プロが試合で着用するウエアが、年間だとどれくらいの枚数になるか知っていますか? 今年は新型コロナウイルスの影響でちょっと特殊ですが、例年だとなんと400着! なんともうらやましい話ですが、これだけ多いとコーデを決めるのも大変ですよね。じゃあプロはどうやって日々のコーデを決めているのか、大人気の松田鈴英プロのケースを取材しました。
「アンパスィ」といえば、“いまの気分と知性を感じさせるデザインに機能を搭載したウエアを、ゴルフとお洒落を愛する人へお届けする”をテーマに、創立8年目を迎えた人気ブランド。松田プロの他にも、2018年・2019年と2年連続で賞金王を獲得した今平周吾プロ、日米韓ナショナルメジャー制覇のチョン・インジプロがウエア契約を結んでいます。
今回は松田プロと綿密にやり取りしてコーデ作成に協力している、アンパスィのプロ担当・加藤綾さんにお話をうかがいました。
(参考記事)マスターズ初挑戦の今平周吾を支える「アンパスィ」。その驚愕のサポートとは?
1.まずは契約ワッペンの取り付け
プロが着用するウエアに必須なのが、契約メーカーのワッペン。これはウエアを制作しているアンパスィが、他の松田鈴英プロの各企業から提供してもらって取り付けています。これが契約プロのマネージメントから半年に1~2回、まとめてアンパスィのオフィスに届きます。
「アンパスィのウエアは毎年、男女・カラバリ含め約300型作っているのですが、松田プロはレディースほとんどのウエアをお渡ししています。プロには『レイのアンパスィだから全部着たい』と言っていただいています。アンパスィのブランドを本当に気に入ってもらえて、うれしいですね」(加藤さん)
男性ファンだけでなく、女性ファンからの人気も高い松田プロは現在、アンパスィを含め5社のワッペンをウエアに付けています。シーズン途中でワッペンのデザインが変わることもあり、そんな時のワッペン付けの手配はかなり大変になるんだとか。
2.開催地の気候に合わせてセレクト
ワッペンを付け終えたウエアはまとめて発送され、普段はプロ自身がコーデして試合に出場しています。でも今回ウエアを用意した試合『ニトリレディスゴルフトーナメント(8月27日~8月30日、小樽CC)』は、松田プロが所属するニトリが主催する大事な試合。そこでスタイリストの経験も豊富な加藤さんがセレクトしたコーデを見た上で、松田プロが最終的に決定する、というプロセスを踏みました。
「私がコーデする場合は、まず開催地の週間予報をチェックして、ラフセレクトを行います。用意するのは1週間分で4コーデ+羽織りモノと予備コーデを1つ。松田プロはどんな色でも着こなせるので、カタログにある大人っぽい色合いにもチャレンジしていただいています。私たちがご提供していないキャップとシューズとの色合わせにも気を使っていて、『今年はどんな色がありますか?』など積極的にお尋ねになりますね」(加藤さん)
(参考記事)アンパスィのウエアデザインを進化させた!?プロ入り3年で1億円突破・松田鈴英プロは着こなしもすごい!
3.プロが最終チェックし、コーデ決定!
プロが最終的に決定したコーデがこちら。松田プロが所属し、大会の主催社でもあるニトリのロゴカラーであるグリーンを取り入れています。残念ながら松田プロは予選落ちとなってしまったのですが、着用予定だった3日目、最終日のコーデも紹介します!
8月27日(予選初日)、8月28日(予選2日目)のコーデ(インスタグラム)
8月29日(3日目)の予定コーデ
8月30日(最終日)の予定コーデ
ツアートップクラスのゴルフの実力はもちろん、今まで他のプロがやっていなかったノースリーブとインナーの組み合わせを編み出したり、流行の韓国風メイクを研究したりとオシャレの実力も高い松田プロですが、実は契約前からアンパスィのウエアが大好きだったそうです。
「アンパスィのウエアを着ていただく女子プロゴルファーの候補を探している中で、”あの子いいよね~”と私たちが目を付けていたのが松田プロでした。後にお話を聞いてみると、松田プロもアンパスィの公式サイトなどでウエアを見て、気に入ってもらっていたんです。相思相愛なんですよ」(加藤さん)
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今回はプロの舞台の裏側を見てみましたが、いかがでしたか? 試合の中継やニュース記事で何気なく目にしているプロのウエアも、それが決まるまでにはこんなにいろいろなプロセスがあるんですね。協力してくれた松田プロとアンパスィの加藤さん、ありがとうございました!
写真/岡田こずえ GettyImages 取材協力/ブラックアンドホワイトスポーツウェア株式会社