「え、もう出たの!?」が勲章です【ゴルフ女子の“速”風呂選手権】

全方位隙ナシのステキ女子なのにプレー後の入浴時間はデラ速く仕上がりも完璧……って最強かという話ですが、知ってます? 彼女たちは計算し尽くした凄テクを駆使してひとっ風呂に臨んでいることを。「お待たせしません」というおもてなしの心とアスリート魂に溢れていることを。というわけで、速風呂自慢の3人が集まり、ゴルフ後の入浴の速さと質を競う選手権を開催する運びとなりました。結果やいかに!

速風呂自慢の猛者たちが集結!

◆速風呂選手権の参加者たち

ゴルフプレー後の入浴時間は、状況や相手によって大きく変わるもの。のんびり入れる時もあれば、急いで上がらなくてはいけない時もあり、たとえゴルフ場のお風呂場が立派でも、そこは日帰り温泉などとは決定的に違う点です。

そもそも長風呂の人もからすの行水タイプの人もいるわけですが、入念な準備とスムーズな動きで速風呂の技術を体得したゴルファーがいます。それが、以下の3人です。

エントリーNo1
ゴルフコーチ“りたまる”さん(JLPGAティーチングプロフェッショナルA級レッスンプロ)
「コーチという職業上、レッスン後のお見送りやミーティングにできるだけ早く参加したくて、速風呂に努めています」

エントリーNo2
草合未来さん(美容関係)
「髪を洗わない場合は、だいたい10分で出られます。そのうち、メイク直しは3分です」

エントリーNo3
飯島千恵子さん(会社員)
「名門コースなどではお風呂タイムも楽しみたいので、速風呂はホームコースで実践しています」

速風呂選手権のルール

ここで、本選手権のルールを紹介します。公平を期すため洗髪、洗顔も含めたフルコースで実施。ゴルフ女子の裏ワザ「首から上はノータッチ」は禁止とします。

【ルール】

一. 髪を洗うこと
二. 顔を洗うこと
三. 湯船に1回はつかること
四. 髪を乾かすこと
五. 親族以外の人の車に乗って帰ると想定し、失礼のない装い(顔)で出ること
六. マナーを守ること
七. 便利グッズの利用は可

【禁止行為】

✕ ドライシャンプーの使用
✕ 顔を洗わず、メイク直しシートなどで顔を整える
✕ 香水などをふりかけてごまかす
✕ 髪を乾かさず、びっちゃびちゃ
✕ 人の迷惑になる行為

◆まずは速風呂ギアをチェック

速風呂選手権に参加する猛者ならぬステキ女子3人は装い華やかで、控えめだけれどお化粧もばっちり。どちらかというと長風呂タイプに見えます、という発言はコンプラ的にてアレかもしれませんが、正直本当に速風呂なの? という疑念が。熱戦の火ぶたが切られる前に、御三方のバッグの中身をチェックします。一体どんな秘密のギアが出てくるのでしょうか。

◆りたまるさんのバッグの中身

写真左上から時計回りに各種洗濯ネットに入れた着替え、キャップとめがね、ビタミンC入りクレンジングフォーム、ビタミンC入り乳液、全身洗浄料(Creams Cream/Geletia)、シャンプーブラシ、ドライヤー、ヘアアイロン、ヘアアクセサリー

りたまるさんはゴルフコーチという職業柄、自走でゴルフ場まで行くためバッグは大きめ、荷物も若干多め。でも、キッチリ整理されています。まず気になるのは、ドライヤーです。そうきたか。

「ゴルフ場によっては“そよ風?”みたいなドライヤーを置いているところがあるので、持ち込んで良いコースには持参します」(りたまるさん・以下同)

確かに、早く髪を乾かしたいのにドライヤーの風に頬を撫でられたのでは、椅子からズッコケたくなります。

ミニボトルではなく、レギュラーサイズのスキンケア用品にも注目です。

「プレー後は汗を流して日焼け止めもちゃんと落としたいので、大容量のビタミンC入りクレンジングフォームで顔から体まで洗っちゃいます。髪は、保湿効果が高く泡立たない全身洗浄料『Creams Cream』でシャンプー兼トリートメント。入浴後は、大容量のビタミンC入り乳液でクールダウン、及び保湿をします」

