まず大切なのは愛着が持てる道具を使うこと
道具を使うスポーツだから、道具が大切なのはわかっているけど、じゃあどうやって選べばいいのかちょっと困ってしまうのがゴルフ。誰かのクラブを譲り受けたり、なんとなく買ったりしたものを使い続けてもいいのでしょうか。そして究極の質問、ミスをするのは自分のスイングに問題があるのか、それともクラブが合ってないのか?
私の場合、デビューのときは母親の古いクラブ数本だったので、比較的すぐにセットを買おうと思いました。量販店に行ったものの一体どうやって選べばいいのか途方に暮れ、上手な友人に相談すると「顔で選べばいいよ」と言われました。まず、顔ってなに?と思ったし、説明されて漠然と理解しても顔で選ぶのは難しいことでした。「とにかく愛着が持てるなにかがあればいい」ということだったので、最終的にはレディスクラブのラインナップの中からアイアンに書いてある数字のフォントが好みだったクラブを選びました。
気に入って使っていましたが1年もするとそのポテっとした形状が気になるようになり「シュっとした感じ」のクラブが欲しいと思うようになりました。「下手なのに生意気?」「スイングが安定するまで待つべき?」と悩み、でもなんか違うという気持ちは消えず、もやもやしながら使っていたときに、『フィッティング』という概念を知りました。そしてネットで調べてあるメーカーのフィッティングを受け「男性用のシャフトのほうが合っている」という結果を得て、今度こそ「顔が好みな」クラブに買い替えました。その後も、気に入って使っていたのにある日突然「なんか違う」と思うようになったクラブはお役御免と思って取り替えています。
フィッティングをいつ受ければいいのか
今年の6月にオープンした『ダンロップクラブハウス新宿店』
(https://sports.dunlop.co.jp/golf/shop/retail/shop-shinjuku.html )
のクラブドクター伊藤さんは、クラブは初級者のうちから合わせたほうがいいと言います。ダンロップは女性にも人気のゼクシオの会社、たくさんの女性ゴルファーを見てきた経験と実績があります。そこの専門家が、道具を使うスポーツはどれもレベルに応じて道具を替えていくもの、違和感を覚えたときはその道具を卒業する時だというのです。
たとえば、初心者の頃は球が右に行くのでロフトの大きい軽いクラブでしっかり振る練習。球を捕まえられるようになってくると、左に引っかけるようになるので、その時はスイングをいじる前にそのクラブを疑うべきだと。
「なんか違うと思った道具はやっぱりだめです。フィーリングはとても大事」(伊藤さん・以下同)
使っているクラブで球が曲がり始めたら、それはそのクラブの卒業の時期なのかもしれません。
「どういうふうにしたいのか希望に応じて、たとえばシュッとした顔のクラブが使いたいと言われれば、シュッとしているものの中から最適なものを選ぶのが我々の仕事です」
実際にフィッティングを受けてみた
今回フィッティングを受けた石井麻子さんは数年前に復活させたゴルフにハマっていて、ちょうど今使っているドライバーに少し疑問を持っているようでした。
ゼクシオのクラブを打ってみて最初の感想は「音が気持ちいい!」。もともと、ゼクシオドライバーの澄んだ打音に憧れていて、いつか使ってみたいと思っていたそうです。とても力強いスイングで、素人から見てもこれは女性用の軽すぎるクラブだと球が暴れてしまいそうだなという印象でした。
何種類かのシャフトを試し、データを計測しながら、しかしクラブドクターが重要視するのはプレーヤーの感覚です。
「どんなにデータがよくても、自分で振った感覚がなにか違うなというものは必ずどこかで裏切るので、まず自分のフィーリングが第一でデータはその次です」
感覚は不思議なもので、たとえばさっきのクラブより重いものですと渡されたクラブを軽く感じることもあります。でもそこで気を遣って「重く感じなければいけない」と思う必要はありません。
「間違ったらイヤだからと思わないでほしい。ここに来たら何も恥ずかしいことはありません。言いたいことは全部言って、『女王様』として自分本来のスイングをして、我々を最大限利用してください。わからないことはなんでも質問してもらいたいのです」
試打をしている間、何度も耳にしたのは、「コースで唯一味方になってくれるのがクラブ」というフレーズでした。クラブとケンカしていたらいいゴルフはできない。ミスをしたらまずクラブを疑ったほうがいい。曲がると皆スイングをいじろうとするが、まずこのクラブは自分に合っているのかな?と思うべきだと。
信頼できるクラブドクターと充実の設備
フィッティングに敷居が高い印象を持つ女性も多いかもしれませんが、ダンロップクラブハウス新宿店は気負わず行ける場所です。恥ずかしがらずに『女王様』として伸び伸びと自分のスイングをすればいいだけなのです。しかもフィッティングは無料。試打クラブも豊富で、今の自分に最適なクラブを選んだ後も、ロフト角やシャフトの長さの微調整をしてもらえます。
石井さんに一番合っていたのは11.5度のAシャフトでした。「Lシャフトはもう卒業でいいでしょう」の言葉に「嬉しい」と満面の笑み。「こんなに詳しく分析してくれるんだ!」と大感激でした。総合メーカーのダンロップならではといえるのは、自分に合ったボールもオススメしてくれるところ。確かにボールも種類が多すぎて迷ってしまうので助かります。
9月からはダンロップゴルフスクールも始まり、マンツーマンのレッスンが受けられるようになります。グループレッスンは恥ずかしいという女性も安心して通えます。
クラブについて少しでも「あれ?」と思ったら、軽い気持ちでフィッティングを受けてみたら如何でしょう。目からウロコがポロポロ落ちる可能性大です。
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撮影・取材・文/大隈里砂(リサオ)