「冬もゴルフを楽しみたいけど、夏と比べると飛距離にギャップが生じてスコアがまとまらない…」冬ゴルフを楽しむゴルファーの中には、このような悩みを抱えている人も少なくないでしょう。冬は夏に比べると、5~20ydほど飛距離が落ちてしまうことが多いです。そのため、なかなかパーオンができずスコアを崩してしまう要因になってしまいます。
しかし、事前に冬ゴルフへの対策ができていれば、スコアを大きく崩すこともありません。また、冬ゴルフならではのメリットも多くあります。冬ゴルフのことをしっかり理解して、ラウンドを楽しみましょう。
【目次】
1.冬にゴルフを楽しむメリットとデメリット
2.冬は夏よりボールが飛ばない?季節で飛距離が変わる理由
3.ドライバー、アイアンで違いはあるの?
4.飛距離が落ちてもスコアをまとめる方法
5.寒さ、着ぶくれ対策に有効なアイテム7選
6.スコアメイクに有効なコースの選び方
7.まとめ
1.冬にゴルフを楽しむメリットとデメリット
屋外のスポーツであるゴルフは、「冬の寒さに耐えられない!」と、敬遠する方も多くいます。実際、国内で行われるプロゴルフツアーは、12月〜2月までの開催はありません。ですが、ゴルフ場が閉まっている訳ではありませんので、ラウンドをすることは可能です。
実は、冬ゴルフでしか味わうことのできないメリットも多くあり、アマチュアゴルファーの中には、冬ゴルフを楽しみにしている人も多くいます。しかし、メリットに反して冬ゴルフのデメリットもあります。ここではまず、冬にゴルフを楽しむメリットとデメリットを紹介します。
1-1.冬ゴルフを楽しむメリット
冬ゴルフを楽しむ最大のメリットは、「プレーフィーが安い」ことです。
春や秋は気候が良くプレーがしやすい季節となり、ゴルフのオンシーズンと呼ばれ、寒くプレーのしづらい季節である冬はオフシーズンと呼ばれています。先ほどお伝えしたとおり、オフシーズンの冬ゴルフは敬遠する人も多く、ゴルフ場は集客が難しい時期です。そのため、オンシーズンと比べるとプレーフィーが安く、お値打ちにラウンドすることができます。特に、オンシーズンにはプレーフィーが高くてなかなかラウンドできない名門ゴルフ場も、冬のオフシーズンはリーズナブルな価格で回れることも多くあります。
また、オンシーズンに比べて来場者が減る傾向にあるため、ゆったりとラウンドできることも大きなメリットと言えるでしょう。後ろの組が自分たちのプレーを待っているということも少ないため、「早く打たなきゃ!」というプレッシャーを感じることなくプレーすることができます。まだラウンドに慣れていない初心者の方にとっては、実戦練習をするのにピッタリと言えます。冬の間にゴルフの実力を高めたいという人は、冬ゴルフこそ積極的にラウンドにいくことがおすすめです。
1-2.冬ゴルフのデメリット
冬ゴルフは前述のとおりメリットがありますが、冬ゴルフならではの環境により「ゴルフの難しさ」を感じることでしょう。これが、冬ゴルフのデメリットと言えます。
冬のゴルフ場は、寒さによりコース環境が悪くなりやすいです。特に、冬のグリーンは時間により状態が大きく変わるので注意が必要です。早朝のグリーンは、凍っていることも多く、オンシーズンと同じようにグリーンに乗せようとしても、ボールが高く跳ねて飛んでいってしまったり、止めたい場所に止まらずグリーンオーバーしてしまったりと、ミスが出やすくなります。ただし、どのホールも同じ状態ではなく、プレーを進めていく中で日が照ってくるとグリーンは柔らかくなりますし、グリーンが日陰であればまだカチカチに凍っているなんてこともあります。このように、グリーンの状態がホール毎に変わることを理解した上で、プレーをすることが大切です。
また、冬の空気は夏に比べて飛距離が落ちることも知っておきましょう。飛距離が落ちる理由については、次の章で詳しく解説しますので、しっかり読み進めてください。
2.冬は夏よりボールが飛ばない?季節で飛距離が変わる理由
前述したとおり、冬ゴルフのデメリットとして夏より5~20ydほど飛距離が落ちてしまいます。これにより、「夏は7番アイアンで届いていた距離が届かない」ということもあり、これがスコアを崩す要因になります。
それでは、なぜ冬は飛距離が落ちてしまうのでしょうか。その理由を知っておけば、対策を打つことができます。冬ゴルフでも安定したスコアメイクをするために、理由をしっかり理解していきましょう。
理由1:空気抵抗が上昇するから
