いつでもゴルフをしたい!ライフステージ別の楽しみ方は?【産後・妊活・生理・更年期のゴルフQ&A】

女性は生理、妊活、妊娠、出産、子育て、更年期など、年齢やラフステージによって生活環境や心身の変化が大きく、大好きなゴルフを我慢しなければならないこともあると思います。そこで「こすぎレディースクリニック」の椎名先生に、女性特有の体調とゴルフとの付き合い方についてお話を伺いました。今回は「産後のゴルフ再開」と「様々なライフステージとゴルフ」をお届けします。

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◆産後のゴルフ再開の目安とポイント

― 出産後にオススメのゴルフ練習を教えてください

体力が戻るまで、ウォーキングや軽いストレッチから始め、徐々に筋力トレーニングやスイングの基本動作を取り入れましょう。特に、体幹トレーニングや骨盤ケアを行うことで、スイングの安定性とバランスが向上するので、パフォーマンスの向上が期待できます。

― 母乳育児中にゴルフで気をつけることはありますか?

母乳育児中は脱水になりやすいため、こまめな水分補給に気をつけましょう。ラウンドは体力を消耗するため、栄養補給にも気を配り、疲れすぎないように注意することが必要です。

― 腰痛や関節痛など、ゴルフに及ぼす影響はありますか?

出産後は、骨盤や腰回りの筋肉が緩んでいることが多く、腰痛や関節痛が起こりやすい状態です。ゴルフを再開する前に、ストレッチやマッサージで筋肉をほぐし、徐々に体を慣らすことが重要です。最初から無理をせず、負担の少ないスイングを心掛けましょう。

◆不妊治療・妊活とゴルフ

― 妊活中にゴルフをする際、運動量やストレス管理で注意点はありますか?

妊活中は、運動量は適度に保ち、過度な負荷をかけないことが重要です。ゴルフのような有酸素運動は血行を促進し、ホルモンバランスを整えるにも役立ち、妊娠しやすい身体を作るためには有効です。身体を動かすことはストレス解消にも効果的なので、リラックスして体調に合わせたラウンドを心掛けましょう。

― 不妊治療中のゴルフは身体的・精神的にどう影響しますか?

適度な運動は、精神的にリフレッシュでき、ストレス解消にも役立ちます。体調が良いときには、積極的に楽しむことでメンタル面でもプラスになります。
ただ、気温や湿度の高い日は身体に負担をかけるため、速乾性のウエアを選び、適度な水分を取りながらプレーしましょう。また、妊活中は「冷え」にも注意が必要です。寒い季節には、暖かいウェアやカイロなどを活用して、体を温めるようにしましょう。特に、骨盤周りを温めると血行が促進されるのでオススメです。

― 妊活中は、運動量が多めと軽めではどちらが良い影響を与えるでしょうか?

妊活中は、過度な運動は避け、軽めの練習が推奨されます。パターやアプローチ練習のような負担が少ない練習が身体に優しく、良い影響を与えます。ゴルフを楽しむことで、精神的にリフレッシュでき、妊活のストレス軽減に繋がります。ゴルフに限らず趣味を持つことで、気分転換することは非常に大切です。

◆生理(月経)とゴルフ

― 生理中にラウンドする際、注意すべき身体的リスクを教えてください

生理中は疲れやすく、体調が不安定なことがあります。特に、過度な負荷をかけないようにし、こまめに休憩を取りながらプレーすることが大切です。また、生理痛が強い場合、軽いストレッチや腰回りをほぐすエクササイズが効果的です。お腹や腰に温湿布やカイロをあてて、血行を良くする方法も有効です。

― 月経周期が、ゴルフのプレーに与える影響について教えてください。

月経周期に伴うホルモンバランスの変化は、集中力や筋力に影響を与えることがあります。特に、生理前は身体のむくみや集中力の低下が見られ、プレーに影響を与えることがあります。生理中のエネルギー不足や貧血を防ぐためには、鉄分やビタミンB群、タンパク質を含む食事を心掛けましょう。サプリなどで補給しても良いでしょう。また、軽い運動やストレッチで、血行を促進することも有効です。

― フェムテック製品(吸水ショーツ、カップなど)の注意点を教えてください。

吸水ショーツや月経カップは、ゴルフ中にも便利なアイテムです。メリットは長時間のプレー中でも安心して過ごせる点ですが、注意点としては、使用後は清潔に保つことが重要です。

― 運動が月経周期の安定や痛み軽減に与える効果はありますか?

