地元・広島では行列のできるレッスンプロとして、アマチュアゴルファーのカリスマ的存在である木原睦美プロ。その分かりやすいレッスンは、Regina読者にも大人気です。今回から4回は飛距離アップと方向性アップに役立つトレーニングを紹介します。
まずは「腹筋を鍛えるトレーニング」を説明しましょう。
◆反り腰になるとパワーを逃しやすい
男性よりも女性に多く見られるのが反り腰の方です。姿勢を正して座るときに腰の上あたりが反り返る姿勢ですが、アドレスしたときにも同じ姿勢になりがちです。一見、姿勢がよさそうに見えますが、股関節を使っていないので、腰痛の原因にもなりがちです。そこで、今回は反り腰を防ぎつつ、スイングに大切な腹筋を鍛えるドリルを紹介します。
まず、床の上に仰向けになりましょう。このとき、反り腰になる人は腰の上あたりが床から浮いてしまいます。それをチェックするために、両手を床と腰の間に入れてみます。もしも手が入るぐらいのスペースが空いているなら、体を床に着け、そのスペースをふさいでください。
また、アゴが上を向かないように、しっかりと引いた状態をつくりましょう。さらに、両足が開かないようにカカトをそろえたらトレーニングの準備完了です。
反動をつけずに、両足を伸ばしたまま地面からカカトを1センチ浮かせて3秒止まります。さらに1センチ上げて3秒停止、これを5回繰り返します。5センチまで上がったら、今度は1センチずつ両足を下ろしていきます。1センチ下げて3秒停止という感じです。
注意点は太モモに力を入れて足を上げないこと。あくまでも腹筋の力で足全体を上げてください。
反り腰の人は両手が体の下に入るスペースができるので、それをチェックします
両手が入ってしまったときは、体を下ろして体と床で手を挟みましょう
アゴが上を向くのはNGです
1センチ上げては3秒止まる要領で5センチまで上げましょう。余裕がある人はもっと高く上げても構いません。上げたら、1センチごとに3秒静止しながら下ろしていきます
◆くるぶしで靴ベラを挟んで持ち上げるドリル
腹筋ではなく、太モモの力で両足を上げてしまう人は、左右のくるぶしの間に靴ベラを挟んでこのトレーニングを行いましょう。靴ベラを落とさずに行うには、腹筋を使うしかありません。どうしても靴ベラが落ちてしまう人はお尻の間にボールを挟んでみましょう。自然と腹筋に力が入るようになります。
くるぶしで挟めず靴ベラが落ちてしまったら、一度、ツマ先寄りで靴ベラを挟んでみてください。ツマ先は日常生活でよく使うので簡単に挟めるはずですが、実はそれでは有効なトレーニングにはなりません。
このドリルで大切なのは、どの筋肉をどのように使うかということ。靴ベラを挟むという同じ動作をしていても、くるぶしで靴ベラを挟んだときと、ツマ先で挟んだときとでは、使う筋肉が違うということを感じられるはずです。
反り腰の姿勢を防止し、腹筋を鍛えることはゴルフスイングにもいい影響を与えます。ダウンスイングでは骨盤をスムーズに回せるようになるからです。さらに体幹を使ったスイングになるので、フィニッシュではキュッと体が引き締まったフォルムのフィニッシュをつくることができます。
ゴルフでのケガを防ぎつつ、きれいなスイングをするためにも、腹筋のトレーニングを続けることをお勧めします。
両足のくるぶしの間に靴ベラを挟んだまま腹筋運動を行います。靴ベラを落とさずに行うのがポイントです
これはNG! ツマ先寄りで挟むのは実は簡単。くるぶしで挟むことによって腹筋が鍛えられます
◆教えてくれたのは…
木原睦美/広島県を拠点に全国を飛び回る人気のティーチングプロ。生徒からは「むっちゃん」の愛称で親しまれ、多くのゴルファーをオンライン・オフラインで指導している。
YouTube「木原睦美のHappyゴルフ」で、独自のゴルフ理論を展開中。公式LINEアカウントも開設!
撮影/福田文平 取材・文/山西英希 撮影協力/アコーディア・ガーデン東京ベイ、ユピテル ゴルフスイングトレーナー(GST-7 BLE)