身長151センチと小柄ながら、パワフルなドライバーショットとキレのあるアイアンショットを武器に、国内ツアーで活躍する田中瑞希プロ。今シーズン、シード権獲得はもちろん、ツアー初優勝を狙います。その田中プロが女性アベレージゴルファーのために、スコアアップの秘訣をレッスン！
最終回は田中プロがオフに行っていたとレーニングの一部を紹介します。
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◆下半身リードのスイングを覚える
今回は私が行っているトレーニングの一部を紹介したいと思います。ジュニア時代からドライバーショットが飛ばないほうではありませんが、ツアーで上位にいくためには、今以上に飛距離を伸ばしたいと考えていました。それで数年前から下半身を鍛えるトレーニングメニューを取り入れることにしたんです。
読者の皆さんもトレーニングジムに通う時間がなければ、自宅でスクワットを行うだけでも構いません。飛距離を伸ばしたいなら下半身を鍛えることをお勧めします。
トレーニングの最後に行っているのが、マシンを使って下半身の動きを確認すると同時に、下半身を鍛えるメニューです。まず、両手を胸の前で交差してアドレスの形をつくります。上体を前傾し、スタンスを広げたらバックスイングを行って右足に体重を多く乗せます。トップまで体を捻転した後、下半身主導でダウンスイングを行い、左足に体重を乗せていきます。その際、左足で地面をしっかりと踏む動作を行います。あとはそのままフィニッシュまで下半身を動かしていきましょう。
上半身を一切使わずに、下半身の動きを体に覚え込ませると同時に、スイングの土台となる下半身のパワーアップを目的としたトレーニングです。15回を3セット行いますが、負荷をかなりかけて行なうのでけっこうきついです。ただ、下半身だけでなく腹筋や体幹も鍛えられるので確実に飛距離がアップします。
アドレスの形を作り、両手を胸の前に交差したらトップまで体を捻転します
下半身リードでダウンスイングを行い、左足に体重を移動します
左足で地面を踏み込んだら、フィニッシュまで下半身を動かします
◆トスされたボールをバットで打ち返す
マシンを使うトレーニング以外もいろいろ行っていますが、その一つが野球のバットでボールを打つことです。プラスチック製のボールをトスしてもらい、それをバットで打ち返します。下半身の動きは先ほどと同じです。バックスイングで右足に体重を多く乗せたら、ダウンスイングの切り返しで左足を踏み込み、下半身リードのままバットを振り下ろします。さらに左足に体重を移動しながら、左足で地面を押していきます。打ち終えたら、そのままゴルフスイングのフィニッシュをとるイメージです。
これを連続で30球ぐらい打ち込むのを1セットとし、数セット行います。下半身の動きを確認しつつボールを打つ動作が加わるので、より実践的な練習になります。
下半身リードのスイングを身につけることができれば、ドライバーショットに限らず、アイアンショットでもインパクトが厚くなるので、飛距離も出るし、風に負けない強い球を打つことができます。トレーニングできない人は、写真を見て下半身の動きを参考にして下さい。
野球のバットを持ち、トスされたプラスチック製のボールを打つドリル。下半身リードのスイングは変わりません
取材・文／山西英希 撮影／鈴木祥
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◆教えてくれたのは…
田中瑞希プロ たなか・みずき／1998年生まれ、熊本県出身。2019年に3度目の挑戦でプロテストに合格。小柄ながらドライバーの平均飛距離は約243ヤード。今季の開幕戦、アース・モンダミンカップでは3位タイで注目を浴びる。ツアー初優勝を期待される黄金世代のひとり。
