パターにはさまざまな形状のネックが存在します。シャフトの曲がりやセンターにシャフトがあることで、どのような効果があるのでしょうか。特徴や形状の違い、ストロークの仕方を理解すると自分に合うパターもわかるようになります。
◆パターのネック形状は4種類!
パターはヘッドが同じでも、シャフトのネック形状で見た目の印象は大きく変わります。ネック形状はおもに4種類にわかれ、クランクネック・ベントネック・センターシャフト・ショートスラントネックと形状もさまざまです。違いを知るためにも、まずはそれぞれの形状や特徴を見ていきましょう。
古くからよく見る形状には、クランクネックがあります。
クランクネックは、シャフトがヘッド直前でクランク状に折れ曲がったオフセット形状のネックです。おもにピンタイプのパターに採用されており、重心がネック側にくる設計が特徴です。ストローク中はフェースが開閉しやすく、弧を描きながらオートマチックに当てられるため、初心者にも扱いやすいパターとされています。また、インパクトでロフトが立ちやすいことから、芝に負けない転がりのよいボールが期待できるでしょう。シャフトの直線上にフェースがくるので、ボールを置いたときにフェースを合わせやすいメリットもあります。
続いてよく見る形状はベントネックです。
ベントネックは、シャフトが滑らかに湾曲したままヘッドへとつながる形状のネックです。湾曲するためオフセット形状になりますが、位置はクランクネックほど後方にはきません。ベントネックは、曲がるポイントが1か所の「シングルベント」と、2か所曲がった形の「ダブルベント」があります。
ベントネックの特徴は、前述したオフセット形状と重心が低くなる点です。
オフセットと低重心により球がつかまりやすく、結果ストロークが安定するという理由でマレットタイプのヘッドにも多く採用されています。滑らかなネックラインでフェースがすっきり見えるなど「クランクネックよりフェースを合わせやすい」と好んで使用する人もいます。
次に説明するのは、従来のネックから一風変わった形が特徴のセンターシャフトです。
センターシャフトは、湾曲なしにグリップからヘッドまで、一直線につながる形状のネックです。ネックがヘッドのセンターにくることで重心距離がほぼ0になり、手の動きが方向性にもダイレクトに反映されます。そのため、芯に当てる感覚やストロークも直感で操作しやすく、タッチが合わせやすいと感じる人も多いようです。目標に向かって構えやすい点も好まれています。
しかし、ボールに早く当たる傾向が強く、タイミングが合わないと右にプッシュアウトしやすいデメリットもあります。芯を外した場合もほかのネックよりフェースの開閉が大きくなるため、方向が安定しない人が扱うには難しい形状といえます。
最後に説明するのはショートスラントネックです。
ショートスラントネックはネック部分の距離が短く、傾いた状態でヘッドにつながっているネックです。オフセット気味の形状と後方に傾いたラインにより、ほかのネックよりも滑らかな印象を感じさせます。
後発のネック形状ということもあり、構えやすさとすっきりと見えるように設計されたフェースラインが特徴です。トゥ側に重心がくる「トゥバランス」と低重心の特性を合わせ持ち、自然にフェースターンすることを目的としたネオマレットとも相性がいいとされています。
◆ネック形状はパッティングストロークとの関係性も深い
ここまでは、ネック形状の特徴と違いを説明してきました。続いて、パッティングストロークとの関係について見ていきます。
パッティングのストロークにはおもに「アークタイプ」と「ストレートタイプ」の2種類にわかれます。ネックとストロークタイプには相性があり、パター選びにも大きく関係してきます。うまく掛け合わせることができれば安定したパッティングにもつながるので、ぜひ参考にしてください。
アークタイプはストローク軌道が弧を描く打ち方です。
ヘッドを開閉させながらボールに当てるため、ヘッドが返りやすいパターと合います。
おすすめのネック形状は、ベントネックとショートスラントネック。
どちらもフェースの開閉に適した重心となっているため、ボールがつかまりやすく、オートマチックにストロークできます。
ストレートタイプは、フェースの角度を変えずにストロークする打ち方です。フェースの開閉が原因でインパクトが安定しないときは、ストレートタイプに合うネックを試してみましょう。
おすすめはセンターシャフト。センターシャフトは弧を描くアークタイプだと芯から外れる確率が高くなり、方向も大きく乱れてしまいます。その点、手の動きと連動して打てるセンターシャフトなら、ストレートタイプとも相性がいいでしょう。
ちなみにクランクネックは、アークタイプとストレートタイプどちらもOKの万人向けパターです。ストロークタイプだけで考えれば、迷った時はクランクネックを使うのも1つの方法としておすすめです。
◆自分に合うネックを探してみましょう!
パターを選ぶ際は、身長や手の長さ、姿勢による身体的要素も少なからず影響します。好みの形状を見つけたときは、ストロークタイプも含めたフィッティングの利用も検討してみてください。上記の特徴を参考に、ぜひ自分に合うネックを探してみましょう。
取材・文/夢書房