MIRAI QUEENSが華々しく開幕! 次世代ゴルファーの熱き戦いと躍動に注目が集まった2日間

春の陽気と余寒の冷たさが入り交じる3月12日・13日、愛知県名古屋市の東名古屋カントリークラブにて、「ゴムノイナキカップ 愛知レディスオープンゴルフトーナメント MIRAI QUEENS」が開催されました。賞金総額は1000万円、総勢約120名の選手が参加し、大いに盛り上がった大会のハイライトを振り返ります。

【松田鈴英プロ、清本美波プロらのスイングをチェック!】「MIRAI QUEENS」熱戦の一部をフォトギャラリーでご紹介

初開催とは思えない盛況を見せた2日間

記念すべき第1回となる「ゴムノイナキカップ MIRAI QUEENS」は、ゴムノイナキ株式会社の冠協賛で執り行われた、「女子プロ、アマチュア、ジュニアの選手が出場する本選」の1DAYのトーナメントと「プロアマ大会」で構成されています。

松田鈴英プロや清本美波プロを始め、レギュラーツアーで活躍するトッププロも含めた多くの若手ゴルファーが参戦する大会として注目度は抜群。70社を超えるスポンサー、500名以上のギャラリーが集まりました。

賞金総額1000万円がかかった大会に挑んだのは、約120名の女子ゴルファー。優勝者には200万円の賞金が贈られるということで、参加した選手たちの気合も十分です。

多少の雨がパラつきましたが、春めいた華やかなウエアをまとった女子プロたちの凛とした勇姿が悪天候を吹き飛ばすかのように輝き、終始熱気に包まれた大会となりました。

フジパンのブースにはさまざまな種類のパンが出揃い、なんとすべて無料で配布! スタート前にパンを受け取った選手たちも大喜びです。
フードトラックも出動。カレーやからあげ、チュロスなど、小腹と心を満たしてくれる大満足な軽食も楽しめました。

若手ゴルファーにもっと、活躍の場を。本大会に込めた想いとは

中部地方の女子ゴルファーのレベルアップや次世代の育成を目指して創設されたという本大会。「予想を超える反響がありました」と語る実行委員会代表の大村さんに、大会に込めた想いや背景を伺いました。

ゴルフ大会運営実行委員会 代表 大村真一さん

「プロテスト合格前の子たちに焦点を当てた大会は各地で開催されていますが、実は、プロテスト合格後にレギュラーツアーにまだ出場できない選手たちが戦える場は意外に少ないんです。そうした選手が活躍の場に飢えていることもわかっていました。だからこそ、本大会でより多くの若手ゴルファーにチャンスを与えたい、それが開催の大きな動機になっています」

宣伝をほとんどしなかったにも関わらず、規模に対して予想を超える数のスポンサーが集まったというのも驚きだったそう。

「この大会から、未来のゴルフ界を担うクイーンが誕生して欲しい―――そんな願いを込めて“MIRAI QUEENS”と名付けました。このコンセプトに共感し、多くの地元企業が名乗りを上げてくれましたのはとてもありがたいことで、心から感謝をしています」(大村さん)

お世話になっている中部地方に活気をもたらしつつ、社会貢献できるチャンス

ゴムノイナキ 専務取締役 木村 公泰さん

今回、冠協賛として手を挙げたのはゴムノイナキ株式会社。上井邦浩プロ、金子駆大プロのスポンサーを務める会社でもあり、社長を中心にゴルフを愛する社員が多く集まっています。

「大村さんはじめ、実行委員会の皆さんの熱い想いを伺ったとき、ぜひ力になりたいと思いました。我々がお世話になっている中部地方に活気をもたらしつつ、社会貢献できるチャンスは非常に貴重ですし、ゴルフ界の未来のためにできることがあるならば喜んでやりたいと思ったのです」と笑顔を見せてくれたのは、ゴムノイナキ社、専務取締役の木村さん。

