こんにちは。佐伯三貴です。紅葉が美しい季節になりましたね。自然を肌で感じられるのもゴルフの魅力。ぜひ、秋を満喫してください。ただ、暦の上ではもう冬。どんどん、日没が早くなってきています。同じ日にコースにいる皆さんが、無事、ホールアウトできるように、プレーのペースには気を付けてながら楽しんでくださいね。
◆クラブの選び方、合っていますか?一番大切なのは……
さて、今日は、クラブのバランスの話を中心にお話ししたいと思います。アマチュアのみなさんの中には、まったくご自分に合っていないスペックのクラブを使っている方がたくさんいらっしゃいます。それが気になっているからです。
実は、クラブのバランスに無頓着なのはアベレージゴルファーのみなさんに限ったことではありません。競技ゴルフをしているトップレベルのアマチュアや、プロでさえ、あまり試合に出ていない人は意外にその辺りを気にしていなくて、驚かされることがあります。
今、使っているクラブを買うとき、どんなふうに選んだか覚えていますか?「〇〇のクラブが欲しい」「△△プロが使っている□□のクラブだから大丈夫」……こんな風に、メーカーの名前だけで“ジャケ買い”をしている方が、多いのではないでしょうか。メーカーさんがプロと契約している甲斐があるほどの広告効果ではあるのですが、みなさんのゴルフがよくなるためには、もう少し考えたほうがいいと思います。
ボールを前に飛ばして、最後にはカップに入れることでスコアを数えるゴルフで、ボールと唯一コンタクトするのがクラブであることを改めて意識してください。クラブ選びがとても重要だということをわかっていただけたでしょうか。クラブを選ぶプロセスの中でも、一番大事にして欲しいのがバランスなのです。
バランスは、スイングウエイトという言い方をすることでもわかる通り、クラブ全体の重さに対してヘッドがどれくらいの割合を示すか、を表したものです。ヘッドがどれくらい効いているかを示す、と言ってもいいでしょう。振り心地、と言えばもっとわかりやすいでしょうか。
アルファベットと数字の組み合わせで表します。アルファベットで一番軽いのがA。一番重いのがF。それぞれの文字の中をさらに細かく0→9で示します。一番軽いのがA0で、一番重いのがF9というわけです。一番ヘッドが効くのはF9のクラブ、ということになります。
長さと重さが同じクラブでも、バランスが違えば、振り心地はまったく違います。ヘッドスピードやスイングテンポによって、それぞれに合うバランスがあります。これを見つけて使うことこそ、上達への近道です。うまくなりたければ、自分に合ったバランスのクラブを使うことです。イマドキはゴルフショップで簡単に計測してもらえますから、まずは自分のクラブ持って測ってもらいましょう。
一般的なアベレージゴルファーならD0~D2程度が適正なバランスとされています。女性やジュニアのように非力なゴルファーなら、クラブそのものは軽めで、バランスも軽めのC5~C8くらいを選ぶのがいいでしょう。ヘッドに“仕事をしてもらう”というわけです。
◆14本のクラブのバランスを考えよう
では、14本のクラブのバランスはどうしたらいいでしょうか。全体で言えば、ドライバーは軽めにして、アイアンはやや重めにすることをお勧めします。気を付けるのは、アイアンのバランスは、みなほぼ同じにすることです。番手によって、ヘッドの効き方が違うようでは、流れのいいプレーはできないからです。
これを読んだら、まずはショップに行ってみましょう。クラフトマンの人がいる練習場やゴルフ場なら、もっと手軽に見てもらえます。苦手なクラブが1本だけある、というような場合、それだけバランスが違っていることもあります。逆に1本だけ、特に得意なアイアンがあれば、やはりバランスがそれだけ違っているけれども、それが自分に合っているということもあるかもしれません。
バランスの調整は、ヘッドに鉛を張ることでもできるのですが、慣れないとうまくいかないと思うので、クラフトマンや先輩ゴルファーにアドバイスをもらってください。
ちなみに私は、全部D1~D1.5の間に収まるバランスのクラブを使っています。ツアーでプレーしているプロは、程度の違いはありますが、みんなクラブのバランスには敏感です。大事な場面で、クラブが思うような仕事をしてくれないのでは困るからです。
ゴルフを楽しむアマチュアのみなさんの場合でも、やはり自分に合ったバランスのクラブで楽にいいショットが打てた方がいいに決まっています。これを機会にぜひ、測定してバランスについて考えてみてください。
取材・文/小川淳子