飛距離も技も健在! 30代・40代の女子プロゴルファーが輝く「LADY GO CUP」が盛り上がってます【プロキャディ・おだみなが行く!】

有村智恵プロ&原江里菜プロという“同級生コンビ”が発起人となり、“女子プロゴルファーの魅力を広く届け、その活躍の場を広げる場所”として2022年に立ち上げた大会が「LADY GO CUP」。今季は4試合が行われ、先日その最終戦となる「KDDI LADY GO CUP in スターツ笠間ゴルフ倶楽部」が開催されました。

出場するのは、30歳以上45歳未満のLPGAプロテスト合格者。有村プロや原プロのように、レギュラーツアーで複数回優勝を果たしている選手も多く出場しています。レギュラーツアーとはルールが違い、そのためもあってか選手たちの雰囲気も通常のツアーとは別物です。

写真/LADY GO オフィシャルサイトより

30代を迎え、人生の転換期を過ごしているとも言える選手たち。今回は、大会のルールや独自の取り組みとともに、選手たちが現役のアスリートとして魅せる「LADY GO CUP」の魅力をお伝えします

◆ファンも選手も楽しめるペアマッチを採用し、ゴルフの新たな楽しみ方を追求

本大会は、解説やラウンドリポートを選手自身が担当する点が特徴のひとつ。「KDDI LADY GO CUP in スターツ笠間ゴルフ倶楽部」では、有村プロがリポーターを務め、大会の様子を臨場感たっぷりに伝えていました。スタートホールはライブ配信も行われ、試合前の選手たちの緊張感が漂う中にも楽しげな会話や表情が映し出され、ファンにとっては見逃せないポイントとなっています。

撮影/おだみな

ルールは大会によって異なるものの、基本はペアマッチ(2名1組)による18ホール変則ストロークプレー。個人によるストロークプレーではなく、ペアマッチとした理由については「プレーする選手側も含めてゴルフの新たな楽しさを追及する」ため。「KDDI LADY GO CUP in スターツ笠間ゴルフ倶楽部」では、前半9ホール がスクランブル方式(採用したボールの位置からチーム全員で打つのを繰り返す方式)、後半9ホールはオルタネート方式(1つのボールを順番に打っていく方式)が採用されました。

マネジメントを相談しあったり、お互いのショットに声を掛け合う様子や、ペアでコーディネートされたウェアなど、本大会にはペアマッチならではの見どころが盛りだくさん。選手たちの会話や表情も普段のツアーとは違い、“推し”の選手の新たな1面を垣間見ることができるはずです。

撮影/おだみな

大会に参加した服部真夕プロは「お互いにカバーしあってプレーできました。状況によってどんなことを考えているのか勉強になります」と、ペアマッチによっておおいに刺激を受けた様子。原江里菜プロは、以前の大会でイ・チヒプロとペアを組んだときのエピソードを披露し「他の選手の考えを聞くことで視野が広がります」と笑顔で語ってくれました。

◆ママでありプロゴルファー。そんな選手たちが活躍できる環境づくり

発起人の有村プロ自身は現在、生後8か月となる双子のママ。有村プロのほかにも、「LADY GO CUP」には育児中の選手が出場しています。本大会ではママゴルファーが安心して競技に打ち込めるよう、ゴルフ場託児「ママゴル」を関東を中心に展開する「Child Base 株式会社」と提携してクラブハウス内にキッズルームを設置しました。

初めて託児を利用するというママゴルファーの心配もよそに、子どもたちはのびのびと過ごしており、子どもを預けていない選手たちもその様子を眺めてほっこり。お昼寝ができる場所も確保され、子どもにとっても快適な環境が用意されていました。

有村プロは、「ゴルフは朝が早いので、子どもを預けられる場所が限られています。託児所があることで、ハーフターン時に様子を見に行けるのが助かります」と、この取り組みの重要性を説明しました。また、「LADY GO CUP」が1日競技である理由について、「子育て中のプロも参戦しやすいように」と語ってくれました。結婚や出産など、ライフステージの変化を迎える世代の女子プロたちが安心して参加できる環境が整っていることが、LADY GO CUPが支持される理由のひとつと言えるでしょう。

撮影/おだみな

30代の女子プロゴルファーと言えば、“藍ちゃんフィーバー”から始まった女子ゴルフ隆盛期を支え、今の女子プロゴルフ人気へと繋げた世代。「LADY GO CUP」は、大人の女性になった彼女達の新たな魅力を引き出していました。飛距離も技も、まだまだ健在! 「LADY GO」の“これから”に、今後も注目していきたいと思います。

撮影/おだみな

◆おだみなプロフィール

おだみな/元プロキャディ。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍プロのデビュー年からアメリカ本格参戦までの専属キャディとして転戦。現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。学生時代に家族の影響でゴルフを始め、ゴルフ歴だけは長いがスコアはイマイチ。

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