第1回『資生堂 企業対抗レディスゴルフトーナメント 2019 』レポート Vol.3

企業で働く女性を対象にしたアマチュア競技、『資生堂 企業対抗レディスゴルフトーナメント 2019』。決勝大会のレポート3回目は、大会にまつわるサイドストーリーをお届けします!

◆働く女性たちの“サードプレイス”を、ゴルフで実現するまで

「ファーストプレイス(家庭)でもなく、セカンドプレイス(職場)でもなく、 自分らしい時間を過ごすことのできる第3の場所は、ゴルフをツールとしたサードプレイス」を大会メッセージに掲げ、第一回『資生堂 企業対抗レディスゴルフトーナメント』の参加者募集が告知されたのは、今年の6月10日のこと。

発案からその日に至るまで、わずか4カ月。それはひとりの女性の熱い思いから始まりました。それが、大会実行委員会事務局長の菊池愛子さんです。

「私も参加して、毎年すごく楽しみにしていた『企業対抗全国レディースゴルフ大会』が、一昨年の16回大会で終了してしまい、心に穴が開いたようになっていました。毎回、200人もの女性が参加していたので、同じ思いをしている女性もたくさんいるのではないかと、大会でつながった女性たちに聞いてみると、みなさん気持ちは同じでした。

日を追うごとに、“誰かが開催してくれないかな”という受け身の気持ちから“自分で動いてみるか”という気持ちが高まって行きました。 今年の2月ごろ、ゴルフイベントに詳しい知人に“開催するには何が必要か”と相談してみたところ、『やれなくないかも……。やってみるか』と、気持ちが固まりました。

早速企画書を作って、今までのゴルフ人脈をたどり、有給とフレックスを駆使し、仕事の合間をぬって協賛してくれる企業様を探し、資生堂さんから冠となる特別協賛をいただいたのが4月のことでした」

「選手として参加はできなかったけど、今日の日を迎えられ、私が一番幸せだったかも」と、はにかむ大会実行委員会事務局長の菊池愛子さん

「協賛をいただくために一貫して伝え続けたのは、“単なるゴルフ大会ではなく、企業で働き、自分のお金でゴルフをする女性たちが、日常のしがらみから解放されるサードプレイスの大切さ”。

その思いに賛同していただき、協賛社様も最終的には11社に増え、実現に至りました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今思い返しても漫画みたいな話(笑)。熱い思いと仲間がいれば、なんでもできるんだって、一歩踏み出すことの意義を実感しています。

決勝大会の前日に現場入りしたんですが、クルマで現地に向かうときから、今までのことが走馬灯のように思い浮かんで、なんとも言えない気持ちになりました。生まれて初めての感情というか。スタッフ全員で行った前夜のミーティングでは“選手のみなさんに負けないよう、私たちも目いっぱい楽しもう!新しい自分を発見したり、新しい目標を見つけて大会に臨もう!”と、決起し、『ワンチーム』で今日を迎えました」

「第2回大会も会場の皆様が楽しんで笑顔に溢れる大会になるよう、私共もチャレンジし続けます」と菊池さん。

「大会当日を迎え、選手のみなさんも、すごく楽しそうにしていただいていて……もう幸せ。ホントに幸せです。スタッフのみなさんも、今回初めてのチームとは思えないチームワークで、スムーズな運営ができたのではないかと思います。何より、選手同様に楽しんでくれているのもうれしくて。そういう雰囲気も、選手のみなさんに伝染したのかな。でも、大変申し訳ないけれど、私が一番楽しんでいるのかも(笑)。

男性と女性は明らかに違うけれど、仕事の現場でも、たとえばこういうイベントでも、いろいろなことが一律な気がするんです。“女性目線から見るとホントは違うのにな”ということも少なくない。そんな女性たちが、この場に来れば安心できて、目いっぱい自分を出して楽しめる。そんな環境づくりにはこだわりました。

大会を通じて『新しい自分・目標・仲間が見つかった』という声をたくさんいただき、サードプレイスを創出できたと実感しています。来年予定している第2回大会も、ぜひ多くの方にご参加いただきたいです。応援も、よろしくお願いします」