帽子やめがね、ヘアアクセサリーにも速風呂の秘訣が。

「カチューシャは、入浴後のモワッとした髪の毛を抑える際に重宝します。ラウンドレッスンのあと、同じ生徒さんとさらにインドアゴルフへレッスンに行くことがあるので、ゴルフの前後で髪型がかぶらないようにしているんです。そんな時も、カチューシャをすると印象が変わるので便利です。自分のメンタル的にも、上がりますからね」

めがねは伊達メガネで、こちらもイメチェン用で、「メイクが多少雑でも、バレにくいですから」とのこと。これはずるい、でも、賢者のテク。本選手権での活躍も大いに期待できそうです。

◆草合未来さんのバッグの中身

写真左上から時計回りにメイクポーチ、スキンケア&ヘアブラシなどヘアケアグッズ入りのフック付きトラベルポーチ、メイク用品、ヘアアイロン、ドライヤー、ヘアドライタオル、ブラ付きロングキャミソール

草合さんもドライヤー持参派で、大きめのヘアブラシ、ヘアドライタオルも標準装備。濡れたロン毛を制する者が速風呂を制すと言いますから(当社比)、ぬかりなく備えているのがわかります。

ブラ付きロングキャミは下着かと思いきや、これも速風呂ギアのひとつ。

「湯上がりはすぐ服を着たくないけれど、下着姿でウロウロしたくないので、汗が引くまでこれを“ユニクロエアリズムのロングキャミ”を着て、髪を乾かしたりしています。快適ですよ」(草合さん・以下同)

草合さんのお仕事は美容関係なのですが、メイクにかかる時間は洗顔ナシの場合は3分、洗顔アリの場合は5分。その秘訣は眉のアートメイクとマツエクにあるようですが、それにしてもという話。どんな戦いぶりを見せてくれるのか、楽しみです。

◆飯島千恵子さんのバッグの中身

写真左上から時計回りにヘアドライタオル、スキンケア用のポーチ、1回分のスキンケア&ヘアケア用品、メイク用品

飯島さんの荷物はとにかくコンパクト。だって、これで全部ですよ。ゴルフではなくオフィスに行くような大きさ、ともすると、荷物多めの人のカートバッグのようなサイズのバッグ内には、1回分の化粧水やヘアオイル、ミニサイズのワセリンなどが入っており、荷物のスリム化、軽量化を極めています。

「荷物が重いのが苦手なので、できるだけ少なくしたいんです。この大きさだとクラブバスに乗っていく時も便利です」(飯島さん・以下同)

速風呂選手権は洗髪がルールなので今回はヘアドライタオルを持参してくれましたが、「急いでいる時は、前髪だけ直せば何とかなるかな、と。前髪だけシャンプーして、ドライヤーで乾かして整えます。後ろ髪はポニーテールなどにして、ラウンド中と髪型を変えてまとめるようにしています」と飯島さん。

お風呂場が空いている時は、ドライヤー2本使いという秘技も用いるとか。ミニマルで効率的なテクニックは、強力な武器となりそうです。


◆速風呂選手権ついにスタート!

3人の選手は各々のお風呂セットを手にスタートライン(ロッカールーム)に立ち、よーいドン。ついに速風呂選手権が始まりました。

それぞれのギアや流儀を駆使し、淀みない動きで着々と各工程をこなしていきます。しかし、選手間で世間話あり笑い声あり、和気あいあいムード。裸の付き合いというのはコミュ力も試されますから、御三方はそのあたり、ちゃんとわきまえているんですね。さすがは速風呂アスリート。スポーツマンシップを忘れていません。

マイドライヤーや二刀流ドライヤーによるぶおおおおという音が鳴り止むと、ゴールライン(ロッカールーム入口)にピリッとした緊張が走ります。もう出てくるのかなと。

まだ16分しか経ってないんですけどね

◆果たして、勝者は!?

afterのゴルフ女子3名

じゃーん。左から、1位の飯島さん21分13秒、2位のりたまるさん21分57秒、3位の草合さん22分04秒でゴール!

