ゴルフはよく、メンタルなスポーツといわれます。ちょっとした気持ちの持ちようでスコアが左右されるのは、きっと誰もが経験すること。だったら、おしゃれの面から気分を盛り上げませんか? 特に宝石の王様と称されるダイヤモンドを身に着け、自信を持って気分よくラウンドに臨めば、スコアにも良い影響が出るはずです。意外に知られていない豆知識も含めてお伝えする、ダイヤモンドのポジティブパワーとその効果にぜひご注目を!
取材協力:中村慶幸さん 株式会社コモンウェルス代表取締役。世界的ダイヤモンドブランド、「デビアス」に長年勤務。特にダイヤモンドジュエリーに深い造詣がある。現在はデビアスグループ DTCサイトホルダーであるプルチェニック社 を始め、数々のイタリアンジュエリーブランドの日本総代理店を展開。趣味はゴルフで、月に3回はラウンドを楽しむ。 コモンウェルス 公式サイト http://common-wealth.jp/
気分を上げる、「小さな輝き」の威力を再確認
「一流ホテルマンは、ゲストの腕時計と靴をチェックする」と言われます。その背景にあるのは、「細部にまで美意識が行き届いた装いは、精神的にも経済的にも余裕があってこそ」という暗黙の了解。事実、装いの印象は小物によって決まるといっても過言ではありません。どんなに華やかに装っても、細部がお粗末では決してエレガントに見えないもの。けれど逆に、細部にこそこだわることで、カジュアルな装いにもクラス感ある美しさが生まれます。
そこで、ゴルフシーンでぜひ活用したいのがラグジュアリーの代名詞、ダイヤモンドのジュエリー。気高く澄んだ「本物」の輝きは、小さくても絶対的な存在感を放ちます。耳元や胸元にさりげなく、キラリと輝かせるだけでゴルフスタイルがランクアップして見え、プレイの邪魔になることもありません。
また、ダイヤモンドは、現代では永遠の愛を誓うロマンティックな宝石として人気ですが、「最強のパワー」を象徴する、運気アップの宝石としても人々を惹きつけてきました。
ドイツの鉱物学者、フリードリヒ・モースによって考案されたモース硬度では最高値の「10」に分類。天然石のなかで、もっとも硬度が高いことは有名です。その圧倒的な硬さからか、ダイヤモンドの語源はギリシャ語のadamasで、何ものにも征服されないもの、壊せないものを意味します。古代ギリシャやローマでは、戦士のお守りとしても珍重されたとか。
しかも、ひと口にダイヤモンドと言っても、実は鉱山で10tダンプ20台分以上を採掘して、そのなかから1カラット見つかるかどうかというほど希少です。世界に流通している宝飾用ダイヤモンドをすべて集めたとしても、ロンドンの2階建てダブルデッカーバス一台分しかないそう。憧憬のまなざしを集めるにふさわしい、価値の高い宝石なのです。
スポーツシーンで着用しても傷ついたり変色したりする心配がなく、品格のある美しさと自信、パワーをもたらしてくれる——こうしてみると、ダイヤモンドジュエリーは女性ゴルファーにとって必須アイテムだと思いませんか? かのマリリン・モンローが映画『紳士は金髪がお好き』で「ダイヤモンドは女の子の最良の友だち」と歌ったように、最良にして最強のパートナーとなってくれることでしょう。
ダイヤモンドの美しさを決めるものとは?
いざ買おうとしたとき、あなたはどんなふうにダイヤモンドジュエリーを選びますか? ウエアや靴などのように気軽に買い換えるものではないし、せっかく投資するなら、本当に気に入るものが欲しいもの。
選択の基準としてよく言われるのが、カラット(重さ)、カット(輝き)、カラー(色)、クラリティ(透明度)という4つの要素の頭文字を取った「4C」です。これを考案したのは、世界最大規模で、もっとも高い評価を受けている非営利宝石学・教育組織であるアメリカのGIA。鑑定書にも記載され、ダイヤモンドの品質を評価する国際鑑定基準です。
その中でも、輝きの美しさを決めるのはカットと言われます。ダイヤモンドは、光が最適な角度で屈折し、反射するようにカットされることで美しい輝きを放つのです。
そして、ダイヤモンドが一番美しく輝く形状と角度とされているのが、1919年にベルギーの天才カッター、マルセル・トウコウスキーが研磨方法を確立した58面体のラウンドブリリアントカット。上から見ると真円のラウンドブリリアントカットはとても優美で、不変のエレガンスを感じさせます。日本はもちろん、世界中でこのカットが主流となっているのには、きちんとした理由があったのですね。
自分らしいダイヤモンドこそがベストパートナー!
アメリカやヨーロッパでは、スクエアカットやオーバルカット、さらにハートシェイプやペアシェイプなどのファンシーカットも人気。ダイヤモンドそのものの輝きに加え、より個性的な表情を楽しめるのが魅力です。また、日本ではカットやクラリティ——透明感ある輝きの美しさが重視されるのに対し、アメリカではカラットが重視され、1カラット以下のダイヤモンドはあまり人気がないそう。ダイヤモンドの選び方にお国柄が出るのが面白いところです。
さらに言うなら、無色透明のDカラーダイヤモンドに比べ、イエローやブラウンダイヤモンドは「4C」的にはリーズナブル。けれど、そのぶんデザインで勝負しているものも多く、ファッション性に富んだジュエリーがたくさんあります。ダイヤモンドの魅力は、実に多種多様。その価値は、一概に「4C」だけでは決められないと言ってよいかもしれません。
今回お話を伺ったジュエリーのプロ、中村さんは「ダイヤモンドの価格相場は、ニューヨークのダイヤモンド専門誌ラパポートの価格表をベースにGIAのグレードの評価によっておよそ決まっています」と言います。その意味で、ダイヤモンドの市場価値を確かめるためには鑑定書が有効です。けれど、地球の大自然が生み出した天然ダイヤモンドはどれもが唯一無二。一見すると似たものでも、内包物やその位置、色、カットなど、2つと同じ輝きはありません。「4Cはあくまでも選択の目安として、ピン!と来たダイヤモンドを選ぶのがいいと思いますよ。それが世界に一つだけの、あなたにとって最高の輝きなんですから」と、中村さん。
たとえば、パワーを求めるならカラットの大きいものを。ゴルフをエレガントに楽しみたいなら、小粒でも輝きの美しいものを。あるいはデザイン性豊かなブラウンダイヤモンドで人とは違う個性を楽しむ——自分のゴルフスタイルに合うダイヤモンドを身に着ければ、ぐんと効果がアップしそう! まずはゴルフシーンで身に着けやすいピアスやイヤリング、ネックレスからチェックしてみてはいかがでしょう。そうして本当に気に入ったダイヤモンドジュエリーが見つかれば、ゴルフライフがもっと素敵に輝くこと請け合いです。
取材・文/小松よしみ(Y-qua)