ボールにこだわらないプロがいないように、ボールがスコアに与える影響は、かなり大きいもの。なのに、「クラブはちゃんと選ぶけど、正直、ボールにはあまりこだわりがない」「そもそも、ボールの違いがわからない」……そんな女性が多いのが現実。
それじゃ、あまりにももったいない! ってことで、種類や選び方など、ボールについて、プロにいろいろ聞いてみました!
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◆ボールのつぶれ具合が、飛距離に関係あり!
ボールの合う、合わないがスコアに影響する理由を、これから数回に分けお教えします!
こんにちは、吉本舞です。ボールについて、「性能はわからないけど、好きな色で選んでいる」という女性は少なくないでしょう。
では何が違うのか。
まず、飛距離に影響するのがインパクトでのつぶれ具合です。じつはボールによって硬さは違っていて、その硬さと自分のヘッドスピードが合っていることが大切です。
なぜかというと、ボールのもつポテンシャルを引き出すためには、フルショットしたときに、ボールの3分の1くらいつぶれるのが理想といわれているからです。
じつは、ボールの飛びを左右するのは、打ち出されるときの「ボールの速度」「打ち出される角度」「スピン量 (ボールが回転する数) 」の、3つの要素といわれていて、この3つの要素が理想に近づくと、すごく飛ぶというわけ。
でも、ヘッドスピードが低い、つまりパワーが弱い人が硬いボールを打つと、ボールは十分につぶれてくれません。手がしびれるくらい硬く感じるボールは、つぶれてくれていない証拠です。
反対に、パワーのある人が軟らかいボールを打つと、つぶれすぎてしまいます。
どちらのケースも“飛びの3つの要素”の条件が整わず、最大距離より飛ばなくなってしまいます。(飛びの3つの要素については、次回以降また詳しく説明します!)
ボールの軟らかさ、自分のヘッドスピードに合っているかどうかは、使っているボールのパッケージの裏や、商品のホームページで確認することができるでしょう。
適正ヘッドスピードと、硬めか軟らかめなどのフィーリングが書いてあります。
とはいえ、アマチュア女性の平均ヘッドスピードは33m/秒といわれているので、軟らかいボールがおすすめです。
また、同じ軟らかめでもメーカーによって差があるので、できればいろいろ試してみて、フィーリングの合うボールを探してみましょう。
ボールの硬さの違いは、ドライバーなどの長いクラブで打つより、パターで打つと分かりやすいです
クラブはショットごとに違う番手を使うけれど、ボールはホールアウトするまで、ずっと使うもの。だからボールはとても大事なのです。ボールを知ることでゴルフの世界はもっと広がります。そして、自分に合うボールが見つかればゴルフはもっと楽しくなりますよ。
次回は、ボールには、大きく分けて、“飛距離重視のディスタンスタイプ”と“アプローチなどでの止まりやすさを重視したスピンタイプ”の、ふたつのタイプがあることについてお話しします。
◆教えてくれたのは…
吉本舞さん/USLPGAティーチングプロ。1990年生まれ。佐賀県出身。ツアープロコーチ、森守洋氏主宰の「東京ゴルフスタジオ」(東京都三鷹市)にて、レッスン中。細かくていねいな指導に定評がある。
撮影/福田文平 取材・文/たかはしよし子