飛距離が落ちる大きな理由のひとつが、気温と空気の関係による影響です。
ゴルフボールは、打ち出されると空気の抵抗を受けながら飛んでいきます。この空気抵抗は、空気密度が高くなればなるほど強くなり、同じように打っても空気抵抗が強いと飛距離が落ちてしまうのです。空気密度は、気温と密接な関係にあり、気温が低ければ低いほど空気密度が高くなります。そのため、気温が低い冬ゴルフは夏に比べて飛距離が落ちてしまうのです。
理由2:ゴルフボールが冷えて性能が落ちるから
冬ゴルフで飛距離が落ちる理由として、ゴルフボールが冷えて性能が落ちることにもあります。
ゴルフボールの素材はゴムでできています。ゴムは冷えると硬くなり、それによりインパクトの反発力が落ち、ボール性能が発揮できなくなります。その結果、飛距離が落ちてしまうのです。
理由3:身体がうまく回らなくなるから
冬は寒さで筋肉が収縮して硬くなり、身体の可動域がどうしても狭くなってしまいます。冬は、夏に比べると身体が動きにくいと感じるとおり、身体がうまく回らずスイングにも大きな影響を与えます。さらに、寒さで身体が縮こまり手打ちになりやすく、飛距離の低下に繋がってしまうのです。
また、当たり前のように冬は防寒のために厚着となります。着ぶくれした状態では、肩や腕が回りづらく感じるはず。ミート率も下がり、これもボールが飛ばない原因の一つです。
3.ドライバー、アイアンで違いはあるの?
冬ゴルフの飛距離が落ちる理由について解説をしましたが、ドライバー、アイアンで飛距離の落ち方に違いがあるのか?気になる人もいるでしょう。結論からお伝えすると、大きく差はありません。
具体的には、ドライバーなら10〜20ydほど、アイアンなら5〜10ydほど飛距離が落ちるものと考えておくとベターです。あらかじめ、冬ゴルフはこれくらい飛距離が落ちると分かった上でラウンドをすれば、飛距離が出ないことに一喜一憂することもありませんし、飛ばないからと言って力んでスイングすることも無くなります。
4.飛距離が落ちてもスコアをまとめる方法
冬ゴルフでは飛距離が落ちることを前提において、ラウンドをすることがスコアをまとめる最大の方法と言えます。その前提を踏まえた上で、飛距離が落ちてもスコアをまとめる方法を3つ紹介します。
対策1:クラブの番手を上げる
まずは、冬ゴルフは飛距離が落ちることを前提に、いつもよりもクラブの番手を上げるようにしましょう。
例えば、夏だったら9番アイアンで打つ距離であれば、8番もしくは7番アイアンで目標を狙ってみてください。いつもの番手のまま飛距離を出そうと頑張って振るよりも、番手を上げた方がミスショットも減りスコアメイクがしやすくなります。ただし、ラウンドをしているうちに身体が温まり動きやすくなると飛距離が伸びることも考えられます。そうなったときは、番手をもとに戻すなどして調整をしていくことが大切です。
対策2:柔らかいボールを使う
前述したとおり、冬はボールが硬くなり飛距離への影響が出やすくなります。そのため、もともと柔らかいボールを使ってみるのも一つの方法です。
特におすすめは、「ウレタンカバー」のボールです。また、ディスタンス系に多い「アイオノマーカバー」のボールもソフトなタイプが販売されています。そういったボールを試して見るのも良いでしょう。
対策3:身体を温める
身体を温めて動きやすい状態を作ることも、スコアをまとめるためにはおすすめの方法です。
例えば、インナーを発熱素材にするなどして身体を温めてみると良いでしょう。寒いからと言って、厚着をしてしまうと着ぶくれして身体が動きにくくなりますが、インナーであれば着ぶくれもしませんし、身体の芯を温めてくれます。厚着をする場合は、下半身に重点を置くのもおすすめです。下半身は厚着になってもスイングに大きな影響が出ることもないため、足首などを温かくしましょう。
また、動くことで身体がどんどん温まってきます。普段はカートに乗っている場面でも、歩けそうな距離であれば積極的に歩きましょう。どんどん、身体が温まって、スイングがしやすくなっていきます。
5.寒さ、着ぶくれ対策に有効なアイテム7選
冬ゴルフで重要となる寒さ、着ぶくれ対策に有効なアイテムを厳選して7つ紹介します。より快適に冬ゴルフを楽しむための参考にして下さい。
1.機能性インナー
機能性インナーは、冬ゴルフには欠かせないアイテムです。
