【パターの基礎まとめ】パターの選び方や基本知識、14の疑問にプロが回答!

ドライバーやアイアンなど新作が気になるクラブと違い、パターは“なんとなく”選んでずっと使っている女性も多いのではないでしょうか。スコアアップに直結するパターのことをもっと知るために、パターについての疑問を、 ヴィクトリアゴルフ クラブフィッターの平澤義道さんに解説していただきました 。知識を深めることも、スコアアップへの第1歩! パターの選び方や形について、基本フレーズにお手入れ、ディープな豆知識に至るまで、知れば知るほど奥の深いパターのことを勉強しましょう。

この記事で解説していること

【1】 ピン型、マレット型、ネオマレット型、パターの形の選び方
【2】パターのグリップは太いほうがいい? 初心者におすすめの太さは?
【3】アップライトってどういうこと?
【4】パターヘッドに貼る鉛の意味は?
【5】パターもリシャフトをする?
【6】アライメントラインとは?
【7】グリップの穴にマーカーをさしてもいい?
【8】パターのお手入れのタイミングと、クリーニング方法は?
【9】セットについていたパターを使い続けてOK?
【10】パターの買い替えどきはいつですか?
【11】高額なパターは何が違うの?
【12】地クラブならぬ地パターってあるの?
【13】上手い人のパターの選び方
【14】プロのパターはどれくらいの長さ?

【1】 ピン型、マレット型、ネオマレット型、パターの形の選び方は?

パターのヘッドの形は、写真にある4本だけでも実にさまざま。大きいヘッドで低重心のものから、高重心で小さいものまでありますが、パターを選ぶ際にはあまり形にこだわる必要はありません。パッティングの悩みや、持ったときの「何となく好き」といった感性に合わせて選びましょう。ちなみに、安定感が増すという「低重心」というキーワード、イメージはわきますか? タイヤの小さい自転車を思い出してください。あれが重心を下げて安定感を保つということで、パターの低重心にも同じようなことが当てはまります。

右からピン型、マレット型、ネオマレット型(2ボール)、その他
右からピン型、マレット型、ネオマレット型(2ボール)、その他

【2】パターのグリップは太いほうがいい? 初心者におすすめの太さは?

今の流行は太めで“パラレル(平行)”なもの(写真・中)。グリップが太ければ太いほど、手首が使いにくくなるので、初心者には安定感が出ておすすめ。ただし手が小さくて太いグリップは握りにくいという人は中くらいのもあるので選ぶ際には要チェック。細いグリップは操作性が高いというメリットがあるので、上級者に好まれます。

中央のパラレル(平行)が流行
中央のパラレル(平行)が流行

【3】アップライトってどういうこと?

写真のように、パターを構えたときにヒール側が上がっていると、フェースは右を向きます。反対にトウ側が上がっていると、フェース面は左を向きます。このトウ側が上がっている状態をアップライトと言い、左に球が出る原因にもなります。真っ直ぐ球が出せない人は一度、自分がどんな構えをしているか鏡で確認してみましょう。

【4】パターヘッドに貼る鉛の意味は?

鉛を貼るとヘッドが重くなるので、低重心になって安定します。どこに貼っても問題はありませんが、わからない場合はお店で相談してください。女性でよくパターが重くて嫌だというがいますが、その場合はグリップに重りを入れるとヘッドの動きがスムーズになって、全体の重さが気にならなくなります。写真のような重りを入れられるグリップがあるのでチェックしてみましょう。

重りを入れられるグリップ
重りを入れられるグリップ

【5】パターもリシャフトをする?

シャフトが折れたり、錆びたときにシャフトを交換しますが、あまり多くはありません。カーボン製のシャフトに交換する人もいます。実は6~7割の人はフェースを真っ直ぐにして打ちたいので、写真のような形のままフォローしています。これだと球は右に出てしまいます。カーボン製だとウッドのシャフト同様、しなって戻ってくれるので、開いたフェースを自然に真っ直ぐにしてくれます。

【6】アライメントラインとは?

目標に向けてアドレスするためのクラブに書かれた補助線のこと。写真でいうと白い線のことで、この線をターゲットに向けてパターを構えることで、正確なアドレスができるようになります。

【7】グリップの穴にマーカーをさしてもいい?

これはグリップを差すときの空気穴。マーカを入れるところではありません。この穴はグリップをさすときのための空気穴です。両面テープで止めているので、ここにマーカー挿すとそのテープに穴が開いてしまう可能性があります。そうするとシャフトに空気が入り込み、錆びが発生してしまうかも。この穴は決してマーカーをさすためのものではないので、パターを長く愛用するためにも、気をつけてください。

これはグリップを差すための穴。マーカを入れるところではありません
ここにマーカーをさす人、たまにいますよね。

【8】パターのお手入れのタイミングと、クリーニング方法は?

まずはブラシをかけて汚れを落とします。アイアンクリーニングのグッズを活用して、クリームなどを塗って艶出しをしてみてください。コースから帰ってきたらクリーニングすることを習慣化するのもおすすめ。ピカピカになれば気分も上がって、スコアップにつながるかもしれません。

【9】セットについていたパターを使い続けてOK?

ビギナーセットでも、きちんとしたパターが入っているので、心配することはありません。マレット型が多くなってきているので、初心者には使いやすいはずです。

【10】パターの買い替えどきはいつですか?

パター自体はきちんと管理すればいつまでも使い続けて問題ありません。グリップは劣化しますから、ツルツルになったら交換しましょう。しかし「最近パターが入らない」「何だか調子が悪い」「タッチが合わなくて違和感がある」などのネガティブなイメージが多くなったら、パターの買い替えを検討してみてもいいでしょう。その際はフィッティングすることをおすすめします。

【11】高額なパターは何が違うの?

一般的なパターはステンレスを方に流し込んで作っているため、大量生産ができます。しかし高額パターは柔らかいステンレスを削り出して作っているので、大量生産ができません。打感も当然柔らかく、精巧に作られたフェース面なので均衡が保たれ、ボールが真っ直ぐ出やすくなります。

【12】地クラブならぬ地パターってあるの?

ある地方で作られている地クラブというものがありますが、パターにも一般的なメーカーとは違う、特定な地域で作られる地パターというのが存在します。そこでは個性派のパターが取りそろえられています。20~30年前にとても流行って多くの地パターが生まれましたが、いまだに人気を保って残っているところがあるのです。

【13】上手い人のパターの選び方

極端な例ですが、プロレベルになるとショップにある同じパターを10本ほど購入していくこともあります。作りによって微妙に差があるので、1本1本試しながら、自分に合うものを選び出していくのです。とくにパターは繊細なタッチが求められるので、中にはとことんこだわって探す人もいます。

【14】プロのパターはどれくらいの長さ?

身長やパッティングのスタイルによって異なりますが、女性のパターはだいたい32、33インチが多くなります。では、身長の高い米国男子プロは長いパターを使っているかというと、一概にそうとは言えません。タイガー・ウッズが現役時代使っていたパターは女性用パターとあまり変わらない長さと言われています。もちろん手足が長いという理由もありますが、パッティングスタイルはその人なりのもの。決まりはありませんから、自由なスタイルでパッティングを楽しんでください。

※この記事は、Regina掲載特集「進化中のパターについて、今知っておきたいこと、TOP10」を、WEB向けに再編集した記事です。撮影/山代厚男 エディター/池原純子 取材協力/平澤義道(ヴィクトリアゴルフ)

おすすめの関連記事