ゴルフはラウンドするだけでなくファッションを楽しむことも醍醐味の一つです。とくにウェアに合わせた帽子は、コーディネートのアクセントになるためセンス良く選びたいところ。キャップやサンバイザーなど豊富な種類が販売されていますが、どのタイプを選んでもマナー違反にならないのでしょうか?
◆帽子の種類に規制はない
実はゴルフドレスコードの中に「ラウンドに帽子を着用しなければならない」という公式なルールや規制はありません。しかしほとんどのコースがプレー中の安全性のために帽子の着用を推奨しています。具体的には次のような理由があるからです。
1.打球事故から頭を守る
隣のコースや後続からの打ち込みでボールが飛んできた場合でも、帽子のおかげで直接頭に当たらなかったということは少なくありません。また、ボールが頭に当たった場合でも、帽子を被っていれば衝撃を軽減する役目もあります。
2.熱中症の防止
夏のラウンドに帽子は欠かせません。頭部への直射日光をさえぎり熱中症を防止するために、帽子は必ず着用しましょう。また、プレー中の日差しを遮る役割がありサングラスと合わせて使うと効果的です。
3.防寒対策
冬のラウンドでは、帽子は防寒対策として活躍します。厚手の生地やウールなど、あたたかい素材の帽子を被れば寒さから頭部を守ってくれます。身体の中で冬の寒さに熱を奪われやすいのは頭部。帽子を被って熱を逃さないようにすれば、効果的な保温対策になります。
せっかくの楽しいラウンド、体調不良や打球事故でプレーが止まってしまったり中止にならないように、帽子の着用は必須と考えておいたほうが良いでしょう。その他、帽子のつばの部分は、マーカーをはさむ場所としても便利に使えます。ポケットに入れるよりも取り出しやすく、おしゃれなデザインのものも多いのでおすすめです。
◆サンバイザーとキャップのメリットデメリット
ラウンドに着用する帽子はサンバイザーでもキャップでも、どちらを被ってもマナー違反にはなりません。サンバイザーのほうがカジュアルな印象になりますが、名門コースでも禁止しているところはほとんどないので、あまり気にせずに好きな方を着用して問題ありません。それぞれの特徴を活かし、おしゃれに着こなしましょう。
サンバイザーはなんといってもファッション性の高さがメリット。髪型も崩れにくいので特に女性に人気です。通気性にも優れているので汗をかいても蒸れにくく快適にプレーできます。デメリットとしては、頭部がカバーできないため日よけや防寒の効果が低いことです。頭を覆う部分が少ないため、打球事故の被害もキャップよりは大きくなる可能性が高いでしょう。
キャップは熱中症対策に優れ、日差しから頭部や顔を守ってくれます。蒸れやすいので夏場はメッシュ素材や通気性の良いタイプを選びましょう。髪型が崩れやすいのでアレンジにこだわる人はサンバイザーがおすすめです。
どちらを選ぶにしても素材によってメリットやファッション性は変わります。夏のイメージが強いサンバイザーであっても、ファーや厚手のタイプを選べば秋冬でも違和感はありません。キャップタイプは前髪のアレンジを工夫すれば、髪型を崩さずに着用できます。
◆ニット帽やハンチングも人気のアイテム
サンバイザーやキャップ以外にも、頭部を守りファッショナブルにコーディネートできるアイテムはまだまだあります。
秋冬に人気なニット帽は、防寒性に優れカジュアルなコーディネートに仕上がります。最近ではつばの付いたタイプや耳当てが付いているものもあり、おしゃれなデザインが増えてきました。キャスケットタイプも人気で、最近はメンズにも登場しています。
クラシカルなコーディネートにはハンチングを、リゾートゴルフやカジュアルなラウンドにはテンガロンを合わせるのもおすすめです。他の人と被らないコーディネートをしたいなら、ぜひチャレンジしてみましょう。
◆帽子を脱ぐシーンも忘れずに
帽子のマナーで忘れてはならないのが「レストランでは必ず脱ぐ」ことです。これは「室内では帽子を脱ぐ」という基本的なエチケットなので、知らずに被ったままでいると同伴者まで恥ずかしい思いをします。レストランの入り口や、できればクラブハウス内でも帽子は脱ぐようにしましょう。レストランの入口に帽子をかけるハンガーや帽子かけを設けているコースもあるので利用してください。
また、打ち込んでしまった場合やスロープレーで迷惑をかけてしまった場合など「相手への敬意を示す場面では帽子を取って会釈する」という暗黙のルールも存在します。また、スタート時には「今日も一日よろしくお願いします」と帽子を取って挨拶するなど、スポーツマンシップを基準としたマナーもあるので覚えておきましょう。この2つはしなくても大きな問題にはなりませんが、さりげなく行うと感じよく好印象です。
ラウンドにはウェアと合わせた帽子をコーディネートして、ファッションを楽しみながらハイスコアを目指しましょう!
取材・文/夢書房