冬ゴルフでは、伸縮性と保温性、発熱性を備えた機能性を備えた機能性インナーを着用しましょう。冬用の機能性インナーには、熱を閉じ込めてくれる保温性が高い素材が使われていたり、汗などの水蒸気を熱に変化させる「吸湿発熱素材」が使われていたりすることが多いです。そのほかにも、抗菌効果や防臭効果があるインナーも増えています。必要な機能を確認して、しっかり準備を進めてください。
2.セーター
冬ゴルフでは、長袖のポロシャツやモックネックなどを着てプレーをすることが多いですが、それでも寒いと感じる場合は、セーターの着用もおすすめです。
セーターであれば簡単に脱ぎ着しやすいため、温度調節に最適です。
3.ニット帽・イヤーウォーマー(耳当て)
頭を温かくするだけでも、冬ゴルフを快適に過ごすことができるため、ニット帽やイヤーウォーマー(耳当て)の着用もおすすめです。
寒さ対策だけでなく、スイング時の身体の動きを制限することもないため、厚手の生地でも問題ありません。
4.ネックウォーマー
首元が空いているだけでも、寒さを感じやすくなるため、ネックウォーマーの着用もおすすめです。
ネックウォーマーならスイングの邪魔になりにくいので、冬ゴルフに重宝します。
5.レッグウォーマー
スカートを着用する女性プレーヤーの寒さ対策におすすめなのが、レッグウォーマーです。
足首を温めるだけで、身体全体が温かくなっていきます。膝の下からつけるタイプや、ふくらはぎの下からつけるタイプなど、長さに種類があるため、お好みに合わせて選びましょう。
6.腹巻き(ウエストウォーマー)
ゴルフのスイングでは、いろんな部位の筋肉を用いて全身で打ちますが、特に腰回りの筋肉が十分に温まっていないとスイングに大きな影響を与えます。そのため、冬ゴルフの寒さ対策では、腹巻き(ウエストウォーマー)を着用しましょう。
筋肉が硬いままでは、腰をひねってうまくスイングができず、怪我にもつながりやすくなります。腰回りの筋肉を使ってショットをするためにも、腰回りをしっかり温めてゴルフをしましょう。
7.防寒グローブ
防寒グローブとは、保温性と防風性を重視して作られた冬用のゴルフグローブです。
通常のゴルフグローブよりも厚めの生地で作られているため、寒さが厳しい状況でゴルフを行う時には最適です。ただし、生地が厚いために使いづらさを感じることもあるため、ラウンドに行く前に練習で着用することがおすすめです。
6.スコアメイクに有効なコースの選び方
冬ゴルフでスコアメイクを考えるなら、ゴルフコース選びも重要です。ここでは、有効なコースの選び方について紹介していきます。最適なゴルフコース選びもするために、ぜひ参考にしてください。
1. 気温が穏やかな地域を選ぶ
冬は気温が低くなると、体が硬くなりやすくショットが安定しなくなったり、飛距離が落ちる原因となりスコアを崩してしまう原因となります。
そのため、できるだけ気温が穏やかな地域のゴルフ場を選ぶのがおすすめです。
例えば、
・沖縄や九州地方の温暖なゴルフ場
・太平洋沿岸の比較的暖かい地域
・海風が防げる内陸のゴルフ場
などであれば、冬でも安定的な気候でゴルフを楽しむことができます。
2. 風の影響が少ないコースを選ぶ
冬場は風が強くなることが多いため、風の影響を受けにくいコースがスコア維持に有効です。
例えば、
・木々が多く、風を防いでくれる林間コース
・丘陵地帯の風の通り道が少ないゴルフ場
などであれば、風の影響でボールが流されすぎることも少なくプレイを楽しむことができるでしょう。
3. 日当たりが良いコース
冬は日照時間が短く気温も上がりにくいため、日当たりの良い南向きのコースや、霜が降りにくい地域のゴルフ場を選ぶと快適です。
4. プレーフィーや混雑状況
冬はオフシーズンである場合が多く、料金が割安になっているゴルフ場もあります。混雑が少ないゴルフ場を選ぶと、ゆったりプレーでき、焦ることがなくスコアにも良い影響を与えます。
7.まとめ
冬のゴルフの飛距離が落ちてしまう原因や、スコアメイクのためのコツについて詳しく解説をしてきました。冬は、空気抵抗やゴルフボールが冷えることにより、夏に比べて5~20ydほど飛距離が落ちてしまいます。
冬の寒さを止めることはできないため、冬ゴルフでもスコアメイクをするためには、それに順応するための対策を行っていきましょう。そうすることで、スコアを大きく崩すことなくプレーすることができるでしょう。
また、冬ゴルフにしか味わえないメリットもたくさんあるので、冬ゴルフならではのラウンドを存分に楽しんでください。
取材・文/夢書房