自分はもちろん、同伴競技者にも気持ちよくラウンドしてもらうには、最低限のエチケット&マナーを身につけておくべきです。プロキャディ・伊能恵子さんが独自の視線で語るエチケット&マナー第5回は、ラインをまたがないエチケットについてです。
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◆グリーン上、ラインを踏まない! またがない!
ルール改正でグリーン上のスパイクマークを修正できるようなったとはいえ、同伴プレーヤーのラインを踏むのは感心しませんね。正直、マナー違反と指摘されても仕方がありません。それを防ぐためにも、グリーンに上がったら、同伴プレーヤーのボールがどこにあるのか、どこにマークをしたのかを確認する習慣をつけましょう。
初心者がラインを踏んでしまいやすいのは、自分のボールがグリーン上で最も遠い距離にあり、最初にパッティングしたときです。1メートルぐらいショートしたり、オーバーすると、どうしてもカップの周辺を歩くことになります。その際、つい同伴プレーヤーのラインを踏んでしまうのです。
もちろん、悪気があって踏む人はいません。自分のプレーで一杯一杯になるため、そこまで気が回らないだけです。初心者のうちは許されるかもしれませんが、やはり踏まれたほうは気になります。ラインを踏まない意識を常に持つように心がけましょう。
ラウンドに少し慣れてくると、今度はカップの反対側からラインを読もうとしたり、グリーン上を歩く機会が増えると思います。その際も、相手のボールやマークがどこにあるのか注意することです。同伴プレーヤーがどこにマークをしたのかが分からなければ、本人に直接聞いて構いません。実際、プロの世界でも同伴プレーヤーのマーク位置が分からないときは、普通に聞いています。
自分ではラインを踏んでいないつもりでも、実際に踏んでいるケースがあります。それは、ラインをまたいだときです。相手のマークとカップを直線で結び、そこさえ踏まなければOKだと思うのかもしれませんが、果たして本当にラインを踏んでいないのでしょうか? 必ずしも直線だけがラインだとは限りません。曲がるラインの場合、あなたがちょうど踏んだところがライン上だったりします。その意味でも、ラインをまたぐべきではないでしょう。
もちろん、ラインをまたぐ行為自体はマナー違反です。たとえ遠回りになろうとも、ボールの後ろを通って、自分のボールのところへ行きましょう。仮に、自分が最初にグリーンまでたどり着いたとしても、同伴プレーヤーのラインをまたぐべきではありません。
また、同伴プレーヤーがラインを読んでいる場合、ボールとその人との間を通過するのもNGです。ラインが伸びたと思い、同伴プレーヤーの後ろを通りましょう。ただし、その人がグリーンの外でラインを読んでいるときは、前を通過しても構いません。さらに、自分のボールが他のプレーヤーのじゃまになり、すぐにマークするように指示されたときは、「ごめんなさい、マークしたいので前を通ります」と、ひと言謝ってから通過しましょう。
同伴プレーヤーのラインを踏むのはNG
同伴プレーヤーのボールよりも後ろを回って移動しましょう
遠い人のボールよりも近い人のボールの後ろを通れば自分のボールに早くたどり着けます
ラインを呼んでいる人の後ろを通りましょう
取材・文/山西英希 撮影協力/木更津ゴルフクラブ