず夏 (Suzuka Yamaguchi)
出身地 神奈川県相模原市
生年月日 2000年8月2日
出身校 共立女子第二高等学校(東京都)
身長 160cm
血液型 A型
ゴルフ歴 7歳~
DW平均飛距離 240Yards

山口プロは、2015年に全米女子オープン日本地区予選を2位で通過。日本人最年少の14歳で全米女子オープンに出場しました。2018年には「オーストラリア女子アマチュア選手権」で日本人初の優勝。その年、米女子ツアーのQシリーズで36位に入り、翌年のツアー出場権を獲得しました。2019年に18歳でプロ転向を表明。宮里藍プロ、畑岡奈紗プロに続く「女子高生プロ」として、米国女子ツアーに参戦してきました。

なぜ、既に海外で活躍しているプロが日本のプロテストを受験しているのかというと、2021年に日本女子プロゴルフ協会がQTの受験資格を変更したことに起因します。それまでのQTは然るべき推薦があれば受験できましたが、2021年から日本女子プロゴルフ協会会員と当年度プロテスト合格者のみに限定。そのため、QTで上位に入りさえすれば国内ツアーに出場できた海外ツアーメンバーが、日本のプロテストを受けて合格しないとQTに出られないということになりました。

山口プロは、2021年から国内のプロテストに挑戦し、4回目の今回、悲願の合格を果たしました。とはいえ、これからが本番。11月19日から始まる国内のファーストQT(4日間)、それを通過すれば11月26日から始まる国内のファイナルQT(4日間)、そして12月5日から始まる米女子ツアーQシリーズ最終予選会(5日間)と予選会尽くしの1か月となります。「LPGA(米女子ツアー)で勝ちたい。」と言う山口プロ。アメリカでも、国内でも、その戦う姿をぜひ見てみたいですね。

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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