◆三重県からクルマで片道7時間かけて出場! エンジョイアスリートクラスの優勝チーム

次にご紹介するのは、2位と4打差の67で優勝した、エンジョイアスリートクラスの「伊勢赤十字病院 クロワルージュ・伊勢」チーム。「太平洋クラブ六甲コース」(兵庫県)で行われた予選会から勝ち上がって決勝大会に進出したおふたりは、看護師として日夜働いていらっしゃいます。

色違いのペアルックで出場した「伊勢赤十字病院」の左から太田明美さん(55)と、菊川由美子さん(59)

太田明美さんプロフィール
ゴルフ歴 20年、平均スコア 82、ラウンド回数 50回/年、練習回数 4〜5回/月。

菊川由美子さんプロフィール
ゴルフ歴 30年(出産、育児のため10年間位休みました)、平均スコア 80くらい、ラウンド回数 70-80回/年、練習回数 0/月。ラウンドが練習です!

『企業対抗全国レディースゴルフ大会』に出場したつながりで大会開催を知り、エントリー。 “楽しんでプレーできそうだし、ミスをしても相棒が助けてくれるから”と、「エンジョイアスリートクラス」を選びました。

太田さん「企業ペア、しかもスクランブルということで、同伴競技者のことを考えながらするプレースタイルに魅力を感じます」

菊川さん「『太平洋クラブ六甲コース』でプレーしてみたかった、という理由もあります。決勝の『太平洋クラブ美野里コース』も、ステキなゴルフ場で、プレーできると思うとワクワクしました。すてきな大会に出場できてうれしいです」

また、予選会での石井忍プロのレッスンは、非常にためになったんだそう。大会中に思い出深かったエピソードを教えてもらいました。

菊川さん「“ アイアンの弾道が低く、距離が出ない ”と相談したら、私のスイングをひと目見て、正しいインパクトのカタチを教えてくれました。それをイメージして打つと、球筋が全然違って目からウロコ。プロのワンポイントはさすがです」

菊川さん「じつは決勝当日、美野里コースのショップで、プレーする前に優勝祝いとして地元には売られていないブランドの服を買っちゃいました(笑)。服のために頑張りました。優勝できてよかったです」と笑顔。 買ったのは、地元では見かけないという「BRIEFING」のフードつきの上着。「袖を通すとストレッチが良くきいて着やすく、もう何回も着用しています。思い出の一着になりそうです」

そんなおふたりに、あらためて大会に対する感想を聞いてみました。

太田さん 「参加者全員が、普段からさまざまな仕事に携わり、その中でゴルフというスポーツを通じて輪が広がるということは、とてもステキなことですね。私自身、たくさんの出会いがありました。働きながら趣味をもち、楽しい時間を過ごすことのできるこの場所に感謝します」

菊川さん 「第1回で運良く優勝する事が出来本当に嬉しく思っています。また、職場の応援、家族の理解がある事で参加できたことは、感謝につきません」

さらに、「年齢の幅が広いスポーツですので、健康に気をつけて、永く続けて行きましょう。80才超えまでゴルフをしていたいですね」と、Regina読者へのメッセージもいただきました。

資生堂の魚谷雅彦社長と3ショットのおふたり。シード権を獲得し、素敵な笑顔を見せてくれました。

菊川さん「今回は練習ラウンドできず、初めてのコースでしたが、来年は、一度経験したので今年よりもいいスコアで回れるようがんばります。表彰式のお料理が想像以上で遠くまで行ったかいがあり幸せを感じました!」
太田さん「三重からここまで片道7時間かかりますが、来年また、ここに来られると思えば苦になりません!」

この大会を通じて、多くの働く女性の、心から楽しんでいるキラキラした笑顔を見ることができました。働く女性による、働く女性のための唯一無二の大会として、これからもずっと続いてほしいですね。

今回出場できなかった読者のみなさん、ぜひ、来年はエントリーしましょう!