「がんばって振っても飛ばない」「いつまでたってもうまくならない」。その理由は、シャフトが合っていないからかも!? 事実、ゴルフがうまい女子の間では、シャフトにこだわる人が増えているとか……。
そこで「Regina」では、女性にとってのシャフトに注目! 素朴な疑問を、プロに分かりやすく解説してもらいます。
「シャフトのことなんて、考えたことない」「なんだか難しそう」とスルーしていたゴルフ女子のみなさん。シャフトを知れば、あなたのゴルフがワンランクアップするはず!
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【第8回】 男性が使っているカッコいいウェッジを使ってもいい?
A)重いクラブは難しくなるだけ。セットの物かレディス用シャフト以外は使わない方が得策ですよ
男性が使っている“スピンがかかってキュキュッと止まる”ウェッジ。
短いし、女性でも振れそう、と思うかもしれませんが、じつはスピンがかかるかかからないかは、フェースの溝がきれいかきれいじゃないかという問題だけ。つまり、新品の方がかかるというわけです。
ハッキリ言って、男性が使っているウェッジは、女性には重すぎます。
重いとうまく振れず、芯に当たりません。しかも、ヘッドも小ぶりで芯も小さく難しい。結果、飛ばないから寄らないし、ましてやバンカーなんて、砂に負けて脱出は困難です。
もう少し詳しく説明すると、重いヘッドは中を空洞にできないため、重心が上になります。重心が上にあると、ボールの上から打ち込まないと、芯に当たりません。
たとえば、ヘッドの下に鉛を貼るなどすれば重心は下がり、ボールを普通に打つことはできますが、鉛の分、余計に重くなります。
ヘッドが重いと重心が低くなりやさくしなる→重すぎて振れない
ヘッドが小さければ軽くなる→芯が小さくなり重心も高く、さらに難しくなる
「ベンチプレスで70kg上げられます」というくらい力がある人ならなら別ですが(笑)、残念ながらいわゆる男性が使っているウェッジを女性が使うべきではありません。
「スチールシャフトをカーボンにリシャフトしてもダメ?」と言いたくなるかもしれませんが、やはりヘッドのバランスが変わらないので、おすすめはできません。
結論としては、セットについているウェッジがおすすめ。
もしも別売りのウェッジを選ぶなら、きちんと「女性用」とうたっている専用のクラブにしてください。どちらもシャフトは軽くやわらかく、女性の力でもやさしく打てる設計になっているはずですからね。
重い男性用のウェッジは、女性の力ではきちんと振ることができず、ダフりがち。結果、飛ばず、寄らず。ミスばかり出がちに
セット物のウェッジは、ヘッドの大きさや重さ、重心位置、シャフト重量など、女性向けに設計してあるのでやさしく打てる。スコアアップを望むならこれが正解
◆教えてくれたのは 林佳世子プロ
JPLAドラコンプロ。ドライバー最高飛距離299ヤード。ベストスコア65。数々のドラコン選手権で優勝。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)にて、飛距離アップをはじめ、スコアアップのためのレッスンを指導するほか、テレビ、雑誌などで活躍中。Instaglamはコチラ!→(@kayoko00)
◆監修 浦大輔プロ
身長170cm。ドライバー最高飛距離420ヤード。ジュニア時代、数々の試合で優勝経験をもち、東北福祉大学に特待生として入学し、ゴルフ部に入部。現在は、物理学、スポーツ力学、ゴルフクラブのメカニズム、体の構造を研究した、独自のゴルフ理論で、多くのゴルファーのスキルアップをサポート。東京・赤坂の「✓d Golf Academy」(route-d.com)ヘッドコーチ。YouTube 「かっ飛びゴルフ塾」配信中。
取材・文/たかはしよし子 撮影/福田文平