運動は血行を促進し、ホルモンバランスを整えるため、月経周期の安定や生理痛の軽減に有効です。ゴルフ以外でも、積極的に身体を動かすようにしてください。特に有酸素運動が効果的です。

◆更年期とゴルフ

― 更年期の女性が、ゴルフをする際に気をつけるポイントは?

更年期には、ホルモンバランスの変化に伴い、骨密度の低下や筋力の衰えが進行しやすくなります。これにより、骨折や筋肉の損傷のリスクが高まるため、ゴルフをするためにも、体力や筋力を維持するためのトレーニングを行うことが大切です。特に、柔軟性を高めるストレッチや、軽い筋力トレーニングを取り入れることが推奨されます。

― ホルモンバランスの変化がゴルフに与える影響を教えてください。

ホルモンバランスの変化、特にエストロゲンの減少は、集中力や体力に影響を与えることがあります。これは、精神的な疲労感や集中力の低下、または身体的な疲れや筋肉のこわばりとして現れることがあります。そのため、ゴルフのプレー中に長時間の集中が難しくなったり、体力が持続しにくくなったりすることがあります。これらの影響を最小限に抑えるためには、自分の体調に合わせて運動量や練習内容を調整し、休憩を適切に取りながらプレーを行うことが重要です。

― 更年期の女性にオススメのゴルフ練習やトレーニングはありますか?

柔軟性やバランスを重視した練習が特に効果的です。オススメする練習は以下の通りです。

• ストレッチ:全身を柔軟に保ち、筋肉や関節のこわばりを防ぎます。特に肩や腰回り、太ももを中心にストレッチを行うことが効果的です。
• 軽い筋力トレーニング:下半身や体幹を中心に筋力を強化することが、ゴルフにおける安定性を高めます。例えば、スクワットやプランクなどを取り入れることをオススメします。
• バランス練習:片足立ちやバランスボールを使った練習を行うことで、ゴルフのスイング中に必要な体幹の安定性が養われます。
これらを日常的に取り入れることで、ゴルフのパフォーマンス向上だけでなく、日常生活における体力や健康維持にも役立ちます。

― ゴルフプレー時に適した服装や小物を教えてください。

更年期中は、体温調節が難しくなることがあるため、軽くて通気性の良い服を選び、汗をかいた後も快適に過ごせるよう工夫しましょう。また、UV対策として日焼け止めや帽子も重要です。ゴルフプレー時は、以下の点を考慮した服装を選ぶことが大切です。

• レイヤードスタイル:気温や体温に応じて調整できる、重ね着の服装がオススメです。状況に応じて薄手のジャケットやベストを脱ぎ着することで、柔軟に調整できます。
• 通気性の良い素材:吸湿速乾性のある素材を選ぶことで、汗をかいても快適に過ごすことができます。夏場は涼しく、冬場は暖かい素材を選ぶことが重要です。
• UV対策:更年期には肌のトラブルが増えることもあるため、UV対策が必要です。日焼け止めの使用はもちろん、帽子やUVカットの長袖シャツを取り入れると良いでしょう。
• 保温アイテム:朝晩の冷え込みに備え、カイロやウィンドブレーカーなどで保温性を確保することが大切です。

これらの工夫を取り入れることで、ライフステージに関係なく、ゴルフを快適に楽しみましょう。

お話を伺った先生/こすぎレディースクリニック 院長 椎名邦彦先生
日本産婦人科学会、産婦人科専門医。聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学病院で産婦人科医局長を勤める。不妊治療から美容皮膚科まで幅広く学び、現在はこすぎレディースクリニックの院長として幅広い女性の悩みに対応。

取材・文/中野紗瑛 取材協力/こすぎレディースクリニック 川崎市中原区小杉町3-1501-1 セントア武蔵小杉A棟3F

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