大切なことなのでもう一度言いますが、この選手権は洗髪あり、洗顔ありのフルコースで実施しました。にもかかわらず、20分ちょいでこの隙のない仕上がり。エレガント女子3人揃い踏みです。

1位の飯島さんは、なんと逆転優勝でした。

「お二人は体を洗って湯船に入るまでがすごい速くて、私が湯船につかる頃にはもう上がっていたのでビックリでした。でも、そのあとどこかで挽回できたんですね。ドライヤー2個使いの時かな」(飯島さん)

りたまるさんと草合さんは、「飯島さんはのんびりした雰囲気で遠くからしゃべったりしているのに、黙々と手を動かしている感じでした」と勝因を分析します。決して陽動作戦ではなく、無駄のない的確な立ち回りが体に刻み込まれているのでしょう。まさに職人技です。

2位はりたまるさん。
「みんなお風呂が速いことがわかっているので、お互いテキパキして一丸となれたのが楽しかったです。でも、ちゃんとコミュニケーションを取りつつ、リアルな感じで選手権に臨めたと思います」

3位は草合さん。ロングヘアはやっぱりハンデになったようで、且つ、「今日は普段使っているトリートメントを忘れたので髪の感じが違い、乾かすのにいつも以上の時間がかかっちゃいました」と振り返りました。

とはいえ、トップとの差は約1分。十分驚異的な速風呂です。1時間あったら3回戦いけるってことです。

3選手に共通しているのが、ワンピース着用であること。サッと着れるのに手抜き感がなくドレッシーな印象を与えるため、ゴルフ女子のお助けアイテムと言えるでしょう。素材を選べば、シワの心配も要りません。

ただし、落とし穴はあるようで、「今日のワンピースは前がボタンなので、チャックのほうがいいなと思いました」と草合さん。確かに、急いでいる時にチマチマ作業は骨が折れますし、かけ違うとお茶目なドジっ子認定。注意しましょう。

◆メイク問題はどうしてる?

入浴時、ゴルフ女子の頭を悩ますのがメイク問題。特に秋から冬にかけては顔は洗わずノータッチという人も多いと思いますが、一体どこまでどうやって直せばいいのやら。3人はどうしているのでしょう。

「ティッシュで汗を押さえたあとにパウダーなどでちょっと整えるくらいですね。朝はちゃんとメイクしていくので、アイシャドウなどはいじりません」(飯島さん)

「私はコットンに化粧水をつけてひたすらパッティング。顔を洗わなくても、結構スッキリします。その後は、UV入りのお粉で仕上げます。メイクはこすらない限り、そんなに落ちませんから」(りたまるさん)

「これは車の運転手や同乗者を選ぶのですが、お風呂のあとはすっぴんの上にサングラスとか伊達めがねをかけて、車の中でフェイスパックしたり、お化粧したりします」(草合さん)

なんとまさかの反則技が飛び出しましたが、実はそれが最強というパターン。覚えておいて損はないでしょう。パックしながら寝られたら、なお良さそうです。

そして、仮に1箇所しかメイクを直せないとしたら、皆さんどうしますかという質問には……?

「唇の血色があるかないかが大事だと思うので、リップ」りたまるさん)

「下地ですね、UVケア」(草合さん)

「私は眉です」(飯島さん)

特に薄眉の人は、眉毛を死守したいもの。眉のアートメイクとマツエクはゴルフ女子の救世主という格言も飛び出しました。ラウンド回数が多い人は、考えてみてもいいかもしれません。

◆速風呂選手権を終えて

入浴時間が際どくても、決して美しさと肌やヘアのケアを忘れぬ3人。上手にやりくりしつつ、スピードとクオリティーを追求していることがよくわかりました。

しかし、このパフォーマンスは、あくまでも速風呂を極めた3選手だから発揮できるものと心得ておきましょう。

「私たちがMAXマッハでお風呂に入って20分ちょいなので、お風呂時間は通常、最低でも30分は必要です。理想としては45分ほしいですね。」(りたまるさん)

お互いにそうした配慮をすることも、紳士淑女の嗜み。プレー後のお風呂タイムが楽しい時間になると、ラウンドがもっと面白くなるはずです。

取材・文/相田英子 撮影協力/赤羽ゴルフ倶楽部

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