「若手の女子ゴルファーにもっと活躍してもらいたい、という気持ちは我々も同感です。我が社でも多くの女性が活躍していますが、彼女たちの行動力や発想力は本当に素晴らしい。日々とても助けられていますし、彼女たちの価値観で新たな事業が生まれたりもしていて、とても誇りに思っています。女性の活躍を推進する企業として、今回のような大会への協賛は願ってもないこと。続くステップアップツアーへのいい弾みとなるよう、手助けができたらうれしいですね」(木村さん)

ゴムノイナキ社の出店ブースには、ゴルフの練習器具や夏に嬉しい冷感グッズ、地酒などが揃い、注目を集めました。
ゴムノイナキ社がプロデュースするオリジナルパターも展示。こだわりの1本を試打できる貴重なチャンスとなりました。

初代クイーンを巡る争い。熱戦の行方は―――

前日の雨によるウェットなライに苦戦しながらも、着実にプレーを進める選手たち。全組が18ホールを終えた時点で5名がイーブンパーで並び、プレーオフが実施されました。その結果バーディを勝ち取り、初代クイーンの座に輝いたのは、東風花プロ。バーディパットを決めた瞬間には両手を高く突き上げ、全身で喜びを表現していました。

東風花プロ

今日のプレーでは、たくさんのラッキーが助けてくれたと語る東風花プロ。「9年ぶり、2度目のプレーオフを制して優勝することができてうれしいです。この大会を開催してくださったすべての関係者の皆さまに感謝を申し上げます」と清々しい声を聞かせてくれました。

東プロには、賞金200万円とコシヒカリ10kgが贈られました。

2位となった清本美波プロやベストアマに輝いた遠藤夢里選手、プレーオフを戦い抜いた山本紗愛選手、木村葉月選手など、多くの若手選手が力を示し、今後の活躍がますます楽しみとなったところで一日目は無事に閉幕。翌日のプロアマ大会へと続きます。

初日とは一転。和やかな雰囲気に包まれたプロアマ大会

2日目に開催されたプロアマ大会は、協賛企業のメンバー3名と女子プロ1名が同じ組となり、ベストボールを採用して打つスクランブル形式で行われました。

参加者たちは和気あいあいとした雰囲気でプレーし、親睦を深めるいい機会を存分に楽しみました。

40組の中から栄えある優勝を掴み取ったのは、野澤真央プロ率いるチーム。11アンダーという好スコアを記録し、景品であるドライバーとコシヒカリを獲得しました。また、野澤プロには、30万円相当のフルオーダーパターが贈られました。

表彰パーティには大村秀章知事(右端)も駆けつけました

野澤プロは、「昨日は途中まで単独トップだったのに崩れてしまい、優勝を逃してしまいました。本日は無事に優勝できてうれしいです。残り3ホールすべてでバーディを獲得したのですが、チームの皆さんのティショットやパットが素晴らしく、私の出番はほとんどなかったと思います(笑)。来週から始まるツアーも、優勝を目指して頑張ります」と意気込みました。

また、この日は森美穂プロがホールインワンを達成! 見事なショットでコシヒカリ10kgを獲得しました。

来年への期待が高まる大会に

さまざまなドラマが生まれた充実の2日間は、穏やかな空気に包まれながら無事に終了。日本の女子ゴルフ界に新たな歴史を刻むような存在感を放ちました。

大会実行委員会代表の大村さんは最後に「予想以上の盛り上がりを見せてくれた今大会。選手やファンの皆様からも非常にうれしい感想をたくさんいただきましたので、ぜひ来年も継続させていただき、よりより大会へと成長できるように尽力していきたいと思います」と締めくくりました。

今後は、MIRAI QUEENSから羽ばたいていく女子プロが多数登場しそうな予感。来年の開催が今から楽しみですね。

大会公式サイト

取材・文/河津美咲 撮影/村上悦子